4月10日情報

■市況概説=世界経済、マーケットはコロナ(ロックダウン)対策からマヒ寸前。

鉄スクラップ・トルコ貿易相場に底打ち気配。米国相場は霧の中。

*日経および業界新聞(要約)は下欄を参照してください。

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■関東鉄源、輸出・入札H2・FAS20,656円で成約、3か月続落(4月9日)=関東鉄源協組は4月9日共同輸出入札を行い、H2・FAS平均20,656円で2件20,200㌧成約した。落札はA社20,800円(5,200㌧)、B社20,606円(15,000㌧)の2件。応札は14社20件。11万5,700㌧。全応札の平均価格は19,462円。20,000円以上の応札は3件だった。前月比1,999円安。1月10日(26,667円)から3か月連続で後退し、下げ幅は6,011円に達した。http://www.kantotetsugen.com/index.html

■POSCO、鉄スクラップ購入を中断(4月9日)=テックスレポートによれば、韓国のPOSCOは同社光陽と浦項の鉄スクラップ購入を一時的に中断する。両製鉄所の1日当たり購入量は4,000㌧。中断期間は2か月程度かと推測される。減産対応の措置と見られることから、日本産の上級スクラップの輸入停止も想定される、としている。

■トルコ向けディープシーカーゴは反発(4月8日)=テックスレポートによれば、コロナウイルス感染拡大から、直近1ヶ月の間、つるべ落としに下げ続けていたトルコ向け相場も、トルコ筋の在庫補充の買いから底打ち気配。逆に、世界的な流通停滞と行動規制から供給不安も台頭。直近の成約値はHMS(75:25)で235㌦CFRで、200㌦台寸前まで落ち込んだ最近の安値から実質的には約30㌦ほど反発した。

■アメリカ相場、コロナショックでシッパー入荷は激減。トルコ筋の在庫補充に期待も(4月6日)=米国相場は、トルコ向けがディープシーカーゴが主力の東部海外とアジア向けコンテナ積みが主力の西海岸では、先行き相場観に開きがでている。▼両地区ともここ1カ月で相場は急落した。そのなかでトルコ筋が在庫補充に動き出したことから、東部では、ひとまず底入れ感は出てきた。またコロナ対策の行動規制からシッパー筋の入荷は激減。需給はタイトだが、手持ち玉が薄く身動きがとれない状態。一方、西海岸では、コンテナ流通減によるコンテナ運賃の上昇やインドの自国封鎖、ビレット価格との比較から、本格的な回復は見通せない状態のようだ。

■関東湾岸相場、H2・20,000~20,500円で弱含みで横這い(4月7日)=テックスレポートによれば、関東湾岸相場は、トルコ向け貿易相場が一応、下げ止まり気配をみせはじめたこと、東鉄も3月28日以来、新たな下げが見られないことから、また市中に動きも低調なことから動意は薄く、弱含み・横這い気配。H2は埠頭ヤードの買い指値は20,000円の大台を割っているが、実勢中心値は20,000~20,500円どころ。HSは23,000~23,500円、新断23,500~24,000円気配と伝えられる。

■鉄源協会調べ・H2相場、小幅続落(4月第1週)=関東18,833円(先週18,833円、前年同週32,000円)。▽関西19,375円(先週19,500円。前年同週33,000円)。

■異形棒鋼価格(同・4月第1週)=東京65,000円(先週65,800円、前年同週74,000円)。▽大阪60,000円(先週62,000円、前年同週68,000円)

■東鉄、3月28日の値下げ以降、新たな値動きはない(4月8日)=東京製鉄は3月28日から全拠点で購入価格を一律500円下げた。この結果、拠点別の特級価格は田原20,000円、岡山18,500円、九州17,500円、宇都宮19,000円、高松17,500円である。http://www.tokyosteel.co.jp/kb/

■米国・コンポジット価格はノミナル化、操業率は1か月で13ポイント以上も急落(4月7日)=4月6日付け東部3都市(ピッツバーグ、シカゴ、フィラデルフィア)・コンポジット価格(HMS1)は、3地区とも8週連続で232.67㌦の同値。ただ米国は外出禁止の非常事態下にあり、週間操業率は3月9日81.6%から4月6日68.5%へと13ポイント以上急落しており、相場はノミナル(名目)化している。3地区価格は、とりあえずピッツバーグ233.00㌦、シカゴ235.00㌦、フィラデルフィア230.00㌦だった。

■東国製鋼、H2・19,000円FOBで調達(4月6日)=テックスレポートによれば6日、東国製鋼はH2・19,000円FOBで手当てした。成約数量は6,000㌧規模。韓国向けH2輸出価格が2万円の大台を割ったのは16年10月以来、3年6か月ぶりとされる。

■ベトナム向けも低調・H2・FOB換算ベース19,000円レベル(4月6日)=2月通関統計によれば、ベトナム向けは韓国を抜いて、国別輸出先のトップに躍り出た。

▼直近の輸入商談は低調。海外貿易相場の急落やコロナ感染対策(陸続きの国境閉鎖や入国者隔離策)などから、見送り気配が強く、現状の買い応じ気配は日本側アイデアより1,000円以上も安い、H2ベース19,000円FOB前後かと推測される。

■鉄鉱石、中国スポット価格(4月9日)=中国の鉄鉱石62%スポット価格(粉鉱、Fe62%、CFR)、4月8日は82.25㌦。7日81.84㌦。3日82.38㌦。▼20年3月平均87.38㌦。2月平均85.10㌦。19年最高値は7月3日119.51㌦。

■LME鉄スクラップ先物(4月9日) ▽4月8日・先物1ヶ月=248.0㌦(前日247.0㌦)。2ヶ月=264.5㌦(262.0㌦)。3ヶ月=265.5㌦(262.0㌦)。6ヶ月=269.0㌦(269.0㌦)。12ヶ月=265.0㌦(265.0㌦)。15ヶ月=265.0㌦(265.0㌦)。

■大同特殊鋼は28日から鉄スクラップ建値を500円引き下げ(3月28日)=大同特殊鋼・知多工場は3月28日、購入価格を一律500円下げた。新断19,000円、HS・16,000円、H2・15,000円、ダライ粉5,000円となった。▽建値はhttps://www.daido-genryo.com/を参照。

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コロナウイルス対策とこのマーケットをどう考えるか(冨高私見・その3) より

1 省略

2 OPECとロシアの協調体制の崩壊による原油価格の底割れだけでなく、新型肺炎がヒトと物資の円滑な移動、意見集約の場を奪った。自国の門戸を閉ざすロックダウンがその象徴であり、世界はパニック状態にある。

3 世界経済の動向が、経済の非専門家集団であるWHOの「パンデミック宣言」に委ねられた。その終息宣言が事実上、世界経済活動再開のゴングとなる。このような非専門家による事実上の判断介入は・・・経済専門家にとっては予測不能の事態だ。

4 とはいえ、マーケットは動く。鉄スクラップ相場も世界的に動く。大局的に見れば、価格は㈠エネルギー投入価格と、㈡世界的な為替相場と、㈢目先の需給動向で決まる。エネルギー投入価格動向を左右するのが原油(WTI)相場。この底が割れた。

*NY原油価格が年間平均1バレル14㌦台に陥没した98年、鉄スクラップ炉前価格(H2)は1万円を割り、市中相場は02年まで「逆有償」に落ち込んだ。

  • *為替、円相場は「安全資産」として円高に振れやすい。輸出商品には逆風である。

*鉄鋼は自動車関連産業で、鋼材の約4割弱が直接輸出される輸出商品でもある。

*鉄スクラップの4分の1が、鋼材と同様に輸出に動く。相場に重石がかかった。

5 鉄スクラップは以上の条件で動く。需給要因がすべてではない、資源関連、地球温暖化防止関連、各種リサイクル関連の相場商品なのだ(以下・略)。

*「コロナウイルス対策とマーケットをどう考えるか(冨高私見)」は、本㏋の「マーケット分析欄」(3月10日・その1=全体状況に関して。3月12日・その2=ロックダウン状況に関して。3月13日・その3=今後のマーケットに関して)を参照して下さい。

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日経および業界新聞(要約)

■20年4~6月、粗鋼生産見込みは1,936万㌧、前年同期比25.9%減=経産省は9日、20年度第1四半期(20年4~6月)の出荷等相当粗鋼需要量は前年同期比25.9%、前期実績見込み比17.9%減の1,936万㌧で、09年4~6月(1,909万㌧)以来11年ぶりの水準。内外需を合わせた鋼材需要は前年同期比18.1%、前期実績見込み比12.1%減の1,828万㌧と発表した。ただ今回はコロナの影響の一部しか織り込んでいない。

緊急事態宣言、7都府県、5月6日まで(20/4/6)安倍首相は7日にも緊急事態宣言を発令すると表明した。東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県が対象で期間は5月6日までとする。宣言の効力は8日午前0時から。宣言は改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく。首相宣言を受けて7都府県知事が具体的な措置を示す。

▼特措法:ロックダウンにならず特別措置法の緊急事態宣言は政府が対象区域を示し、具体的な措置は都道府県知事が行う。知事は外出自粛が要請できるが、海外と異なり無許可の外出に罰則を科すような強制力はない。通勤や通院、食料の買い出しといった暮らしに欠かせない目的であれば自粛を求められない。特措法は多くの人が集まる施設に知事が使用制限や停止を要請・指示できると定めている。強制力はないが、事業者名などを公表するため一定の効力があるとみられる。対象は学校や保育所のほか、建物の床面積が1千平方メートルを超えた場合に対象となる施設。劇場や映画館、博物館、自動車教習所、学習塾、スーパーマーケットなどを含む。地域の小規模店は業種を問わず「原則としては対象から外れる」とみる。ホテル営業は客室に限定され、宴会場などの使用を制限される可能性があるほか、体育館やプール、キャバレー、ナイトクラブなども営業を控えることになる。保育所や介護老人保健施設などは面積に関係なく使用制限や停止を知事が要請・指示できる。

▽知事は臨時の医療施設を設けるため土地や建物を所有者の同意なく収用できる。医薬品や食料品も売り渡しを事業者に要請し、収用も可能。医薬品や食料品の保管も命令できる。隠した場合は6月以下の懲役または30万円以下の罰金を科す。

■世界人口の4割自宅待機(20/4/1)=世界全体の感染者数は31日、80万人を超え、死者数も3.8万人超。AFP通信によると29日時点で世界33.8億人以上が外出制限措置の対象。世界人口の4割超が自宅自粛。感染者数が16万人超の米国は全50州のうち約3分の2に当たる30程度の州で外出禁止などの移動制限が発動された。

鉄鋼減産が世界的に拡大(20/4/5・産業新聞)=欧州ではアルセロール・ミッタルが需要見合いで生産を調整すると発表。インドのタタ製鉄や需要の回復が遅れる中国の宝武鋼鉄集団、輸出が減少している台湾の中国鋼鉄もそれぞれ減産に踏み切る。日本の鉄鋼大手も減産を検討。新型コロナの世界的な感染は収束が見通せず、減産が長期化する恐れがある。

■JFE、京浜の高炉休止へ(20/3/27・夕)=JFEスチールは東日本・京浜の第2高炉を休止する方向で調整に入った。京浜で稼働している高炉は1基のみで、高炉が稼働する製鉄所としての機能が実質的になくなる。休止時期は数年以内になる見通し。休止以降は、他の製鉄所から半製品を調達して、加工などの工程を続ける。