コロナウイルス対策とこのマーケットをどう考えるか(冨高私見。その4)

コロナウイルス対策とこのマーケットをどう考えるか(冨高私見。その4)

                               2020年4月22日

私が接した今回の疫病に関する情報(3月上旬)は、

①未知の新型コロナウイルスが登場した、②致死率は1~2%前後、③誰も免疫を持たないため爆発的に感染が広がる恐れが高い、④だから武漢は都市封鎖を行い、世界規模に拡大すれば、市場封鎖や国境閉鎖もありうる・・・との状況だった。

ただ、市場封鎖や国境閉鎖の論議には、落ち着きの悪い違和感が残った。

日本の産業構造は、第三次産業が中核で全世帯の7割が従事している。つまりサービス・接客業。これを封鎖すれば、彼らの所得の大部分が失われる。生活基盤が崩れる。

果たして、それでいいのだろうか、との疑問だった。

病症を調べた。80%は軽症で未発症者も多い。20%は重症で5%は重篤。致死率1~2%。ただし高齢者と基礎疾患者の致死率は10倍以上に跳ね上がる、特徴を持つという。

また検査漏れや未発症者を含めれば、致死率は0.1%前後かとのデータも見た。

であれば、対策はある。

高齢者と基礎疾患を持つ者を、疫病から隔離し、免疫獲得まで時間を稼ぐ。ロックダウンはしない。その代わりの対策を、国民の生命・財産を守る国の施策として、万策を尽くす。

*ロックダウン、国境封鎖は、国内発の発症者が続発すれば、無意味だ(汚れた水の防波堤をいくら高くしても、国内で汚水が出れば何の効果もない)とも考えた。

しかし、事態は私の予想を超えて急激に悪化し、ロックダウン、国境封鎖が拡大した。

私の予想は、この疫病に誰も免疫を持たず、ひとたび感染が拡大すれば誰もが感染者となる(陽性)→その対策として、未発症者を含めた感染者隔離が、世界各国での共通対策となる→都市封鎖が現実化する・・・とまでの想像力が及ばなかったことから、破綻した。

ただ、都市封鎖、ロックダウンが唯一の対処法だったか、といえば、これにも疑問が残る。

中国に最も近い台湾、韓国の対処法だ。国が危機に当たって、国民の生命と健康を守るために迅速果敢に動き、疫病をその本来の病理(致死率1~2%)に抑え、ロックダウンを回避し、第三次産業労働者(つまり大部分の国民)の生活を守った。そんな国もある。

彼らにできて、なぜ日本ではできなったのか。

非常時のリーダーの資質の問題と言えば、それまでだが、

危機にあたって迅速に枠組みを組み替えることなく、従来手法を守り続ける。

その適応力のなさは、江戸幕府以来、連綿として引き継がれた、わが国固有の伝統。

であれば、今回の疫病は、45年の敗戦に続く、第三の黒船かもしれない。

見るべきは、嵐の後の世界である。そうでなければ国民は救われない。