コロナウイルス対策とこのマーケットをどう考えるか(冨高私見)

コロナウイルス対策とこのマーケットをどう考えるか(冨高私見)

                               2020年3月9日

世界はトランプ政権の登場以来、無理を重ねてきた政治的・経済的なツケを、払わされる時がきたようだ。08年9月のリーマンショックは、アメリカ版不動産バブル(サブプライムローン・07年8月)の崩壊として起こったが、今回の危機は、タイトル風に言えば、いわば「予告された殺人」の物語に近い。その危機のあらすじを並べれば、次の通り。

1 アメリカファーストによる世界貿易の萎縮(18年・米中、EUなど関税引き上げ競争)

2 強権指導による政治的空白と対立(米はトランプ、日本は安部、韓国は文、中国は習)

3 ポピュリズムによる相互理解の崩壊(英国のEU離脱、日韓対立、米国の国内分断)

4 新型インフルによる国境ロックダウン(封鎖)の拡大(世界経済のパニック的萎縮?)

5 OPEC体制の崩壊(原油、株式暴落→信用リスク拡大→金利引き下げ→次のバブル?)

今後の展開予想

1 リーマンショックでは、世界各国が一斉に、協調して壊滅的な恐慌回避に動いた。

 *しかし、相互不信とヒトと物資の交流をロックダウンする現状では、期待できない。

2 典型がOPECプラスの崩壊後のサウジの増産。「自分だけ」のシェア争いだ。

3 またそれを象徴するのがロックダウンの増加。各国が門戸を閉ざす現状だ。

 *国内に蔓延すれば、国境を封鎖するロックダウンに疫学的な効果はない。

4 日本では、イベント・屋内サービス経済は窒息し、国民は「巣ごもり」に入る」。

*非常事態宣言から、営業活動は制約され、相互監視的な「自主規制」が強まる。

*日本の労働者の67%が第三次産業、サービス業。その収入が失われる(→消費萎縮)。

5 景気後退懸念から大型物件、建築工事の発注見送り、対外輸出の低下が予想される。

*鉄スクラップはリーマンショック後のH2・11,000円台に後退しても不思議ではない。

*鉄スクラップ業者が萎縮すれば、流通量は減る。需給タイトとなれば反発もある。

*パニックもいつかは終わる。封鎖で「失われた生産・消費」のリバウンドが次に来る。

*マーケットに良いも悪いもない。「商機」を求める者が「好機」をつかむ場である。

敢えて私見をいえば、

1 致死率が極めて高いエボラ出血熱など(致死率25~90%)強毒性対策として、各国が備えたウイルス対策を、弱毒性(致死率1%以下の報告・参照)だが、感染力が高いコロナウイルスに適用し、各国がロックダウンし「経済封鎖」をすることに強い違和感を覚える。

2 疾病対策としての政府の「自粛」要請とは、政府責任を個人責任に転嫁した無責任に限りなく近い。これに企業としてどう対応するかは、経営責任判断そのものが問われる。

3 今回の疾病による感染源はもはや追跡不能で、どこで、何時、誰から感染しても不思議ではないとされる。感染し重症化するのは、日頃の備えと体力(免疫力)の問題だ。  

企業経営もこれに同じ。今回の疾病は、日頃の経営体力の備えが問われる問題なのだ。

古人はこれを「吉凶は日によらず人による」と喝破した。

そう、吉日も凶日もない。あるのは、ただ人の決断だと。

【3月6日AFP】米保健省高官は5日、新型コロナウイルスの致死率は1%以下と推定されると発表した。届け出がされていない多数の感染者数を考慮したもので、これまでの推計値より低い。米保健省のブレット・ジロワー次官補は記者会見で「現時点で最も正確な推定致死率は、0.1~1%だ」と表明。「通常のインフルエンザより高い可能性があるのは確実であり、おそらく高いが、2~3%の可能性は低い」と説明した。

*インフルエンザ感染者の致死率は0.001%未満で、70歳以上の高齢者では0.03%。季節性インフルエンザは推定平均0.1%(阪大病院)。

https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/hp-infect/file/ictmon/ictmon162.pdf