■LME鉄スクラップ先物(9月20日)・現地9月18日:1ヶ月=371.5㌦(前日368.5㌦)。2ヶ月=369.5㌦(369.0㌦)。3ヶ月=367.5㌦(368.0㌦)。6ヶ月=373.5㌦(375.5㌦)。12ヶ月=382.0㌦(383.5㌦)。
■H2炉前価格、40,000円の大台を割る(鉄源協会・9月18日)=9月第3週:関東39,667円(先週43,333円)。前年同期49,000円。▽関西38,875円(先週41,500円)。前年同期46,750円。
■異形棒鋼価格、大阪は前週比2,000円安へ(鉄源協会9月17日):9月第2週=東京117,000円(先週117,000)。▽大阪102,000円(先週104,000円)
■トルコ向け貿易相場、370㌦台で小康を維持(9月18日)=トルコ筋の米国産ディープシーカーゴの手当は一段落した模様。9月17日時点のトルコ向け大型船・商談指数HMS(80:20)は371.00㌦CFRで先週比1㌦上昇。9月2日(365.00㌦)の安値から小戻した。中国産のビレット安の影響は払拭できないが、鉄スクラップ価格と製品販売価格は一応のバランスを取り戻しつつあると関係者は見ているようだ。
■東京湾岸FAS相場は内外の環境悪化から大幅安。(9月18日)=関係者によれば、東鉄の値下げシリーズは9月に入って全国5拠点の連続下げに拡大した。背景には中国の鉄鋼安値輸出への世界的な対抗措置の拡大、湾岸輸出の追い風となっていた為替(円安)相場が(円高修正)の逆風に転じるなど、内外共に下押し気配が強まって来たことがある。この間、東鉄宇都宮・特級は9月以降5,500円も下落、湾岸安値の引き金を引いた。
このため湾岸浜値は、H2で40,000円の抵抗線から一気に安値36,000~36,500円、HS・41,500~42,000円、新断は41,500~42,000円まで後退した。
■米国コンポジット・プライスは306.67ドル。前週2.66㌦下落(9月18日)=9月16日付け米国コンポジット・プライス(ピッツバーグ、シカゴ、フィラデルフィアの3都市需要家渡しNo.1HMS平均価格)はロングトン当たり306.67㌦で前週比2.66㌦下落した。下落は2週連続だ。
■東京製鉄、14日購入分から全拠点で1,000~1500円引き下げ(9月13日)=東京製鉄は14日から田原工場、名古屋、岡山、関西サテライト、高松、九州の購入価格を一律1000円、宇都宮の購入価格を1500円引き下げる。
各拠点の特級価格は、田原(海上・陸上)=42,000円(6月18日・51,000円)、名古屋サテライト(陸上)=40,500円(同・50,000円)、岡山(海上・陸上)=42,000円(同・51,000円)、関西サテライト(陸上)=42,000円(同・51,500円)、高松(陸上)=41,000円(同・50,000円)、九州(海上・陸上)=42,000円(同・51,000円)、宇都宮(陸上)=40,000円(同・51,500円)に改定される。 (tokyostee.co.jp)
■関東鉄源協組、9月輸出落札価格はH2・42,720円(9月12日)=関東鉄源協同組合は11日、9月契約(船積み期限10月30日)の輸出向け入札を実施。H2・42,720円(FAS、前月比5,236円安)を付けた。
下落は2ヶ月連続(合計9,448円)で2022年8月(42,061円)以来の安値。落札は1社(15,000㌧)。向け地はバングラデシュ。応札は14社15件。応札数量は11万8000㌧。
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直近 日経新聞、業界紙、各社㏋要約
■日本郵船とオオノ開發、船舶リサイクルの共同検討(9月19日・テックスレポート)=日本郵船とオオノ開發は18日、船舶リサイクルの事業化を目指して共同検討していくことで合意と発表した船舶の解体工事は、オオノ開發が愛知県知多市に所有する国内唯一のドライドックで実施される。
■米・クリフス、高炉を電炉生産に転換(9月18日・産業新聞)=米鋼板大手のクリーブランド・クリフスは16日、ミドルタウン製鉄所の高炉を直接還元鉄(DRI)と電炉の生産体制転換投資で、米エネルギー省から最大5億ドル(704億円)を調達する候補に選定された。
■H2グリーン・スチールが社名を「ステグラ」に変更(9月17日・テックス)=欧州で大規模なグリーン・スチール工場を建設しているH2グリーン・スチール社は12日、社名をステグラ(Stegra)に変更した。ステグラは「グリーン水素」、「グリーン・アイアン」、「グリーン・スチール」の3つのプラットフォームをベースに、排出ガスがほぼゼロのグリーン製鉄を目指し、スウェーデン北部のボーデンに一貫工場=写真=を建設中だ。社名の「Stegra」は「高める」を意味するスウェーデン語。同社へは神戸製鋼所、日立エナジーが出資している。
直接還元鉄プラントはミドレックスのMidrexH2TMプラント、原料の供給にはヴァーレ、リオティント(IOC)、クンバ・アイアン・オア、ミナスーリオのアングロ・アメリカン・グループなどが関与している。
■EUROFER、「欧州鉄鋼業を守るためクリーン産業協定は不可欠」(9月10日・テックス)=欧州鉄鋼協会(EUROFER)は5日、EU域内の鉄鋼業を始めとする産業を守るために、一刻も早くクリーン産業協定を発表するべきと主張する声明を発表した。 同協会はEUの鉄鋼業界が競争力を保持するためには、不公正で安価な輸入材がEU域内に入着することを阻止する即時的かつ包括的な貿易措置を実施すること、「クリーンではない」設備で生産された鋼材を自国やEU以外の地域で販売している輸出国に対してCBAM政策(*Carbon Border Adjustment Mechanism)を強化することなどが必要不可欠であると強く訴えた。
*関連情報・EU、国境炭素税で合意(22年12月14日、日経新聞)=EUは12月13日、国境炭素調整措置(CBAM、国境炭素税)の導入で合意した。世界初の取り組みで、鉄鋼とセメント、アルミニウム、肥料、電力、水素を対象とし、今後拡大を検討する。
CBAMはEU域内の企業が環境規制の緩い他国に工場などの拠点を移して規制を逃れる「カーボンリーケージ」を防ぐのが目的。課税によって域内外の負担を同水準にそろえ、他国にも環境対策の強化を促す。23年10月1日から炭素排出量の報告義務を課す移行期間が始まっており、支払い義務は26年1月以降の排出量報告分からとなる。
■国交省、石狩湾新港で鉄リサイクル関係者と意見交換(9月4日・産業新聞)=国交省は2日、国の直轄事業で整備が進む石狩湾新港を視察し、北海道の鉄リサイクル関係者との意見交換を行った。国交省港湾局、海洋・環境課長、工業会北海道支部の駒谷僚支部長(鈴木商会社長)、小場泰知前港湾委員長(マテック専務)などが出席。国際物流ターミナル整備事業の進捗や北海道における鉄スクラップの現状、課題などについて議論を交わした。
■PT、独電炉向けに革新的なスクラップ切断機を納入(8月28日)=テックスレポートによればプライメタルズ・テクノロジーズ(PT)は27日、ドイツの特殊鋼メーカーに革新的なスクラップトーチ切断機を納入した。 従来、鉄スクラップの切断は外部に委託されていたが、鉄鋼メーカーが拠点内で切断設備を運用。正確なサイズに切断可能となる。電炉各社では切断設備の導入が進んでいる。
■エンビプロ、LiB再生工場稼働(8月25日・産業新聞)=エンビプロは、リチウムイオン電池(LiB)リサイクルの茨城工場(茨城県ひたちなか市)が9月本格稼働に向け動き出した。使用済みLiBや工場発生スクラップから中間製品のブラックマスを生産する。処理能力は月間400トンで、静岡の既存プラントとの合計処理能力は600トンになる。
■リサイクル業者の減税を要望(8月23日)=環境省は25年度税制改正で、国の認定を受けたリサイクル事業者の法人税減税措置を求める。事業者が設備投資にかけた費用の一定割合を法人税から控除する案を想定する。政府は5月、リサイクル業者認定制度を創設しており、この認定企業が優遇税制の対象になる。認定の条件として(1)資源の需要に応じた廃棄物の収集や運搬(2)太陽光パネルなどを高度な技術を用いて分離・回収(3)人工知能(AI)を活用した効率的な再資源化設備などの導入――の3項目を掲げる。いずれかを実施しているか目指していれば国の認定を得られ、優遇税制の対象になり得る。
■7月粗鋼生産710万トン(前月比1.1%増、前年同月比3.8%減)(8月22日・鉄連hp)=銑鉄生産は514.1万トン(前月比1.8%増、前年同月比6.3%減)。前年同月比では5カ月連続の減少。粗鋼生産は710.0万トン(前月比1.1%増、前年同月比3.8%減)。前年同月比では5カ月連続の減少。7月の1日当たり粗鋼生産は22.9万トンで、6月(23.4万トン)比2.2%減。
炉別生産は、転炉鋼522.5万トン(前月比2.0%増、前年同月比6.9%減)、電炉鋼187.5万トン(前月比1.3%減、前年同月比6.0%増)となり、前年同月比では転炉鋼は5カ月連続の減少、電炉鋼は4カ月ぶりの増加となった。
■日鉄・JFE、豪原料炭権益を取得(8月22日・夕)=日鉄・JFEは22日、オーストラリアで原料炭権益を取得すると発表。両社で合わせて約1600億円規模となる。両社は豪ホワイトヘイブンコールが保有するクイーンズランド州のブラックウォーター炭鉱の権益を取得する。日本製鉄は20%の権益を、JFEスチールは10%の権益をそれぞれ取得する。同炭鉱は年間1010万トンの原料炭を生産する。大規模な露天掘りを採用し、潤沢な資源量を持つという。
■高炉調達原料価格、下落見通し(8月21日・産業新聞)=業界関係者によると、スポット価格を反映する10―12月の鉄鉱石は7―9月比9%下がる方向。2四半期連続の下げ。7―9月の原料炭は4―6月比8%下がる見込みで3期連続の下げとなる。
■富士興産、原料リサイクル事業を新会社に移管(8月21日・産業新聞)=特金スクラップ問屋の富士興産(本社=大阪市浪速区)は10月1日付で、リサイクル事業を分離独立して新会社に移管。新社名は「富士マテリアル(株)」とし、社員スタッフとともに実務・業務を継承する。富士興産は新会社の支援を中心とした資産管理会社として運営していく。
■環境省、不適正ヤード対応を検討(8月20日・産業新聞)=2025年度に改正廃棄物処理法の施行後5年の点検時期を迎える。その準備段階として環境省は前回の改正で新設された廃家電など「有害使用済機器保管等届出制度」をはじめとする現行制度の運用状況や課題、新たな規制のあり方を議論する有識者会議の設置を予定。不適正ヤードの撲滅を目指す。