5月12日情報・追加

■市況概説=トルコ筋はラマダンで手当ては一服。ロックダウンによる供給・流通減の影響も表面化し、鉄スクラップ価格は底入れ気配も

「新型コロナウイルスと我われ、その予感(冨高コメント)」は、本㏋の「マーケット分析欄」(20年5月1日)を参照して下さい。

*日経および業界新聞(要約)は下欄を参照してください。

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■トルコ向けディープシーカーゴの商談、上値含みで商談持越し(5月12日)=関係者によればトルコ向け商談はラマダン月(4月24日~5月23日)で一服状態だが、供給側はコロナ対策による流通減から、唱え高を崩していない。新規の成約は聞かれないが、米国筋の売り唱えはHMS(80・20)250㌦CFRが伝えられる。5月上旬の成約ベースより10㌦以上高い。

■アメリカ相場、コロナショックで国内需給は縮小、輸出商談一服から浜値は底入れ・反発(5月12日)=米国国内メーカーは大幅な減産(直近・週間操業率は51.1%)、シカゴ、デトロイトなど東部都市では製造工場からの発生も途絶し、市中流通、ディーラー在庫とも3月に比べ半減状態。トルコ向け輸出の契約履行が迫られる。このため東部沿岸部では底入れ、反発気配が広がっている。

■韓国向け輸出商談、そろりと上昇気配に動く(5月12日)=関係者によれば、最大手の現代製鉄はH2ベース20,000円FOBの買い唱えを維持しているが、東国製鋼や大韓製鋼が21,500~22,000円FOBの買い唱えだ。一方、日本筋では国内の市中発生、回収も低調なため、扱い筋は新規成約には慎重な向きが多いと伝えられる。

■ベトナム向け商談も、上値含みへ(5月12日)=ベトナムは4月23日、ハノイ、ホーチミン両市などの外出禁止を解除するなど、コロナ対策に目途がつきだしたことから、日本玉手当てに動き出した。ただ関係者によればH2・FOB230~235㌦レベルで、日本側のアイデアと5~10㌦安いとされる。

■日鉄、コロナ減産で高炉5基を一時休止(20/5/8・日経夕刊)=日本製鉄は、鹿島(第1高炉、4月15日)と和歌山(第1高炉、4月25日)で高炉1基を一時休止し、5月中旬には君津(第2高炉)でも一時休止する。これだけでは需要急減に追いつかないと判断し、高炉2基を7月以降、追加休止する。追加は室蘭「第2高炉」と八幡(小倉)の「第2高炉」。室蘭の高炉は今年夏から改修を計画していたが、前倒しで休止。八幡の高炉は9月末までに恒久的に止めることを決定済みだが、前倒しで止める。同社グループの国内粗鋼生産能力は約5400万トン。新型コロナ以前から一時休止をしている高炉(呉・第2高炉、2月15日)1基を含めて合計6基が止まることになり、国内生産(稼働は大分など9基)能力は一時的に3割減る。

■米国・コンポジット価格は186.00㌦で横這い。操業率はさらに低下し51.1%に(5月7日)=5月4日付け東部3都市(ピッツバーグ、シカゴ、フィラデルフィア)・コンポジット価格(HMS1)は186.00㌦で過去3週と同値・横這い。3地区価格は、ピッツバーグ183.00㌦、シカゴ185.00㌦、フィラデルフィア190.00㌦。▽週間操業率は3月9日81.6%から4月27日55.8%、5月4日51.1%に後退している。

■関東湾岸相場、H2・20,000円(5月1日)=関東湾岸相場は、トルコ向け貿易相場の反発、アジア周辺の貿易相場の値戻し、また国内では感染防止の行動規制などから工場および市中発生も減少し、湾岸相場もひとまず下げ止まった。H2は埠頭ヤードの買い指値の中心値は20,000円の大台を割っていたが、現状は安値が500円方切り上がり、大台に戻した。HSは22,500~23,000円、高値23,500円、新断23,000~23,500円、一部高値24,000円と伝えられる。

■鉄源協会調べ・H2相場、小幅続落(4月第4週)=関東18,500円(先週18,667円、前年同週29,167円)。▽関西19,125円(先週19,125円。前年同週31,125円)。

■異形棒鋼価格(同・5月第1週)=東京65,000円(先週65,800円、前年同週74,000円)。▽大阪60,000円(先週60,000円、前年同週68,000円)

■鉄鉱石、中国スポット価格、5月8日85.55㌦(5月11日)=中国の鉄鉱石62%スポット価格(粉鉱、Fe62%、CFR)、5月8日85.55㌦、7日は84.33㌦6日82.91㌦。連休前の4月30日は82.50㌦。▼20年4月平均は82.98㌦。3月平均87.38㌦。2月平均85.10㌦。19年最高値は7月3日119.51㌦。

■LME鉄スクラップ先物(5月8日) ▽5月7日・先物1ヶ月=249.0㌦(前日245.0㌦)。2ヶ月=262.5㌦(255.0㌦)。3ヶ月=262.0㌦(260.0㌦)。6ヶ月=262.5㌦(261.0㌦)。12ヶ月=260.0㌦(258.5㌦)。15ヶ月=259.0㌦(256.0㌦)。

■東鉄、4月28日から田原と岡山、高松の3拠点で購入価格をさらに500円下げる(4月27日)=東京製鉄は28日から田原、岡山、高松の3拠点で購入価格を500円下げる。この結果、拠点別の特級価格は田原18,500円(500円下げ)、岡山17,500円(500円下げ)、九州17,500円(据え置き)、宇都宮18,500円(据え置き)、高松16,500円(500円下げ)となる。http://www.tokyosteel.co.jp/kb/

■大同特殊鋼は4月14日から鉄スクラップ建値は変わらない(5月12日)=大同特殊鋼・知多工場は4月14日、購入価格を一律500円下げたあと、新たな動きはない。新断18,500円、HS・15,500円、H2・14,500円、ダライ粉4,500円。▽建値はhttps://www.daido-genryo.com/を参照。

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日経および業界新聞(要約)

■日本、1億㌧の粗鋼生産水準を維持は「困難」(20/5/11・金属通信)=日本製鉄は8日、19年度の決算を発表。連結事業損失は2,844億円、経常損失4,061億円、当期損失4,261億円。営業損失1,193億円、経常損失4,041億円、純損失4,556億円で、粗鋼生産は3,954万㌧(連結4,705万㌧)。販売単価は通期8万7,300円に2,600円の値下がり。下期は上期比1,200円下落した。需要環境は下期に減速感が強まり、出荷数量も1,788万㌧と上期比55万㌧減少した。通期前年比166万㌧減少した。ただコロナの影響は今年度4月以降の決算に反映される。20年度は「コロナが11月までに終息しても60%稼働」を覚悟せざるを得ない。▼日本全体の粗鋼生産は「内需6千万㌧のうち、建設2千万㌧、製造2千万㌧、間接輸出2千万㌧があるが、カギとなるのは間接輸出などの2千万㌧だ。コロナ終息後に世界で地産地消の流れが強まることが予想され、間接輸出2千万㌧がどうなるかが今後の需給のポイントとなる」とし、内需も輸出も含め1億㌧の粗鋼生産水準を維持するのは「困難だ」と終息後も鉄鋼業界として厳しい局面に置かれ続けるとの認識を示した。

■新興国感染、先進国抜く(20/5/10)WHOデータをもとに、新規感染者数を集計した。先進国は4月上中旬から4割以上減少したが、新興・途上国は拡大が止まらない。新規感染者数は5月上旬に先進国を逆転し、8日に1日5万人を超えた。新興・途上国の感染爆発を止められなければ、世界の新型コロナへの戦いに終止符は打てない。対外債務の不履行などが広がれば、世界経済にも大混乱が広がる懸念がある。

■米失業率14.7%(20/5/9)=米労働省8日発表の4月雇用統計(速報値、季節調整済み)は、失業率が前月(4.4%)から10.3ポイントも上昇し14.7%に達した。失業者数も714万人から2308万人に急増した。製造業や建設業などあらゆる産業が雇用の持続力を失っている。「見えない失業」も増えている。労働力人口は3月の1億6300万人から4月は1億5600万人に減った。職探しを諦めた離職者が多いことを示しており、こうした人口は失業率に加算されない。4月の実質的な失業率は20%前後に達するとの指摘もある。

■米、大型減税を検討(20/5/5)=トランプ米政権は追加経済対策として、労使双方が負担する「給与税」の減免の検討に入る。同税は年1.2兆ドルの税収がある基幹税で、実現すれば2017年末以来の大型減税となる。失業率が10%を超えて戦後最悪の水準になると予想され、減税とともに雇用の受け皿となるインフラ投資も打ち出す方針だ。米政権と議会は既に過去最大の3兆ドル弱もの財政出動を決めている。トランプ氏はさらに給与税の全面免除を議会に働きかける方針で、1兆ドル規模の追加の財政出動となる可能性がある。

■米30州、経済一部再開(20/5/2)=全米一律の行動制限が期限を迎えた4月30日までに、30州以上が飲食店や小売店の営業再開を認める方針に転じた。テキサス州は5月1日、飲食店や小売店、映画館などの営業禁止規制を解除。アイオワ州も1日から同様の業種を50%の占有率で営業を認める。アラバマやルイジアナ、モンタナなど各地で再開の動きがある。シカゴを抱えるイリノイ州は1日から店外での引き渡しを条件に小売店の営業を認め、一部公園も開放する。

■米1~3月GDP、4.8%減(20/4/30)米商務省29日発表の1~3月期実質国内総生産(GDP)は、前期比年率換算で4.8%減少。GDPの7割を占める個人消費は前期比年率換算で7.6%減となった。▼4~6月、年率40%予測党派中立機関の米議会予算局(CBO)は、4~6月期の成長率が前期比11.8%減、年率換算マイナス39.6%と予測する。金融危機の08年10~12月期(年率8.4%減)の5倍近い悪化。4%台だった失業率は、戦後で最悪となる15%前後に達しそうだ。▼大規模小売店は24日までの1週間で、売上高が前年比44%も減少。1200万人の従業員のうち既に800万人が解雇や帰休の対象になったと試算される。失業保険の申請数は1カ月強で2600万件を超え、労働者の7人に1人が既に職を離れた計算だ。飲食店は一時休業にとどまらず、最大で20%が廃業を余儀なくされる可能性がある

■欧州、経済活動再開相次ぐ(20/4/30)EU上位4カ国の独仏、スペイン、イタリアが全て制限緩和を発表した。フランスは3月17日から薬局や食料品店などに限り営業を認めてきたが、ほぼ全業種で再開させる。仏製造業も続々と動き出した。15日に緩和を発表したドイツでは主要産業の生産再開が本格化している。レストランやカフェにも認めるかは6月2日以降に決めるイタリア政府は5月4日に製造業の再開を認める。スペインも13日に製造業などの再開を認めており、オーストリアやギリシャなども外出制限緩和の方針を発表済みだ。ただその一方、産業再開から欧州で感染が再拡大する恐れもある。

■IMF 、20年世界経済マイナス3.0%予測(20/4/15)IMFは14日、20年世界経済成長率予測をマイナス3.0%へ下げた。「大恐慌以来、最悪」。2.9%のプラス成長だった19年から大幅に悪化し、09年(0.1%減)以来のマイナス成長に落ち込む。1月予測(プラス3.3%)から大幅な下方修正。▽20年のシナリオはマイナス3%の経済成長だが、感染封じ込めに失敗すれば、成長率のマイナス幅は6%程度となり、約90兆ドルある世界の名目GDP(国内総生産)は5.4兆ドル(580兆円)も小さくなる。

■20年4~6月、粗鋼生産見込みは1,936万㌧、前年同期比25.9%減=経産省は9日、20年度第1四半期(20年4~6月)の出荷等相当粗鋼需要量は前年同期比25.9%、前期実績見込み比17.9%減の1,936万㌧で、09年4~6月(1,909万㌧)以来11年ぶりの水準。内外需を合わせた鋼材需要は前年同期比18.1%、前期実績見込み比12.1%減の1,828万㌧と発表した。ただ今回はコロナの影響の一部しか織り込んでいない。

鉄鋼減産が世界的に拡大(20/4/5・産業新聞)=欧州ではアルセロール・ミッタルが需要見合いで生産を調整すると発表。インドのタタ製鉄や需要の回復が遅れる中国の宝武鋼鉄集団、輸出が減少している台湾の中国鋼鉄もそれぞれ減産に踏み切る。日本の鉄鋼大手も減産を検討。新型コロナの世界的な感染は収束が見通せず、減産が長期化する恐れがある。