「日本鉄スクラップ 鉄鋼と業者140年史」出版のご案内

 

1 ご案内

 

 「日本鉄スクラップ 鉄鋼と業者140年史」を106日発刊します。

 

2 本書の内容

 

1985年を分岐に「第一部 伊藤信司と稲山嘉寛の時代(18771985年)」と「第二部 渡来系業者とゼロカーボンの時代(19852021年)」の二部構成としました。

「日本鉄スクラップ史集成」(13年)及び「日本鉄スクラップ業者現代史」(17年)の集大成本として明治10年以来の140余年の鉄鋼と業者の歩みを通観しました。

 

本書の第一部およそ百年は、鉄屑・鉄スクラップの「絶対的欠乏」の時代です。当時「鉄は国家」ですから、戦前の国は、あらゆる法令を動員して鉄屑確保に走りました。それが日本鉄屑統制会社の設立であり、金属類回収令の制定であり、鉄屑指定商制度の創設でした。このすべてに係わったのが伊藤信司です。また戦後の国は経済復興の切り札として鉄鋼生産に賭けました。それが鉄屑カルテルの結成を促し、通産省独自の行政指導として鉄鋼公開販売(鉄鋼公販)制度をつくりました。このすべてに係わったのが稲山嘉寛です。

鉄屑の「絶対的欠乏」に終止符を打ったのが、85年プラザ・ショックによる円高(外圧)とその後の内需転換対策でした。したがって第二部は85年を起点とします。鉄スクラップ業は戦後、最も新規参入障壁の少ない業種でした(在日コリアン参入)。また各種リサイクル法制定のなか、その役割が再評価され(リサイクル新時代と異業種参入)、同時に先進諸国の都市鉱山・輸出産品として動き出し(渡来系業者の参入)。さらに待ったなしの「ゼロカーボン・スチール」時代の切り札となりました。第二部はそれらを考えました。

(なお目次詳細は、本稿末の4にございます。ご参照ください)

 

3 本書ご購入のご案内

 

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代金は3,000円+300円(税)=3,300円。送料400円。合計3,700円です。

 

4 「日本鉄スクラップ 鉄鋼と業者140年史」                                  目次

 

はじめに                           3

第一部 伊藤信司と稲山嘉寛の時代(1877~1985年)

第一章 明治・大正という時代                  12

 伊藤 寅松  まず屑カゴを背負って 12

 岡田 菊治郎という男  日本の鉄屑業の草分け 20

 鈴木 徳五郎  建場商から銅鉄商へ 26

 伊藤 信司  その生い立ち 36

 大戦反動と震災不況、銑鉄カルテルと日本製鉄誕生のいきさつ 42

 エピソードとして 江戸時代の古金(ふるがね)屋とは 48

 

第二章 日米開戦までの昭和という時代              50

 伊藤 信司 少壮右翼政治家として 50

 2・26事件の事後関与者、砲兵大佐橋本欣五郎と大日本青年党 52

 岡田 菊治郎  プレス機を開発 東京製鉄を設立する 55

 鈴木 徳五郎 昭和2年に株式会社に改組する 58

 德島 佐太郎  佐太郎は二人いる 61

 

第三章 それぞれの戦中  鉄屑統制と回収会社と男たち      64

 伊藤 信司と鉄屑統制会社 69

 伊藤 三好 小林一三の知遇を受ける 74

 岡田 菊治郎 鉄屑王、全国一の多額納税者 80

 鈴木 徳五郎 関東金属回収会社の社長として 82

 成島 英美―東京帝大出の東京市社会局職員 85

 德島 佐太郎 戦中は異業種に活動の場を求める 88

 その他の当時の主要な業者たち 90

 戦時中の統制会社と鉄屑業者(法令・活動) 96

 

第四章 それぞれの戦後                  108

 1946年 鈴木徳五郎は成島に店をまかす 110

 47年 小宮山 常吉は戦後第一回の参議院議員 110

 48年 德島 佐太郎は最大・最強の直納業者として再登場 112

 49年 岡田 菊治郎は「岡田商法」を再開 113

 49年 池谷 太郞は東京製鉄を岡田から引継ぐ 115

 51年 小宮山 英蔵は平和相互銀行を設立 117

 53年 古波津 清昇は沖縄の製鉄業を支える(兼・沖縄製鉄史、鉄屑業史) 125

 

第五章 鉄屑カルテルと日本鉄屑連盟の抗争         132

 53年1月 鉄屑カルテル予兆のなかで  「鉄屑界」を発刊 134

 日本鉄屑連盟の設立まで  伊藤と德島の対立 137

 5312月 鉄鋼20社鉄屑カルテル申請・業者は鉄屑連盟を結成 145

 カルテル申請は迷走  鉄鋼・稲山と連盟・伊藤の交渉術(需研登場) 150

 54年6月 鉄鋼、カルテル申請を取り下げる  伊藤、事実上の追放 158

 55年3月 公取委、鉄屑カルテル認可のサインを公表 165

 55年4月 鉄屑カルテルを認可  業者は指導権争いで分裂 168

 直納ディーラー(巴会)の男たち  松島政太郎、岡憲市、松岡朗 172

 5510月 連盟と巴会が対立。再合同に動く  仲介者・伊藤の采配 176

 56年9月 カルテル協定書から鉄屑連盟の名を消す  再合同も霧散 181

 業者団体のその後  鉄屑連盟は衰退、日本鉄屑問屋協会が登場 183

 エピソードとして 金属くず営業条例と鉄屑カルテル 186

 

第六章 稲山嘉寛と鉄屑カルテル          188

 永野 重雄 野育ちの鉄屑使いの男 188

 稲山 嘉寛 官営八幡一筋。業者対策の責任者として 193

 5510月 カルテル「崩壊」。通産省と稲山が「再建」に動く 203

 567月 米ルリア社と稲山  大量一括・長期契約方式を提案 208

 エピソードとして 一手購入機関構想と業者の思惑 216

 

第七章 太平洋ベルトコンベアと遣米鉄屑使節団       218

 57年2月 永野・稲山 遣米鉄屑使節団 219

 57年6月 180万㌧の長期契約輸入屑引取りと「国際信義」問題 220

 57年7月 鉄屑業者の抗議運動と11月「下限価格」割れの暴落 223

 

第八章 事実上の鋼材カルテル(鉄鋼公販)と稲山       230

 独禁法適用除外法案と通産省、鉄鋼の思惑 230

 幻の鉄鋼需給安定法案  通産省、3度目の敗退 233

 586月 鉄鋼公開販売(不況公販)と「稲山試案」 238

 612月 稲山の太平洋ベルトコンベア停止  その後 242

 64年 東京五輪  鉄鋼戦国時代のなかで 245

 6511月 住金事件  日向、稲山、永野のそれぞれの思惑 248

 73年  「鉄鋼公販」の10年。時評家・鎌田の指弾 255

 

第九章 ポスト・カルテルと需給新体制のなかで       258

 757月 業者は日本鉄屑工業会に結集する 259

 小澤 肇 日本鉄屑工業会初代会長(産業振興・社長) 260

 德島と伊藤 その後 263

 伊藤信司 余談として 266

 

第二部 渡来系業者とゼロカーボンの時代(1985~2021年)

第一章 戦後70年史概説                  274

 1945年 敗戦から52年講和条約(日本独立)まで 274

 50年代 鉄屑カルテルと鉄鋼公開販売制度の時代 275

 60年代 高度成長と鉄鋼乱世、大手商社の時代 277

 70年代 新日鉄的平和と鉄屑国内需給改善のなかで 279

 80年代 電炉構造不況とヤード業者成熟のなかで 281

 90年代 バブル崩壊と「逆有償」と92年リオ会議のなかで 283

 2000年代 リサイクル法制と輸出新時代のなかで 286

 10年代 異業種・新規参入と鉄スクラップ業の変質のなかで 290

 20年代 「ゼロカーボン」時代と鉄スクラップ「争奪」の予感 296

 

第二章 日本人業者―それぞれの戦後ビジネスのかたち       300

 鈴木 孝雄 工業会第三代会長  リサイクル法対応の10年 301

 中辻 恒文 工業会第四代会長  業界に国際感覚を持込む 306

 影島 義忠(影島興産)  戦後の復員兵、丸和商店川崎支店長から起業する308

 多屋 貞男(伸生スクラップ)  シュレッダープラントと時代に悪戦苦闘 311

 島 一、一樹の親子(シマ商会)  ローカルから日本、さらに世界を目指す315

 

第三章 在日コリアン系業者の過去と現在             318

 50年代 古物営業法、金属くず営業条例と在日コリアン 319

   「日本三文オペラ」とアパッチ族の時代 321

 60年代  鉄屑カルテル(55年)と「十年史(67年刊行)」の目線 322

 70年代以降  高度経済成長とヤード業者としての自立 324

その歩み  断片的な記録、証言から

 50年 姜 福心(梁川鋼材) 在日コリアンが鉄屑業に鞍替えする 326

 72年 安東 国善(青南商事) 青森から東北6県に進出する 332

 98年 高橋 克実(イボキン)―業の「大義」を掲げ、ジャスダックへ上場337

 2010年 安東 元吉(青南商事)―国際感覚を活かし世界へ発信する 340

 2020年 劉 庭秀(東北大学教授) 「静脈産業と在日企業」を出版 346

 

第四章 リサイクル新時代と異業種参入(内発変化として)       350

 各種リサイクル法の制定から始まった 350

 佐野 富和(エンビプロHD)  鉄スクラップ業では初の株式上場 351

 福田 隆(東港金属)  非鉄の百年会社。鉄に参入し総合リサイクル企業へ355

 稲福 誠(ナンセイ)  産廃物運搬業から進出、沖縄出身の意気を示す 360

 

第五章 渡来系業者進出のなかで(外発変化として)     362

 雑品・貿易ビジネスが始まりだった 362

 斉 浩(錦麒産業)  中国出身。雑品扱いから国内各地に拠点を確保 364

 曹 洋(福洋商事)  来日20年。会社創設10年で内外に販路を拡大する 367

 夏 立明(常.産業グループ)  中華系業者としての存在感を示す 369

 自動車、中古部品貿易会社ほか  予想される今後の展開 370

 

第六章 在来企業  新たなパラダイムを生き抜くために       372

 平林 久一 実の親子(平林金属)  吉備の国から「総合リサイクル」を拓く374

 鈴木 孝雄(リバーからTREホールディングスへ)―戦略的統合を目指す 380

 黒川 友二(扶和メタル)  「お客様が店を選ぶ」日本発のシッパー 385

 

第七章 ゼロカーボン社会と鉄スクラップ業の将来        392

 1 鉄スクラップが「ゼロ・カーボン」の切り札へ 392

 2 グリーントランスフォーメーション(GX)と鉄スクラップの今日的背景396

 3 ゼロカーボン社会と鉄鋼業、鉄スクラップの現在 399

 4 鉄スクラップの将来像を考える  誇大妄想的な予想として 401

編集を了えて                          404

参考資料                            406

                         以上