■東京製鉄は17日から全国6拠点で500~1,000円引き下げ(3月16日)=東京製鉄は、17日からの鉄スクラップ買い入れ価格を高松で1,000円、その他5拠点で全品種500円引き下げた。値下げは昨年11月30日以来、およそ3か月ぶり。
各拠点の特級価格は、田原(海上・陸上)=55,000円、名古屋(陸上)=54,500円、岡山(海上・陸上)=55,000円、九州(海上・陸上)=55,000円、宇都宮(陸上)=55,000円、高松(陸上)=53,500円。
購買情報|東京製鐵株式会社 (tokyosteel.co.jp)
■LME鉄スクラップ先物(3月17日)・現地3月16日:1ヶ月=458.5㌦(前日459.5㌦)。2ヶ月=438.0㌦(451.0㌦)。3ヶ月=438.0㌦(452.0㌦)。6ヶ月=431.0㌦(448.5㌦)。12ヶ月=440.0㌦(445.0㌦)。
■米コンポジットは379.67㌦、前週比11.34㌦高(3月14日)=テックスレポートによれば、3月13日付け東部3都市(ピッツバーグ、シカゴ、フィラデルフィア平均)コンポジット価格(HMS1)は1ロング㌧当たり379.67ドル。前週比11・34㌦高。月間では昨年12月以降、4か月連続で高値更新。
■トルコ向け貿易相場は、復興需要期待を背景に続伸(3月14日)=テックスレポートによればトルコ地震の影響から同国の鉄関連相場は急反発。トルコ向けの新規成約価格はHMS(80:20)ベースでトン当たり460~465㌦CFR。420㌦CFRだった震災直前の相場帯から40㌦近く急反発した。
「商談価格は日々上昇」。トルコの3月の震災復興需要は約400万㌧とされ、「輸入スクラップの価格上昇は避けられない見通し」と伝えられる。
*海外マーケット、トルコの震災後の鉄鋼需要にも注目(2月13日)=関係者によれば、トルコの鉄鋼各社の鉄スクラップ新規商談はストップ状態にあるが、理由は電力やガスのインフラの供給停止のためで、鉄鋼各社の生産設備の被害は大きくはないとされる。このため関係筋は、鉄鋼各社の商談再開のタイミングを注目している。
■H2炉前価格、東西共に5万円台の高止まり(鉄源協会3月15日)=3月第2週:関東52,833円(先週51,677円)。前年同期59,333円。▽関西51,500円(50,500円)。前年同期56,625円。
■関東湾岸相場は底上げ・反発(3月14日)=関東鉄源協組の輸出・入札が地場メーカー価格を上回る高値で成約できたことから、湾岸相場は一気に底上げされた。足元の相場はH2・54,000~55,000円(先週比1,500円高)、HS・57,000~58,500円(先週比2,000円高)、新断57,000~57,500円(1,500円高)気配。
■現代製鉄、H2に54,000円(FOB)のビッドを提示(3月9日)=テックスレポートによれば、現代製鉄は10日、4月20日を船積み条件として、H2に54,000円(FOB)のビッドを提示した。2月22日の指値(51,000円)に比べ3,000円の引き上げとなる。その他の品種、H1/H2(50:50)ミックスが54,500円(FOB)、HSが57,000円(FOB)で両品種ともに3,000円の値上げ。今回の入札ではシュレッダーと新断も対象品種となったが、ビッドは提示されていない。
■関東鉄源協組、H2・55,438円(FAS)で落札、前月比2,076円高(3月9日)=テックスレポートによれば、関東鉄源協同組合は9日、3月契約(船積み期限4月30日)の輸出・入札を実施し、H2ベーストン当たり55,438円(FAS)を決めた。前月比2,076円高。昨年4月(67,010円)以来11ヵ月ぶりの高値となった。
落札は、A社=55,680円(3,100㌧)、B社=55,388円(15,000㌧)の2件・計18,100㌧。応札は15社17件。応札数量は91,800㌧。向け先は1番札が台湾、2番札がバングラデシュ。全応札の平均価格は53,990円で、足元の湾岸FAS価格を2,000~2,500円程度上回った。
上昇要因として南理事長は「トルコが始動したこと、円安の為替レート、品薄」の3点を挙げた「トルコが震災復興のために400万㌧超の鉄スクラップを買うと言われ、つれてベトナム、台湾、バングラデシュなどが動き始めた。為替レートが現在1ドル=137円を付けており、円安の影響も大きかった。また世界的に鉄スクラップの供給、発生が乏しい」と指摘。7日に開かれた役員会では出席者全員が来月までの相場見通しを「強気」と答えた。国内相場は先高との見方を示した。
■異形棒鋼価格(鉄源協会3月13日):3月第2週=東京118,000円(先週118,000円)。▽大阪107,000円(先週107,000円)
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直近 日経新聞、業界紙、各社㏋要約
■岸和田製鋼、操業再開(3月16日・産業新聞)=岸和田製鋼は15日、今年1月4日の火災を受けて休止していた電炉製鋼工場の操業を4月25日夕から再開すると発表した。
■神鋼・ミドレックス 水素直接還元鉄プロセス、独ティッセンが採用(3月15日・産業新聞)=神戸製鋼は14日、米100%子会社ミドレックス社の水素直接還元鉄プロセスが独ティッセンクルップの還元鉄プラントに世界で初めて採用されたと発表。生産能力は年産250万㌧。独最大の直接還元鉄プラントとして、26年末の立ち上げを予定。初期段階では還元剤として天然ガスを利用するが、27年以降は最大100%の水素還元を計画している。
■ナンセイスチール、大阪八尾工場を開設(3月8日・産業新聞)=金属リサイクル業のナンセイスチール(本社=千葉県)は、大阪八尾工場を新たに開設した。大阪鶴浜工場の中継地点として、今後は金属スクラップ扱い量を徐々に増やし、事業拡大を目指す。
■共栄(株)、シュレッダー設備を導入(3月7日)=テックスレポートによれば、共栄(本社=兵庫県神戸市、久宝利幸社長)は7日、播磨工場で竣工式を開き、来賓およそ50名が参列した。来賓として平林実・平林金属社長、勝山正明・扶和メタル社長、木谷謙介・シマブンコーポレーション社長らが出席。同社初となるシュレッダー設備の導入を契機に「播磨ヤード」を「播磨工場」に改名した。播磨工場は敷地面積が4,368坪。延床面積は569坪。プレシュレッダーは450馬力、シュレッダーは横型で750馬力。月間の処理能力は約2,000トンで、当面は1,000~1,500トン/月の処理を目標とする。製品は高炉メーカーを含めた国内需要家向けに出荷する
■鉄鉱石・長契価格4~6月は112.14㌦(3月1日)=テックスレポートによれば、日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所3社が4-6月に購入する西豪州鉱(鉄分含有量62%、FOB)はdmt(ドライメトリックトン)当たり112.14㌦となり、今期1-3月の85.18㌦に比べ26.96㌦(31.70%)の大幅高となった。日本の四半期契約価格は期ずれ方式で、4-6月の契約価格は前四半期の 1ヵ月ズレとなる 12-2月の平均価格をベンチマークとしている。中国の生産規制を背景に昨年10-11月は100㌦を割り込んでいたが、11月中旬に再び100㌦に乗せ、12月は120㌦台、とくに今年2月下旬には130㌦台乗せが示現するなど強含みに推移した。
■高品位強粘結炭23年1~3月期契約価格は315.20ドル(3月1日)=テックスレポートによれば、=日本の製鉄会社向け高品位強粘結炭(Premium Hard Coking Coal) 23年1~3月期契約価格(FOB:US$/MT)が315.20ドルに設定された。22年10~12月価格は278.80ドルだから前期比36.40ドル(13.1%)の値上げ。1月以降の断続的な豪雨によってQld州の原料炭供給力が低下している中、石炭輸送鉄道であるブラックウォータ鉄道で列車の衝突事故が発生したためである。
■東国製鋼、ハイパー電炉開発(2月27日・産業新聞)=東国製鋼は24日、炭素排出を削減するハイパー電炉を開発の計画。政府の技術開発計画に参画し28年までに開発を完了する。鉄スクラップ予熱、投入の改善などで操業時間を短縮、エネルギー効率を改善する。
■世界の23年1月粗鋼生産は1億4530万㌧(前年同月比3.3%減少)(2月22日・テックスレポート)=世界鉄鋼協会調べによる世界63ヵ国の23年1月粗鋼生産速報は1億4530万㌧で前年同月比3.3%減少した。国別では◆中国=2.3%増の7950万㌧、◆インド=0.2%減の1090万㌧、◆日本=6.9%減の720万㌧、◆米国=6.8%減の650万㌧、◆ロシア=8.9%減の580万㌧などだった。
■POSCO・光陽に年産250万㌧の電炉新設(2月22日・産業新聞)=POSCOは21日、約6000億ウォン(621億円)を投じて光陽製鉄所に年産250万㌧規模の電炉新設と発表。24年1月着工、26年稼働を目指す。水素製鉄転換までの移行として電炉導入を進める。
■共英製鋼、異形棒鋼価格を5000円引き上げる(2月22日)=共英製鋼は21日、3月販売分の異形棒鋼価格を全事業所ともトン当たり5000円引き上げると発表した。
■関東鉄源協、外資系業者新規参入対策を期待(2月20日・産業新聞)=関東鉄源協同組合の南光司理事長(ミナミ社長)は15日、鉄リサイクル業界の若手に対し外資系業者の新規参入への具体的な水際対策を期待と述べた。「錆年会」勉強会の講演で発言した(本誌hpに「論点整理と疑問点」を掲示。そちらをご覧ください)。
■千代田鋼鉄工業、AI検収を本格実施(2月6日・産業新聞)=異形棒鋼・カラー鋼板メーカーの千代田鋼鉄工業は、夜間で試験的に運用していた綾瀬工場の鉄スクラップAI検収を9日朝7時30分以降の納入分からすべてAI検収する。スクラップヤード内にAI検収専用ルームを開設し、検収業務をAIモニターと禁忌物混入の監視に集約させた。