5月7日情報

■市況概説=トルコ筋のラマダン手当ては一服し、価格も後退。欧州では行動規制が解除の動きが広がる。アジア鉄スクラップは底入れだが、国内は低迷状態

「新型コロナウイルスと我われ、その予感(冨高コメント)」は、本㏋の「マーケット分析欄」(20年5月1日)を参照して下さい。

*日経および業界新聞(要約)は下欄を参照してください。

*********************************

■関東湾岸相場、H2・20,000円へ値戻し(5月1日)=連休前の関東湾岸相場は、トルコ向け貿易相場の反発、アジア周辺の貿易相場の値戻し、また国内では感染防止の行動規制などから工場および市中発生も減少し、湾岸相場もひとまず下げ止まった。H2は埠頭ヤードの買い指値の中心値は20,000円の大台を割っていたが、現状は安値が500円方切り上がり、大台に戻した。HSは22,500~23,000円、高値23,500円、新断23,000~23,500円、一部高値24,000円と伝えられる。

■韓国向け輸出商談、H2・21,000円FOBへ上昇(4月30日)=テックスレポートによれば、韓国向け輸出商談は直近の安値から1,500円反発し、H2ベースで東国製鋼が20,500~21,000円FOB成約した。ただ国内の市中発生、回収も低調なため、扱い筋は新規成約には慎重な向きが多い。東京湾岸の売り唱えはH2ベースで22,500円超と伝えられる。海外反発、国内供給難から上げ含みの展開だ。

■鉄源協会調べ・H2相場、小幅続落(4月第4週)=関東18,500円(先週18,667円、前年同週29,167円)。▽関西19,125円(先週19,125円。前年同週31,125円)。

■異形棒鋼価格(同・4月第4週)=東京65,000円(先週65,800円、前年同週74,000円)。▽大阪60,000円(先週60,000円、前年同週68,000円)

■トルコ向けディープシーカーゴの商談は一服、価格も14~15㌦後退(4月30日)=トルコ向け商談はラマダン月(4月24日~5月23日)に入ったことから一服した。今後は先に契約した(米国や欧州玉の成約値は256~8㌦CFR)ディープシーカーゴの配船、契約履行に各シッパーが当たることになる。直近の成約はHMS(80・20)242㌦CFRで前回よりも14~15㌦低い。

■米国・コンポジット価格は186.00㌦で横這い。操業率は55.8%に低下(4月30日)=4月27日付け東部3都市(ピッツバーグ、シカゴ、フィラデルフィア)・コンポジット価格(HMS1)は前々週46.67㌦急落し186.00㌦に後退したが、下げ一巡後の27日現在は、先週と同値・横這い。3地区価格は、ピッツバーグ183.00㌦、シカゴ185.00㌦、フィラデルフィア190.00㌦。▽週間操業率は3月9日81.6%から4月20日57.0%、27日55.8%に後退している。

■アメリカ相場、コロナショックで国内メーカーは減産、市中供給も大幅減。輸出手当てに難航も(4月28日)=米国国内メーカーは大幅な減産(4月13日・週間操業率は56.1%)体制にある。またシカゴ、デトロイトなど東部都市では製造工場からの発生も途絶し、市中流通、ディーラー在庫とも3月に比べ半減状態。このなかで今後はトルコ向け輸出数量の契約履行が迫られる。このため東部沿岸部では低級品種でも先週20~30㌦の反発が伝えられる。

■鉄鉱石、中国スポット価格、4月平均は82.98㌦(5月1日)=中国の鉄鉱石62%スポット価格(粉鉱、Fe62%、CFR)、4月30日は82.50㌦。29日81.80㌦。▼20年4月平均は82.98㌦。3月平均87.38㌦。2月平均85.10㌦。19年最高値は7月3日119.51㌦。

■LME鉄スクラップ先物(5月1日) ▽4月30日・先物1ヶ月=244.51㌦(前日245.0㌦)。2ヶ月=245.0㌦(248.5㌦)。3ヶ月=250.0㌦(250.0㌦)。6ヶ月=257.5㌦(260.0㌦)。12ヶ月=244.0㌦(247.0㌦)。15ヶ月=244.0㌦(247.0㌦)。

■ベトナム向けはH2・FOB換算ベース21,500円レベル(4月28日)=トルコ向け相場が反発したことからアジア相場も、ベトナムのバルク手当ても20~25㌦上昇した。日本産も10~15㌦の上昇が伝えられる。扱い筋によれば、現状はH2・FOB換算ベース21,500円レベルの模様。▼2月通関統計によれば、ベトナム向けは韓国を抜いて、国別輸出先のトップに躍り出た。

■東鉄、4月28日から田原と岡山、高松の3拠点で購入価格をさらに500円下げる(4月27日)=東京製鉄は28日から田原、岡山、高松の3拠点で購入価格を500円下げる。この結果、拠点別の特級価格は田原18,500円(500円下げ)、岡山17,500円(500円下げ)、九州17,500円(据え置き)、宇都宮18,500円(据え置き)、高松16,500円(500円下げ)となる。http://www.tokyosteel.co.jp/kb/

■台湾向けコンテナ価格は反発、上昇(4月22日)=トルコ向け相場が反発したことや貿易後退によるコンテナ回送船の減少から、台湾向けの米国コンテナ価格も反発。これに連れて手近の日本玉への引き合いも増加、価格も上昇中。テックスレポートによれば、H1・H2(50・50)ミックスで230~235㌦CFRまで上昇した。先週比7~10㌦高。現状はH2・FOB換算ベース22,000円レベルまで戻した模様。

■大同特殊鋼は14日から鉄スクラップ建値500円引き下げ(4月14日)=大同特殊鋼・知多工場は4月14日、購入価格を一律500円下げた。新断18,500円、HS・15,500円、H2・14,500円、ダライ粉4,500円となった。▽建値はhttps://www.daido-genryo.com/を参照。

**************************

日経および業界新聞(要約)

■米、大型減税を検討(20/5/5)=トランプ米政権は追加経済対策として、労使双方が負担する「給与税」の減免の検討に入る。同税は年1.2兆ドルの税収がある基幹税で、実現すれば2017年末以来の大型減税となる。失業率が10%を超えて戦後最悪の水準になると予想され、減税とともに雇用の受け皿となるインフラ投資も打ち出す方針だ。米政権と議会は既に過去最大の3兆ドル弱もの財政出動を決めている。トランプ氏はさらに給与税の全面免除を議会に働きかける方針で、1兆ドル規模の追加の財政出動となる可能性がある。

■米、中国に報復論(20/5/2)=トランプ米大統領は4月30日、中国が初期対応を誤った結果、新型コロナウイルスが世界に拡散したとして、同国に報復措置を検討していると明らかにした。関税引き上げに言及したほか、損害賠償金の請求なども検討する。

■米30州、経済一部再開(20/5/2)=全米一律の行動制限が期限を迎えた4月30日までに、30州以上が飲食店や小売店の営業再開を認める方針に転じた。テキサス州は5月1日、飲食店や小売店、映画館などの営業禁止規制を解除。アイオワ州も1日から同様の業種を50%の占有率で営業を認める。アラバマやルイジアナ、モンタナなど各地で再開の動きがある。シカゴを抱えるイリノイ州は1日から店外での引き渡しを条件に小売店の営業を認め、一部公園も開放する。

■米1~3月GDP、4.8%減(20/4/30)米商務省29日発表の1~3月期実質国内総生産(GDP)は、前期比年率換算で4.8%減少。GDPの7割を占める個人消費は前期比年率換算で7.6%減となった。▼4~6月、年率40%予測党派中立機関の米議会予算局(CBO)は、4~6月期の成長率が前期比11.8%減、年率換算マイナス39.6%と予測する。金融危機の08年10~12月期(年率8.4%減)の5倍近い悪化。4%台だった失業率は、戦後で最悪となる15%前後に達しそうだ。▼大規模小売店は24日までの1週間で、売上高が前年比44%も減少。1200万人の従業員のうち既に800万人が解雇や帰休の対象になったと試算される。失業保険の申請数は1カ月強で2600万件を超え、労働者の7人に1人が既に職を離れた計算だ。飲食店は一時休業にとどまらず、最大で20%が廃業を余儀なくされる可能性がある

■欧州、経済活動再開相次ぐ(20/4/30)EU上位4カ国の独仏、スペイン、イタリアが全て制限緩和を発表した。フランスは3月17日から薬局や食料品店などに限り営業を認めてきたが、ほぼ全業種で再開させる。仏製造業も続々と動き出した。15日に緩和を発表したドイツでは主要産業の生産再開が本格化している。レストランやカフェにも認めるかは6月2日以降に決めるイタリア政府は5月4日に製造業の再開を認める。スペインも13日に製造業などの再開を認めており、オーストリアやギリシャなども外出制限緩和の方針を発表済みだ。ただその一方、産業再開から欧州で感染が再拡大する恐れもある。

■IMF 、20年世界経済マイナス3.0%予測(20/4/15)IMFは14日、20年世界経済成長率予測をマイナス3.0%へ下げた。「大恐慌以来、最悪」。2.9%のプラス成長だった19年から大幅に悪化し、09年(0.1%減)以来のマイナス成長に落ち込む。1月予測(プラス3.3%)から大幅な下方修正。▽20年のシナリオはマイナス3%の経済成長だが、感染封じ込めに失敗すれば、成長率のマイナス幅は6%程度となり、約90兆ドルある世界の名目GDP(国内総生産)は5.4兆ドル(580兆円)も小さくなる。

■20年4~6月、粗鋼生産見込みは1,936万㌧、前年同期比25.9%減=経産省は9日、20年度第1四半期(20年4~6月)の出荷等相当粗鋼需要量は前年同期比25.9%、前期実績見込み比17.9%減の1,936万㌧で、09年4~6月(1,909万㌧)以来11年ぶりの水準。内外需を合わせた鋼材需要は前年同期比18.1%、前期実績見込み比12.1%減の1,828万㌧と発表した。ただ今回はコロナの影響の一部しか織り込んでいない。

鉄鋼減産が世界的に拡大(20/4/5・産業新聞)=欧州ではアルセロール・ミッタルが需要見合いで生産を調整すると発表。インドのタタ製鉄や需要の回復が遅れる中国の宝武鋼鉄集団、輸出が減少している台湾の中国鋼鉄もそれぞれ減産に踏み切る。日本の鉄鋼大手も減産を検討。新型コロナの世界的な感染は収束が見通せず、減産が長期化する恐れがある。