CNと鉄スクラップ業を考える(各論)

                                  245月冨高作成

 

はじめに

本書は10年後の鉄鋼業におけるカーボンニュートラルと鉄スクラップ業のあり方を考える参考のために、現在時点のありようを個別、時系列でまとめようと試みたものである。全体を大づかみにみた総論は別項(https://steelstory.jp/market/5196/)を参照してください。


大枠としての時代状況

 

■日本鉄鋼連盟、50年にCo2実質ゼロ方針21215日)=日本鉄鋼連盟は15日、製鉄工程で排出する温暖化ガスについて50年に実質ゼロを目指すと発表した。1国内の19年度Co2排出量103千万㌧のうち、製造業は36400万㌧。鉄鋼業は最も多い15500万㌧を排出した。

 

■〈脱炭素「46%」への難路〉鉄鋼業界CO2削減へ21年5月4日・日経)鉄鋼業界のCO2排出量が多いのは、高炉が主流だからだ。高炉・コークス法は粗鋼生産1トンあたりCO22㌧発生する。電炉・鉄スクラップ法は、発電時も含め同0.5トンと高炉の4分の1で済む。

13年度鉄鋼業界のCO2排出量は18225万㌧、30年度に13年度比46%減の9842万㌧に抑えるには、19年度(15454万㌧)から約5610万トン減らす必要がある。

CO2排出の大幅削減には電炉の利用拡大が一つの策だ。19年度粗鋼生産量のうち高炉76%30年度も生産量が同じとすると、高炉生産量を57%減らし、電炉を2.8倍に増やす計算だ。

 

■改正温暖化対策法が成立21年5月26日)=気候変動対策を定めた改正地球温暖化対策推進法が26日、成立した。条文に基本理念を新たに設けて50年ゼロの方針を明記した。

 

目次

 

1 高炉各社のカーボンニュートラル(CN)、戦略と戦術、陣地戦

  日本製鉄                                 

  JFEスチール                                                 

  神戸製鋼                              

2 電炉各社

  東京製鉄                                  

  内外鉄鋼・電炉会社                             

3 世界の取り組みと「スコープ3」対策                    

 21年  22年  23年  244月まで

4 鉄鋼と流通囲い込みの現在                         

5 参考資料                                 

6 用語解説  
                               

1 高炉のカーボンニュートラルとその対策

 

1-1 日本製鉄

 

日本製鉄21年3月 「カーボンニュートラルビジョン2050」  20210330_ZC.pdf (nipponsteel.com)

 

■日鉄・5か年計画(213月)=日本製鉄は2135日、25年度までの5年間の経営計画を発表。公表済の小倉高炉、呉・第1,第2高炉(239月全面閉鎖)、和歌山の第1高炉の4基に加え、鹿島第3高炉を24年度末をメドに休止。日本製鉄の国内高炉数は15基から10基となる。*同社の能力規模も20%減少し5000万㌧から4000万㌧に減少(213月5日・日経)。

 

日鉄、タイ電炉買収・建材向け2社(22年1月22日)日本製鉄は21日、タイの電炉大手2社(GスチールとGJスチール)を買収すると発表。粗鋼生産能力はそれぞれ年158万トン、150万トン。同社が東南アジアに製鉄所を持つのは初めて。今年度中の完全子会社化を目指す。

 

■日本製鉄、CO2ゼロの電炉鋼材 年70万トン規模(22年5月11日)=日本製鉄は10日、23年度からCO2排出が実質ゼロの鋼材の供給を始める。電気自動車(EV)に使う電磁鋼板などを出荷。広畑に新設した電炉運転を22年度中に始め23年度から鋼材供給を開始する。

 

■日本製鉄小林二郎・参与原料第二部長(鉄リ・第10回国際フォーラム(22727日)

(演題・「鉄鋼原料を取り巻く環境とカーボンニュートラルに向けた取り組み」)

1 大型電炉で高級鋼=30年までに大型電炉で高級鋼製造を目指す。広畑に新電炉を建設。

2 鉄スクラップの不純物制御=50年までに低品位鉱石を水素で直接還元した還元鉄と鉄スクラップの不純物濃度を高炉法並に制御し、高級鋼製造を目指す。鉄スクラップには銅などトランプエレメントがあるが、「これを無害化する技術確立にチャレンジ」する。

3 鉄スクラップ供給の安定化を高める=今後はいかにH2を主体とした老廃スクラップを使いこなすかが課題だ。Cu値を低く抑えたシュレッダーやヘビーシュレッダーの拡大を図る。

 

日鉄、インドでミタルと高炉2基新設(22年9月29日)日本製鉄が4割、ミタルが6割を出資する合弁会社「AM/NSインディア」を通じインド西部のハジラ製鉄所に高炉2基を新設。まず1基を25年後半に稼働し、26年前半に2基目を稼働させる計画。インドでの粗鋼生産能力はハジラ製鉄所での年900万トン規模。30年をメドに3000万トン規模に引き上げる考えだ。 

*石炭→水素の転換も選択肢(24年2月6日・日経)インドで製鉄事業を拡大するのにあたって避けて通れないのが脱炭素対応だ。規模にもよるが高炉は1基で石炭火力発電所1~2基分に相当するCO2を排出する。日本製鉄がインドで生産能力を拡大する際、多様な脱炭素プロセスの導入が選択肢となる。既存高炉に後付けで導入するよりもダイナミックな技術導入が可能。

 

■日鉄・広畑、新電炉運転(2210月)=日鉄・広畑は新設電炉の操業を10月から開始した。

 

日鉄、「還元鉄」事業化へ221223日)日本製鉄の橋本長は22日、「還元鉄」製造を事業化する考えを示した。高炉生産が縮小すると鉄スクラップの出回る量も減る懸念がある。橋本社長は還元鉄を自社で製造することで、原料調達の課題に対応していく方針。

 

■日本製鉄、高炉から電炉プロセスへの転換検討を開始(23510日・同社hp)=日本製鉄は八幡および広畑を候補地とした電炉プロセスへの転換の検討を始めると公表。「高炉水素還元」「水素による還元鉄製造」「大型電炉で高級鋼製造」の実現を目指す。

*「高炉水素還元」は、22  5 月から君津で試験高炉(12㎡3)試験に着手。

また同じ君津で稼働中の大型高炉実機(4,500㎡3)で実証試験を 26  1 月から開始。

*「水素還元鉄製造」は、技術開発本部波崎研究開発センターに、小型シャフト炉を設置し、水素で低品位鉄鉱石を還元する試験を25 年度から行う。

*「大型電炉での高級鋼製造」は、22  10 月から広畑に新設した電炉操業に動いた。また技術開発本部波崎研究開発センターに、小型電気炉(10 ㌧)を設置し、24 年度から試験を予定している。20230510_400.pdf (nipponsteel.com)

 

■日本製鉄は、CCS2案件をJOGMECと託契約(23年8月3日・産業新聞)=日本製鉄は2日、CCS(炭素の回収・貯留)事業の国内2案件が正式採択され、JOGMECと委託契約を結んだ。

日鉄エンジニアリングが開発、商業運転実績もある省エネ型CO2分離回収技術、ESCAP(エスキャップ)など基盤技術を開発しており、CCSの早期社会実装を進める。

 

■日鉄、欧州でクリーン水素鋼材を生産(23821日)=日本製鉄グループは9月、欧州で環境負荷の低い方法で製造した水素を使う鋼材生産に乗り出す。日鉄傘下で特殊鋼大手のオバコ(スウェーデン)が自社工場で水素製造を始め、同社のCO2排出量を1割削減する。

*オバコは山陽特殊製鋼100%出資の電炉会社。オバコはスウェーデンとフィンランドに製鉄所を持つ。全体の供給量の4割ほどを占める主力のスウェーデンの製鉄所で環境負荷の低い電力で水を電気分解して水素を製造。オバコ全体のCO2排出量のうち1割の削減につながる。

 

■大阪製鉄、省CO2型電気炉を設置(23年9月6日・テックスレポート)=大阪製鉄は堺工場に省エネ・省CO2型電気炉「エコアークライト」(スチールプランテック社製)の設置を決めた。設置は25年度を予定。環境共創イニシアチブの「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」補助金の交付が決定しており、補助金受給後の投資総額は約87億円。

 

■日本製鉄、JFEスチールなど17社、グリーン鋼材指標化を提言(23年12月6日・産業新聞)=GXリーグの参加企業のうち日本製鉄、JFEスチールなど17社で構成するグリーン商材WGは4日、グリーン鋼材の高付加価値化の指針案、先行事例を示す提言書を公表した。

 

■日鉄、USスチール2兆円買収へ(23年12月19日)=日鉄は18日、USスチールを完全子会社すると発表。買収総額141億ドル(約2兆円)。買収資金は金融機関からの借入金で対応する。

USスチールは最先端の電炉を持ち、同社の技術を取り込むことで電炉転換の加速につながる。「水素製鉄」には高品質な鉄鋼原料が必要で、USスチールが持つ鉱山を確保する。

 

■日本製鉄、水素還元試験炉でCO2排出を33%削減(24年2月7日・産業新聞)=日本製鉄は6日、君津の水素還元試験炉(内容積12㎥)で加熱水素を使ってCo2を削減するSuperCOURSE50の開発試験で、Co2排出量33%の削減効果を確認と発表。大型高炉での50%削減確立を目指す。

 

 

1-2  JFEスチール

 

JFEスチール 「CN戦略」22年91日 carbon-neutral-strategy_220901_1.pdf (jfe-steel.co.jp)

 

■鉄スクラップ、JFEも定期購入(21年6月6日)=JFEスチールは21年度から年20万トン規模の定期購入を決めた。転炉で使うスクラップの量を年100万トン以上に増やすことも視野に入れる。国内4カ所の製鉄所に、スクラップを多く投入できる新型の転炉を導入する。

 

JFE、脱炭素へ「移行債」300億円(22年1月20日)JFEホールディングスは事業モデルを脱炭素に転換するための「移行債」を22年度に発行する(調達資金は300億円)。50年にCO2排出量を実質ゼロ目標を掲げ、鉄鋼事業の24年度排出量を13年度比18%減らす方針。目標達成のため鉄鋼事業だけで50年までに3兆~4兆円の設備投資が必要で、資金調達が課題だった。

 

JFE、脱炭素へ製鉄所改修 全4拠点で完了22年2月16日)JFEスチールはCO2排出量を削減するため、東日本・千葉で転炉を改修した。鉄スクラップを従来より多く利用可能にする。国内全4カ所の製鉄所の改修が終了。24年度CO2排出量を13年度比18%減らす計画。

 

JFE、車向け高級鋼を電炉で生産(22年5月28日)JFEスチール仙台の電炉で高級鋼材の品質を高める独自技術を開発した。サプライチェーン全体でCO2排出を減らしたい自動車業界などの需要を取り込む。仙台製造所電炉生産能力を年70万トン強と現在に比べ2割高める。

 

■JFE、倉敷の高炉を電炉転換(2291日・夕)=JFEスチールは1日、岡山県の「第2高炉」を27年には更新せずに大型電炉に転換。」JFEが国内に持つ高炉は全6基となる。

JFE倉敷、大型電気炉27年末の立ち上げを想定(23119日・産業新聞)=JFEスチールの北野嘉久社長は8日、倉敷地区で検討している大型電気炉導入について「政府支援を前提に27年末立ち上げを想定」とした。大型電炉(年産約200万トン)での高級鋼製造は世界初。

 

JFE・千葉第6高炉改修に着手(22年9月27日・産業新聞)=JFEスチールは23日千葉第6高炉(5153㎥)の送風を止め、改修する。231月再火入れの予定。

 

JFE、「グリーン鋼材」販売へ(221026日)=JFEスチールは25日、CO2排出量を減らしたり実質ゼロにしたりする「グリーン鋼材」を早ければ23年度から販売する。

「そこが知りたい」(23年2月16日・日経 抜粋)

電炉への転換、なぜ必要? JFEスチール社長 北野嘉久氏

――27年にも岡山県の高炉1基を電炉に転換する検討を始めました。

「高炉法をどこまで残すか、電炉をどこまでやるのか、決めきれない。一方、電炉は必ずどこかでやらないといけない。電炉設置は必ず役立つ。欧州勢は(天然ガスや水素で鉄鉱石を還元して鉄を取り出す)直接還元法と電炉(の組み合わせ)が脱炭素に向けた合言葉になっている。いちはやく高級鋼を電炉で量産できる工程を確立できれば東南アジアなどでも使える」「鉄づくりは日本に残さないといけない。日本の製造業を支えるには鉄が必要で、自国でつくるから自国の産業界が強くなる。脱炭素化の競争で後れをとったら(日本の鉄鋼業界は)衰退してしまう。日本の産業のためにも鉄の脱炭素化を考えていく必要がある」

――電炉での高級鋼の大量生産は課題も多いです。

「電炉原料の鉄スクラップを使うことで、銅など鋼材の性質に影響を及ぼす元素が入ってしまう。国内各社の高炉での製造規模は年6000万~7000万トンに及ぶ。日本から輸出する鉄スクラップ年700万トンを(日本国内の電炉で)使って生産しても足らない」

「(直接還元法でつくる原料の)直接還元鉄は高品位な鉄鉱石を使うが、それが確保できないときにどうするか。(電炉で高級鋼材を製造する技術などを開発する)政府の基金事業の技術開発で答えを見つけないといけない。我々は(電炉大手の)米ニューコアともビジネスや情報の交換をしている。いくつかの問題点は既にクリアになっており、解決していく」

――還元鉄の確保策は。

「現在の日本は天然ガスのコスト的に不利で、還元鉄プラントを日本国内でつくる決断には至ってない。(伊藤忠商事と)アラブ首長国連邦(UAE)での生産の検討を始めた。安い天然ガスから還元鉄が手に入る。スクラップをメインに据えるが、製品によっては還元鉄を使う。スクラップ一辺倒では(調達面などで)危ない。色々な還元鉄のプロジェクトに網を張る必要がある。原料権益のように投資し、安定的に確保する考え方もある」

 

■JFEスチール千葉に電気炉を導入(2358日・同社hp)=JFEスチールは8日、千葉第4製鋼工場にアーク式電気炉を導入と発表。同工場でステンレス鋼を製造、高炉溶銑、自家発生スクラップ主な原料とする。スクラップ溶解能力は年間約30万㌧と従来比約6倍に高まる。

 

■JFEスチール、上期から「JGreeX™」を供給(2358日・同社hp)=JFEスチールは8日、CO2排出量を大幅に削減した「JGreeX™(ジェイグリークス)」の供給を23 年度上期から開始と発表した。「JGreeX™」は、マスバランス方式」を適用して特定の鋼材に割り当てる鉄鋼製品。

 

■JFE製鉄所からCO2回収検討23年6月20日)JFEスチールは19日、石油資源開発などと共同で「CCS」始める。国内製鉄所から出るCO2をマレーシアに運搬・貯留する想定。

 

JFEの海外投資家比率、30%に拡大・増資・CB組み合わせ 脱炭素に活用(23年9月29日)JFEHDが海外投資家向けに実施した公募増資と新株予約権付社債(転換社債=CB)による約2040億円の資金調達手続きが28日、完了した。外国人持ち株比率は23年3月末の約24%から9月末に30%程度に拡大する見通し。今回増資で得た資金の大半は高性能鋼材「電磁鋼板」の生産増強の投資に使う。脱炭素投資で30年度までに1兆円規模を見込むなど継続的に巨額投資が続く。

 

■JFEのグリーン鋼材、初の海外受注(23年10月27日・産業新聞)=JFEスチールは26日、「マスバランス方式」で製造されたグリーン鋼材「JGreeX™」が欧州で製造される変圧器採用が決定したと発表。「JGreeX™」初の海外受注であり、電磁鋼板での採用も初となる。

 

■JFEスチール、建設業界にワンストップ提案(23年10月31日・産業新聞)=JFEスチールは30日、建設分野で新たな提案活動(「JFESCRUM(スクラム)」)を23年度下期から展開する。建設業界にJFEスチールの技術力を結集、ワンストップで迅速対応し、支援する。

 

■JFE条鋼、「環境配慮型電気炉鋼材WG」に参加(24年1月16日・産業新聞)=JFE条鋼は15日、経産省が発足したGXリーグの「グリーン商材の付加価値付けに関する提言書」に基づいて、普電工が募集する「環境配慮型電気炉鋼材ワーキンググループ」に参加する。

 

 

1-3  神戸製鋼 気候変動への対応|KOBELCO 神戸製鋼

 

■神鋼、製造時CO2ゼロ鋼材(22年5月18日)=神戸製鋼は17日、CO2排出量を実質ゼロの鋼材を22年度中に発売と発表。過去に削減したCO2分を割り当て排出量を実質ゼロとする。天然ガスで鉄鉱石から酸素を取り除いた直接還元鉄(HBI)を用い20%CO2を削減できる。

 

神鋼、トヨタのレース車両にCO2実質ゼロ鋼材(22年6月4日)=神戸製鋼所は3日、製造時のCO2排出量を実質ゼロとした鋼材が、トヨタのレース用車両「水素エンジンカローラ」で採用されたと発表した。実用化は今回が初となる。サスペンションの部品に使われる。

 

■神戸製鋼系、水素使用の鉄鋼原料設備(221013日)=神戸製鋼所は12日、米100%子会社のミドレックス・テクノロジーズがスウェーデンの製鉄ベンチャーH2グリーンスチールから、水素だけで「直接還元鉄」をつくるプラントを受注と発表した。生産能力は年210万トン。25年の稼働を予定。二酸化炭素(CO2)排出量の95%削減を目指す。

■神鋼・ミドレックス 水素直接還元鉄、独ティッセンが採用(23年3月15日・産業新聞)=神戸製鋼は14日、ミドレックス社の水素直接還元鉄プロセスがティッセンクルップの還元鉄プラントに世界で初めて採用と発表。生産能力は年産250万㌧。26年末の立ち上げを予定。初期段階では還元剤として天然ガスを利用するが、27年以降は100%の水素還元を計画。

 

神戸製鋼と三井物産、鉄鋼原料製造を検討(23年4月11=神鋼と三井物産は10日、オマーンで「直接還元鉄」製造の検討に入ったと発表。世界最大規模の年間500万トンを想定し27年生産を目指す。ミドレックスが直接還元鉄プラントの建設を検討する。製造プラントは天然ガスを使う。将来は「グリーン水素」を活用し還元鉄をつくることも視野に入れる。

 

■神戸製鋼・加古川、高炉から電炉体制の切り替えを検討(23519日・産業新聞)=神戸製鋼は18日、中期経営計画(2123年度)説明会を開き、「加古川高炉の改修時期を30年半ば頃に迎え、電炉への切替えは選択肢」と高炉から電炉への転換含め検討を進めていると説明した。

 

■神戸製鋼、大型高炉でCO225%削減に成功(23年10月17日・産業新聞)=神戸製鋼は234月から6月にかけて加古川の大型高炉(4,844 m3)にMIDREX®プロセス(天然ガスを使った還元鉄製鉄法)のHBIを装入し、CO2排出量を従来比の25%削減を確認した。

 

 

2 電炉のカーボンニュートラルと対策

 

2-1 東京製鉄 長期環境ビジョン | 東京製鐵の環境への取り組み (tokyosteel.co.jp)

 

■東京製鉄=「長期環境ビジョン」(21624日・HP)=30年度は原単位ベースで60%の削減を目標とし50年度はカーボンニュートラルの達成を目指す。鉄スクラップの『アップサイクル』を通じて、自社の生産を30年に600万㌧、50年に1000万㌧まで拡大し、高炉鋼材から電炉鋼材への置き換えを推進することにより「カーボンマイナス」の実現に貢献する。

・顧客との協働による鉄スクラップ回収率の向上=当社製品の回収率を向上し、脱炭素・循環型鋼材を納入するクローズドループの循環型取引を拡大する。

 

■東京製鉄とパナソニック、資源循環取引スキーム(22916日・産業新聞)=東京製鉄とパナソニックの資源循環取引スキームが進捗している。使用済み家電鉄スクラップを東京製鉄が岡山工場と田原工場で鋼板を生産し、再びパナソニック製品の素材として使うもので、20年度は年間2600トンを上回る鉄スクラップが、パナソニック製品に利用された。

*パナソニック「資源循環取引スキーム」を開始13年82日・hp)=パナソニックは、東京製鐵株と共同で、使用済み家電製品から発生する鉄スクラップをリサイクルし、再び当社グルーの製品材料の鋼板として使用する資源循環取引スキームを電機業界で初めて開始した。

 

■東京製鉄、大成建設と連携しゼロカーボンビル建設へ23年410日)=東京製鉄は7日、大成建設と連携しCO2排出量を正味ゼロにするゼロカーボンビルの建設を推進するため鋼材製造から解体・回収までの資源循環サイクル「ゼロカーボンスチール・イニアティブ」を始動したと発表した。電炉鋼材を「T―ニアゼロスチール」と位置付けている。

Microsoft Word - (20230404)大成建設リリース文案rev6.doc (tokyosteel.co.jp)

 

■東京製鉄、奈良暢明社長インタビュー(要約)(23628日・テックスレポート)

――鉄スクラップ購買はどのように進めますか

「鉄スクラップは当社の糧の部分であり、年間350万トン程度買っているスクラップを30年に600万トンへ増やすには、輸出を何とか止めたいという思いが強くなっていった。昨年6月に名古屋サテライトヤードを開設しより明確になったが、今なお年間600万トン程度輸出されている鉄スクラップをしっかりと国内還流させたい。スクラップが海外に出ていくのを止め、国内循環を徹底することに力を入れていく」

――将来的に鉄スクラップ調達では高炉メーカーとの競合が予想されます

 「高炉メーカーが作る電炉はヨーロッパ型の還元鉄を中心にした電炉だと聞いているので、ベース原料は還元鉄や新断と思われ、我々とは原料の内容が違うのではないか。

――鉄スクラップの安定調達へ向けた方策はありますか

 「一つの策は非常にシンプルに、まずは原則に立ち戻って輸出に向かう物を持って来てもらうことであり、そのため輸出に対してプラスの値段を提示することだ。もう一つは検収だ。AI検収も一つの案であり、検収のばらつきをなくす平準化を進められないかと思っている。

大成建設からはスクラップを出すので製品にして戻して欲しいという話しもあり、一方ではスクラップをどういうふうに定量化できるかがポイントだと思っている。

――2050年の生産目標1,000万トンにはどのように実現しますか

  「2030600万トンに向かっていくに当たり、現在の設備で600万トンを生産することはできる。そのためにもお客様の『こういったものができないか』という話しには柔軟に取り込んでいきたい。海外展開は決して否定するものではないが、ベースとしてまずは国内資源を循環させることが大事だ。先に海外展開に注力したいとは思っていない」

 ★奈良暢明(ならのぶあき)氏 1970年(昭和45年)86日生まれ、東京都出身。1993年京都大学文学部卒、東京製鉄入社。20196月取締役執行役員総務部長、20216月取締役常務執行役員総務部長、20234月取締役常務執行役員総務部管掌を歴任。

 

■東京製鉄、尼崎港に「関西サテライトヤード」を2456月開設(231025日、テックス)=東京製鉄は24日、エンビプロの子会社・NEWSCONが運営する尼崎港(兵庫県)集荷ヤードを「東京製鉄関西サテライトヤード」に名称変更し、2456月に運用を開始すると発表。226月に開設した名古屋サテライトヤードに続く、同社2拠点目のサテライトヤードとなる。NEWSCONの「尼崎ヤード」は4,300㎡と3,600㎡の2つ、合計7,900㎡。東鉄はこのうち4,300㎡ヤードを「関西サテライトヤード」として開設。扱い量は月間1万トン以上を見込む。 ヤードには東鉄が検収員を派遣し、荷役業務全般をNEWSCONが担う。集荷対象はヘビー・スクラップが主体となる見通しで、納入方法や検収条件は東鉄岡山工場に準じる。

 

■竹中工務店、巖本金属、東鉄など5社、循環サイクルに向け連携(23年12月14日)=竹中工務店、巖本金属、岸和田製鋼、共英製鋼、東京製鉄の5社は14日、竹中工務店が掲げる「サーキュラーデザインビルド」コンセプトに基づき、建築における電炉鋼材(鉄)を活用した鉄スクラップ循環サイクルの全体最適に向けて連携すると発表した。業界の垣根を超えた「サーキュラーデザインビルド」を電炉鋼材から推進 ~鉄スクラップ循環サイクルの全体最適化を目指す~|プレスリリース2023|情報一覧|株式会社 竹中工務店 (takenaka.co.jp)

 

2-2 内外鉄鋼・電炉会社

 

第四の革命・カーボンゼロ(4)(21年5月7日)スウェーデン北部イェリバレ。画期的な製鉄プラント建設が決まった。同国鉄鋼大手SSAB、鉱山大手LKAB、電力大手バッテンファルの3社が共同で取り組む「HYBRIT(ハイブリット)」プロジェクトだ。再生可能エネルギーの電気でつくった水素で鉄を生産。小型高炉1基分に相当する年130万トンの鉄を2026年までにつくる。

 

■A・ミッタル、30年までにCO2排出を25%減らす(21年8月2日・産業新聞)=アルセロール・ミッタルは29日、30年までに全社のCO2排出原単位を25%減らすと発表。50年排出実質ゼロに向けて欧州拠点では30%減だった削減目標を35%減に高める。

 

鉄鋼、脱炭素へ電炉シフト21年9月17日)

▼各国・各社の動き=ミタルはスクラップとDRIの活用などに30年までに総額100億ドルを投じる。ドイツでは2カ所でそれぞれ電炉とDRIプラントを新設。合計生産能力は350万㌧。スペインとカナダでも粗鋼生産能力が年110万㌧、同240万㌧の電炉をそれぞれ造る。河鋼集団は30年までに電炉比率を25%に高める計画。四川省では7月、電炉8社が統合して四川冶控集団が誕生した。年産能力1000万㌧強は中国最大で、日本の独立系最大手、東京製鉄の20年度の生産量の4.5倍にあたる。韓国ポスコは合弁会社を通じメキシコで年産150万㌧規模の電炉新設を検討。日本では日本製鉄が30年までに国内に年産能力200万㌧級の大型電炉を造る。

▼背景=高炉が電炉に力を入れる背景には、各国の環境政策がある。EUと日本は温暖化ガス排出を50年までに実質ゼロとする目標を掲げる。中国も60年にCO2排出量を実質ゼロとする計画だ。鉄鋼各社も対応を迫られる。高炉でコークスの代わりに水素を使う手法があるが、実用化は当面先。日鉄は水素製鉄を「前人未踏の技術」と表現する。関連設備の導入にも日鉄だけで4兆~5兆円かかる。そのなかで当面の現実解として電炉への注目が高まっている。

▼鉄スクラップ関係=20年の電炉比率は米国71%、EU(英国含む)42%。中国は9%、日本は25%、韓国は31%。中国は20%に高める目標を掲げる。粗鋼生産量が20年の106500万㌧のままとすると、電炉比率が11ポイント高まれば、単純計算で1億㌧以上のスクラップが新たに必要となる。日本政府もまず30年度に温暖化ガス排出量を13年度比46%減らす目標を掲げる。粗鋼の国内生産量などが同じと仮定すると、19年度と比べ高炉の生産量を57%減らし、電炉を2.8倍に高めなければならない。スクラップ需要はざっと4000万㌧近く増える計算だ。

 

■脱炭素に電炉活用の動きが国内外で具体化(21106日・産業新聞)=中国の河鋼集団は30年に電炉鋼生産を年1000万トン程度に増やす計画。宝武鋼鉄集団も電炉鋼を増やす方針。米国では高炉大手のUSスチールが電炉進出を決めた。

 

■中部鋼鈑、環境対応型電炉に更新(2110月8日・産業新聞)=中部鋼鈑は6日、環境対応型高効率アーク炉(エコアーク、容量200㌧)に更新する。23年秋稼働予定。

 

■インド、70年に排出ゼロ(2111月2日)=インドのモディ首相は1日、COP26の首脳級会合で演説し、70年までに温暖化ガス排出の実質ゼロをめざすと表明した。

 

インドネシア、脱炭素政策 矢継ぎ早(21年12月2日)インドネシアが脱炭素の政策を矢継ぎ早に打ち出している。2060年に「カーボンニュートラル」を達成する目標を掲げる。インドネシアは電気自動車(EV)電池の主要材料になるニッケルの埋蔵量が世界一で、CO2の吸収効果が期待される熱帯雨林の面積も世界3位。戦略的環境にあることも、脱炭素方針を後押しした。

 

ポスコ、脱炭素製鉄に電炉新設(22年9月23日)ポスコが、今後5年間で浦項と光陽製鉄所に1基ずつ電炉を新設する。25年までに光陽で、27年までに浦項で稼働。

*POSCO、光陽にコンスチール式280トン電気炉を導入(2369日・テックス)=POSCOは280トン電気炉を光陽に導入する。フルプラットフォームEAFに、連続鉄スクラップ投入システムConsteel®と電磁撹拌システムConsterrer®を搭載した設計。25年末までに生産を開始する計画。

 

■電炉の米ニューコア 脱炭素も追い風に(221025日)=電炉で世界最大手の米ニューコア。高炉を含めた鉄鋼メーカーで全米トップだ。89年には高品質の薄鋼板を製造する世界初の電炉を立ち上げた。そこに脱炭素の追い風が吹いた。*ニューコアは08年に米国のスクラップ処理業者大手を買収。製造時のCO2排出を実質ゼロにした強い製品力によって値上げ交渉が優位になり、2112月期売上高純利益率は19%5年で2.9倍になった。

 

■豪鉄鋼大手、ニュージーランドに電炉を新設(23523日・産業新聞)=豪鉄鋼大手のブルースコープは22日、ニュージーランド政府と共同で電炉を新設する。26年稼働を目指す。

 

■POSCO、低炭素鋼材を発売(2365日・産業新聞)=POSCO4日、低炭素鋼材のグリーネート製品を発売した。マスバランス方式で配分。製品はLG電子向けに納入する。

 

ニューコア、炭素貯留でエクソンと合意(2365日・産業新聞)=ニューコアは1日、直接還元鉄(DRI)工場から発生する炭素の回収・貯留(CCS)でエクソンモービルと合意した。

 

■H2グリーンスチール、ベンツ社とグリーンスチール供給契約(23612日・テックス)=メルセデス・ベンツ社とH2グリーンスチール社は7日、メルセデス社に年間約5万㌧のグリーンスチールを供給する。また両社は北米で生産されるグリーンスチールの供給にも調印した。

「関連情報」*H2グリーンスチール社向け直接還元鉄プラントについて(221012日・神戸製鋼hp)=神戸製鋼の子会社であるMidrexは、H2グリーンスチール社向けに直接還元鉄プラントを受注した。世界初の100%水素直接還元鉄プラント機(年産能力は210万トンで25年の稼働開始予定)。*H2グリーンスチール社=脱炭素化を目標に2020年にスウェーデンに設立された。再生可能エネルギーを用いた水素を還元剤としてHot DRIおよびHBIを製造、グリーン鋼材として供給する。

 

■ルクセンブルグのベルバル(Belval)製鉄所の高炉を電炉(EAF)に転換(23616日)=A・ミッタル6700万ユーロ(7265万ユーロ)の投資を決定。同プロジェクトには同国政府が財政的な支援を行う(テックスレポートによるルセロール・ミッタル、2023年・年次報告)

 

■A・ミッタルと国際共同研究(23619日)=A・ミッタルと積水化学が共同で進めていた「鉄鋼プロセスに活用するCCU技術の国際共同研究開発」(NEDO事業)で最終目標の「CO2転化率85%以上および水素転化率60%以上」に対しCO2転化率90%、水素転化率75%を達成した(23年・年次報告)。

 

■現代製鉄、既存電気炉をHBI活用のため改造(7月27日・産業新聞)=現代製鉄は26日、25年までに既存電気炉をホット・ブリケット・アイアン(HBI)大量活用のため改造する。高炉法と組み合わせ、従来比20%低炭素化した鋼板を年間400万㌧生産する計画。

 

■大阪製鉄、省CO2型電気炉を設置(23年9月6日・テック)=大阪製鉄は堺に省エネ・省CO2型電気炉「エコアークライト」の設置を決めた。設置は25年度を予定。

 

中国、35年に電炉鋼比率30%以上目指す(23年9月11日・産業新聞)=中国でも電炉の導入を政府が促している。電炉の粗鋼生産能力は22年末に年約1.9億トン。中国鋼鉄工業協会は35年に4億トン、電炉鋼比率30%以上(22年9・7%)を目標に、鉄鋼大手も電炉導入を計画する。

 

日本鋳造、低CO2鋳造製品の販売開始(23年9月13日・産業新聞)=日本鋳造は、23年度下期をめどに低CO2鋳造製品の販売を開始する。マスバランス方式で生産し販売する。

 

■英リバティ・スチール、ハンガリーに電炉導入(23922日。テックス)=英リバティ・スチールと中国冶金科工集団(MCC)の傘下のエンジニアリング会社CISDIは、石炭ベースの製鉄から150㌧の新電炉を設置し直接CO2排出量を約80%削減する。

 

中国の宝武鋼鉄集団、水素ベースシャフト炉に火入れ(23年12月27日・テックス)=宝武鋼鉄集団は26日、湛江製鉄所で水素ベースシャフト炉(DRIプラント)に23日、火入れしたと発表。年産能力100万㌧、還元剤に天然ガス、コークス炉ガス、最大100%の水素を使用する。使用水素は天然ガス、風力、太陽光による発電でCO2排出量を年間50万トン以上削減見込み。

 

■印タタ、英高炉休止(24119日)インドのタタ製鉄が英国最大のウェールズ南部のポート・タルボット製鉄所で、2基保有する高炉を休止する。同社は239月、英政府から約5億ポンド(約940億円)の支援を受け、高炉休止を前提とした電炉の新設を打ち出していた。

 

■山特、姫路の㈱山陽に資本参加(24229日)=山陽特殊製鋼は29日、鉄スクラップヤード企業の㈱山陽(本社 兵庫県姫路市、金城裕満社長)の株式の一部を取得した。山陽への資本参加により、山特は、「必要鉄スクラップの約半数を資本関係先(日本製鉄グループを含む)から安定的に確保できるようになる」。20240229_web.pdf (sanyo-steel.co.jp)

 

3 世界の取り組みと「スコープ3」対策

 

その歴史的、今日的背景(時系列)

1992年のブラジル・リオデジャネイロの「地球サミット」以来、地球温暖化防止は国際的な枠組みとなった。97年京都会議で数値的な防止策(京都議定書=0812年には地球温暖化ガスを90年比5.2%削減する)が合意したが、米国は議定書から離脱し中国、インド、韓国は発展途上国であるとして枠外となった。 

15年パリ会議は、米国や京都議定書では枠外となった各国も参加し「産業革命前と比較して2℃より充分低く抑え、1.5℃に抑える努力を追求する。今世紀後半に温室効果ガス排出量を実質的にゼロにする(ゼロ・カーボン)」との目標を掲げた(パリ協定)。

ただ世界の足並みが直ちに揃ったわけではない。地球温暖化に懐疑的なトランプ米大統領は176月パリ協定の離脱を表明し、1911月正式に離脱した。

しかし211月、新大統領に就任したバイデンは初仕事としてパリ協定に復帰。4月、温暖化防止の工程表を世界に示した。慎重姿勢だった日本も直ちにこの動きに乗った。

 

2021年

 

■ジョー・バイデが米大統領に就任した(21121日)=第46代大統領にジョー・バイデ氏(78)が20日、就任した。バイデン米新大統領は20日、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に復帰する大統領令に署名。際協調を打ち出し、トランプ前政権からの政策転換を印象づけた。

 

■日本鉄鋼連盟、50年にCo2実質ゼロ方針(21215日)=日本鉄鋼連盟は15日、製鉄工程で排出する温暖化ガスについて50年に実質ゼロを目指すと発表した。1鉄連が切り札に位置づけるのが「水素製鉄法」。Co2の排出を現行より3割減らせる製鉄法を確立する考えだ。

 

■国境炭素税、WTOで協議へ(21322日)=Co2排出規制が緩い国や地域から製品を輸入する際、製造時に排出したCo2に応じて関税を課す「国境調整措置」をめぐる多国間協議が始まる。特定の国による「ただ乗り」を避ける仕組みだ。

 

気候変動首脳会議・日本、温暖化ガス13年度比46%減(21423日)=バイデン米大統領をホストとする気候変動首脳会議が22日開幕した。米国は05年比5052%減、日本は30年度には13年度比で46%減、中国は30年までに排出量を削減に転じさせる方針を示した。

 

■改正温暖化対策法が成立(21年5月26日)=国や企業が取り組むべき気候変動対策を定めた改正地球温暖化対策推進法が26日、成立。基本理念を新たに設けて50年ゼロの方針を明記した。

 

■経産省、製鉄の水素活用研を支援(21年9月16日・産業新聞)=経産省は14日グリーンイノベーション基金で支援する製鉄プロセスの水素活用に関する研究開発計画を策定。1935億円を上限に10年にわたり支援する。高炉を使った水素還元でCO2排出量を50%以上削減する技術、水素だけの直接還元でCO2排出量を50%以上削減する技術開発を後押しする。

 

民間・「スコープ3」の動きが広がる

取引先も50年までに温暖化ガスの排出実質排出ゼロ(9月1日)三井住友フィナンシャルグループ(FG)は31日、50年までに投融資先も含めた温暖化ガスの排出量を実質ゼロにすると発表した。三菱UFJフィナンシャル・グループも5月に同様の方針を打ち出している。

日立、供給網全体で脱炭素(9月14日)日立製作所は13日、サプライチェーン(供給網)全体のCO2の排出量を50年度までに実質ゼロにすると発表した。

■三菱地所、不動産開発も脱炭素(9月18日)=三菱地所は鋼材、セメントなどの資材や建機など工事段階からCO2排出量を把握する。超大型ビル建設に参加する企業に開示を求める。

 

気候変動リスク 世界で総点検へ(21年11月21日)世界の約30カ国の金融当局が気候変動に伴う金融リスクの把握に乗り出す。石油や石炭エネルギー関連の投融資を抱える金融機関は審査次第で「将来、自己資本の積み増しが必要になる可能性がある」(国内証券アナリスト)。

 

SDGs経営調査

■排出ゼロ、267社が宣言(21年11月17日)=日経新聞社は国内846社の「SDGs経営調査」をまとめた。温暖化ガス排出量実質ゼロ以下に宣言した企業は267社(回答企業の31.6%)、うち43社は30年代までを目標とし、29.1%246社)が「カーボンゼロ」を宣言した。

ホンダ、50年までに調達網でCO2ゼロ(21年11月17日)ホンダは部品メーカーに対し、CO2排出を19年度比で毎年4%ずつ減らし50年に実質ゼロを要請した(スコープ3)。トヨタは21年に前年比3%減を要請。調達網全体での脱炭素の動き。部品会社の選別にもつながりそうだ。

 

2022年

 

世界の論調

脱炭素「スコープ3」が焦点英紙フィナンシャル・タイムズ2215日)=22年に企業経営者が絶対に覚えなくてはいけない用語があるとしたら「スコープ3」だろう。自社が事業で排出する分は「スコープ1」、他社から供給された電気やガスの使用に伴う排出は「スコープ2」、サプライチェーンなど取引先の排出分は「スコープ3」と呼ばれる。企業が出す温暖化ガスの6590%をスコープ3が占める。
スコープ3の考え方は、取締役会や投資家に対し企業の責任を事業という狭い範囲で捉えるのではなく、より幅広く世界に与える影響で判断することを求めるものだ。供給網の先で何が起こっているのかを把握するのは簡単ではなく、まして管理するなど不可能だというわけだ。だが今年、企業に対してスコープ3排出を把握し、開示するよう求める圧力は間違いなく強まる(略)。こうした動きは、競合他社への対応圧力となる。どの企業の取締役会も、スコープ3の情報開示を求める声から逃れられると思わないほうがいいだろう。

 

経産省、カーボンフットプリントへ動く

■製造から廃棄までカーボンフットプリントで表示(22年1月21日)=経産省は製造から廃棄までの全過程でCO2排出を製品単位で示すしくみをつくる。まずEV蓄電池で検討し、鉄や食料品などに広げる。原材料調達からリサイクルまでのCO2の総排出量の表示は「カーボンフットプリント(CP)」と呼ばれる。欧州委員会は24年からカーボンフットプリント義務規則案を公表。27年から排出量が基準より多い製品輸入を禁じる。EUは鉄やアルミなどに国境炭素税を導入する構えだ。EU域内製品よりCO2排出量の多い輸入品に関税をかけ、26年から負担を求める。

 

ゼロカーボンの動きは加速

鉄鋼連盟、30年度CO2排出量を13年度比30%減(22年3月7日・産業新聞)=鉄鋼連盟は4日、カーボンニュートラル行動計画の30年度目標をCO2排出量で13年度比30%減に改めると発表した。冷鉄源活用などを含めて約5790万トンの削減を積み上げる。

EU、国境炭素税で合意 23年から導入(22年3月16日)EUは15日、国境炭素調整措置(CBAM)の導入で基本合意した。23年から暫定的に始め26年に完全実施する。

■脱炭素促進へ独禁法緩和 鉄鋼・素材など(22年3月17日)政府は脱炭素に向け、独禁法の適用緩和を検討する。独禁法の適用を緩和すれば、事業統合などによる設備集約を促せる。

 

建材、供給網のCO2排出量を把握(22年3月26日)鹿島はコンクリート製造や運搬時のCO2排出量を算出するシステムを導入。住友林業は建材の調達から解体までに出る全てのCO2排出量を算定するソフトを販売する。▽建設業界で材料や施工で出るCO2排出量に注目が集まるのは「スコープ3」と呼ばれる、供給網や施工後の段階でのCO2削減が急務となっているためだ。

*参考資料=▼三井不動産(22年322日)=21年11月「脱炭素社会実現に向けたグループ行動計画」を発表。30年度の温暖化ガス削減率目標を30%から40%に引き上げ50年度までにネットゼロをめざす。23年度中にすべての施工会社に排出量算出を求める。▼三菱地所、不動産開発も脱炭素(21年919日)=三菱地所は50年までに排出量を17年度比87%減らす目標を掲げ、自社のみにとどまらず、関連先全体で鋼材、セメントなどの資材などに関する開示を要請した。

 

カーボンフットプリント(CFP

■CO2排出量に表記ルール22年9月22日)経産省と環境省は製品のCO2排出量の算定方法や表記のルールを策定する。生産から廃棄までのCO2総排出量を表示する取り組みは「カーボンフットプリント」と呼ばれる。政府が定めたルールに従って算出し、排出量の少ない製品に関しては政府調達で優遇することを検討する。海外では排出量に注目して調達する動きが増えている。

 

■アップル、脱炭素進捗を毎年評価(22年10月27日)=米アップルは25日、世界各地のサプライヤーに脱炭素の取り組みを早めるよう要請した。今回の要請は外部購入電力に加え、サプライヤーが自社所有設備などから排出する温暖化ガスも削減するよう協力を求めた。ア

 

CO2削減へ企業に課金・炭素税の本格導入は先送り(22年11月30日)日本では排出量取引は試験段階で、炭素税は税負担が軽く機能していない。そのため今回の「カーボンプライシング」案では炭素税に似た賦課金の仕組みの導入を検討。炭素税の本格導入は今回は先送りする。一方EUは26年からカーボンプライシングなどの取り組みが遅れる国からの輸入品国境炭素調整措置を本格導入する。日本の輸出産業の競争力に影響しかねない。

 

EU、国境炭素税で合意(22年12月14日)EUは13日、国境炭素調整措置(CBAM、国境炭素税)の導入で合意した。世界初の取り組みで、鉄鋼とセメント、アルミニウム、肥料、電力、水素を対象とする。2310月からEUに輸出する企業は製品排出量を当局に報告する義務を負う。2627年にはEUの排出量取引制度の炭素価格に基づき排出量に相当の支払いが始まる見通し。

 

EVや炭素税先送り(22年12月17日)=(23年度与党税制改正大綱では)先送りとなった課題は多い。CO2排出量に応じて企業に負担を求める炭素税は22年度改正に続いて棚上げにした。EV税制は走行距離に応じた課税案などに警戒が強く、3年後に枠組みを示す。

 

■鉄鋼、脱炭素へ国際枠組み(22年12月21日)米通商代表部(USTR)代表は19日、鉄鋼・アルミの貿易を巡り、脱炭素化を進める新たな国際枠組みを検討すると表明した。23年に同盟国と議論を加速する。米紙NYタイムズなどはUSTRCO2排出量の多い国に高関税をかける新制度をEUに提案と報じている。USTRは新しい枠組みへ日本などにも参加を求めるとみられる。

 

政府、GX基本方針(22年12月23日)=政府は22日、GX実行会議を開き、脱炭素社会実現に向けた基本方針をまとめた。*GX基本方針の要旨今後10年間で150兆円を超えるGX投資を官民で実現するため「GX経済移行債」(仮称)を創設し、20兆円規模の大胆な先行投資支援を実行する。来年度以降10年間毎年度発行する。償還は50年度までに終える。*排出量取引制度は企業の自主参加型で削減目標の設定と順守も自主努力に委ねる。価格帯は取引市場が本格稼働する26年度以降に設定する。発電事業者への有償オークションを33年度から段階的に導入する。

*炭素に対する賦課金は28年度から導入する。化石燃料の輸入事業者などを対象とする。

 

2023年

 

高炉設備と座礁資産 

■脱炭素と金融、電力や鉄鋼、債券発行や融資で「つなぎ役」の投資後押し(2331日)=国際決済銀行(BIS)は脱炭素化により、経済価値を失う座礁資産が最大18兆ドルとはじく。そうした資産を担保とする銀行にとっては融資返済が滞りかねない事態に直面する。邦銀には50年までに7兆円程度の与信コストが発生する。電力や鉄鋼、運輸、化学といった排出量の多い企業は資金調達しづらい課題があった。そこで浸透しつつあるのが移行金融だ。温暖化ガスの排出量をゼロにする技術が実用化されるまでの「つなぎ」の資金供給といえる。

座礁資産=脱炭素化により、経済価値を失い事業縮小を迫られる、高炉などの資産。

 

IPCC報告「温暖化ガス35年60%減を」 19年比23年3月21日)国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は20日、第6次統合報告書を公表した。産業革命前からの気温上昇を1.5度以内に抑える「パリ協定」達成には、温暖化ガス排出量を35年に19年比で60%減らす必要があると提示。各国の従来の削減目標は「極めて不十分」と警鐘を鳴らした。

 

■水素、40年に供給6倍(2345日)=政府は4日、次世代脱炭素燃料として水素導入案を公表。40年に現状の6倍の1200万トンに増やす。今後15年間に官民で15兆円の投資計画を検討する。*30年目標・水素価格3分の1=水素供給価格は1㎥あたり100円で、既存燃料の最大12倍相当。(この)価格差を縮めるよう政府が補助。30年に価格を3分の1に引き下げ普及につなげる。日鉄やJFEは試験炉を建設し2425年度に試験を始める。水素製鉄を含めた鉄鋼業界全体の脱炭素化には10兆円規模の投資が必要になる。

 

■鋼材も「CO2排出ゼロ」(23530日)=鉄鋼メーカーが「グリーン鋼材」を市場に投入している。排出削減効果を特定製品に割り当てる「マスバランス方式」製品だ。先駆けは神戸製鋼のコベナブルスチールだ。日産の量産車に薄鋼板が採用され、三菱地所の東京・豊洲の大型開発への使用も決まった。日鉄やJFE23年度上期中にグリーン鋼材の発売する。両社は電炉の利用を広げ、CO2排出削減効果をマスバランス方式で活用する。東京製鉄も大成建設と組んでCO2排出ゼロの建設用鋼材の生産に乗り出した。調達電力を再生可能エネルギー由来に切り替え、8割の排出を減らす。残りの2割は大成建設が植林などで減らしたCO2排出量と相殺する。

普及の壁は価格だ=コベナブルスチールは「一般に通常の鋼材の23倍」(同社)。まず原料の還元鉄が割高だ。還元鉄を使った製法の排出削減効果は2割のため、排出ゼロの鋼材を1トン得るには、同製法で5トン分の鉄を作る必要がある。

 

■海の脱炭素・ブルーカーボン、藻場に鉄鋼副産物(2363日)=ブルーカーボンは国連環境計画(UNEP)が2009年に命名した。ワカメやコンブなどの海洋植物は光合成により、海水に溶け込んだCO2を吸収する。鉄鋼スラグは鉄分を豊富に含んでおり、海藻の成長を促す効果がある。日本製鉄は22年秋、全国6カ所で藻場の整備を始めた。JFEスチールも全国の海域で導入する。22年度分のブルーカーボンのクレジット(排出枠)平均取引額は1トンあたり78063円で、再生可能エネルギー由来のクレジットの224月平均取引額の20倍超だ。

 

一目均衡(コラム) 不可逆のスコープ3開示(23年6月6日)=スコープ3開示は停滞しているようにみえても、世界の環境対策は裾野を広げながら厳格化を迫っている。EUが3月に発表した「グリーンクレーム指令」案では、消費者保護の観点から企業はデータなどを使って広告の根拠を示す義務を負う。「50年に実質ゼロを達成する」。数値目標だから政府も企業も、目に見える形で排出量の削減を進める。スコープ3開示は曲折があっても確実に押し寄せてくる。

 

■水素価格3分の1へ(23年6月7日)=政府は6日、水素供給増に向けた基本戦略を改定した。向こう15年間で官民あわせて15兆円を投じる。「水電解装置」を30年までに日本企業で15ギガ(ギガは10億)ワット導入。現在1㎥あたり100円の価格を50年に20円まで引き下げる。

 

■経産省、CCS に7事業選定(236月14日)=経産省とJOGMEC13日、CO2を回収して地下に貯留する技術(CCS)について、国内外の計7プロジェクトを支援すると発表。国内の貯留エリアは苫小牧地域、日本海側の東北地方、東新潟地域、首都圏、九州北部沖や西部沖の5カ所。海外はマレーシアとオセアニア地域を輸送先とする2カ所を選んだ。日本製鉄が国内外で実施する3案件が入った。政府は7事業で年1300万㌧分が貯留できるとみている。

「関連情報」*日本製鉄、海外でCO2地下貯留(23125日・日経)=日鉄とエクソンのシンガポール子会社、三菱商事の3社が125日、地下貯留「CCS」の実現に向けた覚書(MOU)を結び、プロジェクトの検討に入る日鉄が国内に持つ製鉄所から排出されるCO2を分離・回収し、エクソンが参画するオーストラリアやマレーシア、インドネシアなど海外のCCS施設で貯留する。三菱商事は液化したCO2を専用運搬船で運搬するなど供給網構築を担う。

 

■真相深層・鉄鋼の脱炭素、電炉転換には限界(236月28日)=20年度に国内で排出された産業部門のCO2の約4割を鉄鋼業が占める。高炉製法を抜本的に見直す脱炭素戦略は「これまで作り上げてきた高効率システムをいったん壊すことを意味する」(JFE)。日鉄は5月、八幡と広畑で電気炉設置の本格検討に入った。JFEは倉敷で2730年に電炉に転換する。だが、電炉だけで鉄鋼を作ろうとすれば鉄スクラップが世界全体で足らなくなる。原料をいかに確保するか。ひとつのアプローチが「還元鉄」利用。JFE2526年をメドに還元鉄の製造に乗り出す。天然ガス資源が豊富なアラブ首長国連邦で製造、輸入する。ここにも課題はある。還元鉄製造には高品位鉄鉱石はしか使えず、その産出量のわずかしかない。低品位鉄鉱石を使える工夫が求められる。

*コスト低減必要=日鉄、JFEともに高炉は残す計画だ。そこで始めた技術開発が「水素(還元)製鉄」だ。水素を使うと「吸熱反応」(炭素の場合は発熱反応)が起き、炉内温度が低下する。「加熱エネルギーをどう供給するのかは大きな課題だ」(日本製鉄)。*水素製鉄は水素の確保なくして成り立たない。政府は30年に水素生産コストを130円、50年には20円以下に引き下げたい考えだ。鉄鋼大手は現製法のコストに見合うには8円前後の価格が必要という。

 

素材、CO2排出「見える化」 鋼材などで広がる237月26日)鉄鋼などのメーカーが品目ごとに環境負荷の見える化」が広がっている。原料調達から生産、リサイクルに至るライフサイクルで発生するCO2量などを、「エコリーフ」と呼ばれる環境ラベルの認証を得た上で開示する。日本製鉄は19年にH形鋼で初めて認証を取得。薄鋼板や鋼管など40製品超まで広げた。建設関連では大手ゼネコンが、建物自体が環境に与える影響を評価する米国の「LEED(リード)認証」の取得を進めている。エコリーフなど認証を受けた建設用鋼材を一定数使うとLEED認証の取得に有利に働くという。CO2排出について原料となる素材の生産(スコープ3)などサプライチェーン(供給網)まで広げて把握する動きが広がる。認証を通じて公開されるデータが必要となっている。鋼材では日鉄のほかJFEスチールなどもエコリーフ認証取得を進める。

 

■世界初の水素取引市場、ドイツに来年開設(23年9月10日)ドイツでは売買仲介市場を24年に開設する。鉄鋼大手のアルセロール、金融大手など欧州の50社以上で作る企業「Hintoco」が運営する。最安値の売り手から10年間の買い取り契約を結ぶ。次に最高値を示した買い手に1年などの短期契約で販売する。当面参加者を募るため、売買差額はドイツ政府が支払う。

 

「脱炭素の旗手」英足踏み2310月5日)英政府がガソリン車とディーゼル車の新車販売禁止を35年まで5年先送りする。EUは3月、エンジン車を35年全廃方針を見直し、合成燃料を使うエンジン車は35年以降も容認。ガソリン車禁止は25年や30年とする北欧と差が開く。

 

豊田氏「今後40年、ここ2年で変わる」2310月6日)経団連は5日、自動車産業の政策を議論する「モビリティ委員会」を開いた。トヨタ自動車の豊田章男会長は電気自動車(EV)戦略について「ここ12年で今後3040年の景色が変わる」と述べた。

 

国境炭素税、アジア鉄鋼改革迫る2310月7日)EUは19年、「国境炭素調整措置(国境炭素税)」の計画を発表。10月からEUに輸出する企業は製品CO2排出量報告が義務づけられた。鉄鋼の81%がいまだに石炭を使う高炉で生産されるアジアにとっては大きな問題だ。

アジア以外の鉄鋼メーカーは低炭素で先行。A・ミタルのハンブルク工場は、30年までに年間100万トンの「ゼロカーボン・スチール」を生産する予定。ドイツのザルツギッターも33年までに年間190万トンの生産をめざす。これらの目標は政府の補助金によって後押しされる。オーストラリアや米英は、鉄鋼業界も対象になる独自の国境炭素調整制度を検討している

 

*安価な水素調達が課題(10月7日)日本の鉄鋼業のCO2排出量は産業部門の約40%を占める。50年に約2000万トンもの水素が鉄鋼業だけで必要と試算される。現状では水素供給は全産業で約400万トンにとどまる。しかもグリーン水素の国内コストは高い。日本製鉄は傘下のスウェーデン企業での熱処理工程で現地生産した水素を活用する。独シンクタンクは水素コストが安い国で鉄鋼素材をつくり取引する「グリーン鉄貿易」による世界規模での脱炭素を提唱する。

 

EU、輸入品に炭素関税・インド鉄鋼メーカー打撃2310月11日)EUは、「国境炭素調整措置(CBAM)」を26年から導入。炭素排出量報告が義務化された。施策第1弾では、輸入業者は製品生産時に排出した温暖化ガスの報告が求められ、怠ると罰金が科される。欧州地域への販売が大半を占めるインドの鉄鋼メーカーは苦境に立たされている。ただアジア諸国はCBAMに反発。中国はWTOに懸念を表明し、保護主義的措置と主張。インドもWTOで異議を唱える予定だ。

 

カーボン・クレジット市場、東証が開設2310月12日)東京証券取引所は11日、CO2排出量取引(カーボン・クレジット)市場を開設した。東証が扱うのは削減方法によって「省エネ」「再エネ(電力)」「再エネ(熱)」「森林」など6つに分かれ、1トン単位で取引する。取引所で直接売買できるのは専門資格を持つ証券会社だけ。EUは2005年に排出量取引市場を開設。取引量は域内のCO2排出量の4割強をカバー。排出量を削減しなければ罰金を科される制度が設けられたこともあって取引価格は23年に1トンあたり100ユーロ(約1万5000円)を突破した。

 

米、水素生産1兆円助成2310月15日)米政権は13日、全米7カ所を水素の生産拠点として選定したと発表。70億ドルを助成し、経済の脱炭素化を促して「水素大国」を目指す。三菱重工業のプロジェクトも選定され、日本への輸出を視野に入れる。

 

中国鋼鉄工業協会、35年に電炉鋼比率30%以上目指す(23年9月11日・産業新聞)=中国でも電炉の導入を政府が促している。中国の電炉粗鋼生産能力は22年末約1.9億トン。35年に倍の4億トン、電炉鋼比率30%以上(22年9・7%)を目標に掲げ、鉄鋼大手も電炉導入を計画。

 

米、EUに関税上げ要請 排出量多い国からの鉄鋼輸入2310月20日)米政府がEUにCO2排出量が多い国からの鉄鋼・アルミの輸入に共同で高関税を課す仕組みを提案している米政府は新しい枠組みへ日本などにも参加を求めるとみられる。

 

■鉄鋼連盟、「マスバランス・ガイドライン」を改訂(2310月27日・産業新聞)=鉄鋼連盟は26日、「マスバランス方式を適用したグリーンスチールに関するガイドライン」を公表した。「顧客は、自社のスコープ3排出量を低減することが可能だ。神戸製鋼所の「Kobenable Steel」、日本製鉄の「NSCarbolex」、JFEスチールの「JGreeX™」などが販売されている。

 

企業の脱炭素実績を開示2311月27日)4月に施行した改正省エネルギー法は、年間の電力使用量が多い1万2000社程度に対し、再生エネ割合を24年度から経産省報告を義務付けた。*省エネ情報、47社が開示宣言(11月29日)=経産省は28日、省エネ法・定期報告情報の開示制度の試行に関して、47社が開示宣言と発表した。鉄鋼業では日本製鉄、JFEスチール、トピー工業、愛知製鋼、山陽特殊製鋼、大同特殊鋼、大平洋金属が入った。

 

英、27年までに国境炭素税を導入2312月19日)英政府は18日、「炭素国境調整措置(国境炭素税)」を27年までに導入と発表した。26年に本格導入するEUに続く。対象の輸入品は、鉄鋼、アルミ、肥料など。詳細な品目は24年に検討する。

 

全補助金、脱炭素を要件に 農水省2312月30日)農水省は27年度をめどに補助金支給要件に脱炭素対策を加える。世界では温暖化ガス排出量全体の4分の1を農業などが占める。

 

2024年

 

企業の設備共同廃棄、脱炭素なら一部容認(24年1月6日)公正取引委員会は脱炭素につながる企業の共同事業に関する指針を改定する。企業が設備を共同で廃棄する際、条件付きで企業間での情報交換を認める。明確にするのは設備の廃棄や素材調達を巡る共同事業だ。

 

■政府の脱炭素20兆円支援(24年1月12日)=政府は総額20兆円の脱炭素支援制度を作る。経産省がつくる製鉄などの業種別の指針で後押しする。「排出する二酸化炭素(CO2)を何%減らす」といったように温暖化ガスの削減割合を定量的に示すことになるとみられる。

 

排出削減、46%目標届かず(24年1月17日)経産省は16日、国内372社による温暖化ガスの排出削減目標を公表した。鉄鋼では日本製鉄が29%減。政府は50年のカーボンニュートラル(温暖化ガスの実質排出ゼロ)に向け、30年度には13年度比46%減とする目標を掲げる。データのそろった企業合算の30年度の排出量目標は4.8億㌧となり13年度比では40%減にとどまる。

*クリーン水素、官民で供給網構築へ(24年1月30日)=クリーン水素供給網整備に官民が乗り出す。政府は今後15年で3兆円を投じ、天然ガスとの販売価格差を補助する事業を始める。政府は製造時の水素1kgあたりのCO2排出量を3.4㎏以下とする方向で調整する。

 

EU、温暖化ガス9割減 40年新目標案242月7日)EUの欧州委員会は6日、温暖化ガス排出量を40年に1990年比で90%削減する新目標を提示した。これまで30年に55%削減、50年の排出実質ゼロを掲げてきた。再生可能エネルギーの導入を加速させる。

 

■鉄鋼連盟、22年度CO2排出量報告242月15日・産業新聞)=鉄鋼連盟は14日、カーボンニュートラル行動計画の進捗状況を審議会に報告しCo2排出量が13年度対比で22・7%減。22年度の粗鋼生産は23・0%減。22年度は30年度目標の13年度比30%削減に対し75・8%の進捗。カーボンニュートラル行動計画:一般社団法人日本鉄鋼連盟 (jisf.or.jp)

https://www.jisf.or.jp/business/ondanka/kouken/keikaku/documents/tekkowg_ppt1_20240214.pdf

 

GX債、水素などへ10年20兆円242月15日)財務省は14日、脱炭素資金を調達する「GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債」の10年債入札を実施した。GX経済移行債は50年の温暖化ガス排出実質ゼロの実現に向け、10年間で20兆円規模の発行を予定する。20兆円のうち13兆円は使途が決まっている。脱炭素燃料として期待される水素の普及に向けて15年間で3兆円を投じ、鉄鋼や化学など製造業の脱炭素に10年間で1.3兆円を充てる。

GX債の償還財源は、CO2排出に課金するカーボンプライシングの2つの手法を使う。まず28年度から化石燃料の輸入企業に排出量に応じた賦課金を求める。33年度からは排出量取引制度で電力会社にCO2排出枠を買い取ってもらうようにし、それを償還財源にする。

 

■脱炭素へ銀行に開示義務 主要国で26年にも242月16日)=主要国は気候変動リスクを26年にも銀行に開示を義務づける。脱炭素に伴い価値がなくなる設備は「座礁資産」と呼ばれる。石油・ガスや石炭、自動車など18の業種別の融資規模など詳細な情報の開示を求める。

 

排出量開示、プライム企業に義務づけ242月19日)金融庁は東証プライム上場企業を対象に温暖化ガス排出量開示を義務づける検討に入る。自社分だけでなく原料の調達や製造、輸送、販売時など取引先全体の分(スコープ3)の開示を求めている。

 

三菱ガス化学、CO2からメタノール製造242月19日)=三菱ガス化学は26年度にも水島コンビナートでCO2からメタノール(CH₃OH)を生成し、「カーボンリサイクル」のモデルをつくる検討を始めた。現在のe―メタノールの国際価格は石油由来より約10倍高い。国内の水素価格は1㎥あたり100円程度だが、日本政府は今後15年で3兆円を投じ、30年に30円を目指す。

 

クリーン水素、価格10倍242月23日)水素は現在、天然ガスや石炭からつくる方法が主流だ。クリーン水素の市場価格は化石燃料でつくる水素より10倍高い。日本も国内水素供給量を30年に現状の1.5倍の300万トン、50年に2000万トンに増やす目標を掲げる。今後15年で3兆円を投じ、CO2排出量を従来より7割減らした場合、石油由来との販売価格差を補助する。

 

■EV変調、世界に広がる242月29日)米アップルが電気自動車開発計画を中止する。米新興EVメーカーのリビアン・オートモーティブは人員削減に踏み切った。家電大手ダイソンもEV開発から撤退。独メルセデス・ベンツは30年の「完全EV化」を見直し、新車販売の最大50%がEVとPHV(プラグインハイブリッド)見通しを「20年代後半」に遅らせた。欧州ではドイツが23年12月中旬からEV補助金の支給を停止。中国でもEV購入補助金を22年末に終了した。

 

グリーン水素、中国が攻勢(24年3月5日)50年にCO2の実質排出ゼロを実現するには、「グリーン」の割合を77.8%まで引き上げる必要がある。中国が公表したグリーン水素の生産目標をみると、内モンゴル自治区が年50万トンで最も多く、内陸部での生産計画が目立つ。土地が広く日照に恵まれ、太陽光や風力発電に適し再生エネ発電所の投資が相次いだ地域だ。グリーン水素の生成に欠かせない電解装置でも中国企業の台頭が目立つ。中国国内の電解槽の導入容量は20年には1割に満たなかったが、23年末に世界全体の5割を占めるなど急成長している。

 

■温暖化ガス開示義務付け 米SECが採択3月8日)=米証券取引委員会(SEC)が6日、米上場企業に温暖化ガス排出量の開示を義務付ける。日米欧など世界主要地域が開示制度化で足並みをそろえる。26年度以降に開示が順次始まる。サプライチェーンを通じた排出量(スコープ3)は当初案に盛られたが、今回規則には含めなかった。SECの規則は米企業だけでなく米国に上場するトヨタやソニーなどの日本企業も対象となる。

 

■温暖化ガス開示義務付け 米SECが採択3月8日)=米証券取引委員会(SEC)が6日、米上場企業に温暖化ガス排出量の開示を義務付ける。日米欧など世界主要地域が開示制度化で足並みをそろえる。26年度以降に開示が順次始まる。サプライチェーンを通じた排出量(スコープ3)は当初案に盛られたが、今回規則には含めなかった。SECの規則は米企業だけでなく米国に上場するトヨタやソニーなどの日本企業も対象となる。

 

■環境配慮型電気炉鋼材WG29社で発足(3月14日・日刊市況hp)=普通鋼電炉工業会は、経産省が223月に設立したGXリーグの「グリーン商材の付加価値付けに関する提言書」に基づき、特殊鋼電炉を含めた29社(普通鋼22社、特殊鋼7社)が参画した「環境配慮型電気炉鋼材WG」を発足する。WGでは、電炉事業者が市場に供する鋼材の基本価値(性能・品質など)に対する新たな付加価値として、環境負荷の低減価値(グリーンプレミアム)を持つグリーン商材「環境配慮型電気炉鋼材」の事業活用(販売・標準化)を検討する。最終目標は、環境配慮型電気炉鋼材ガイドラインを策定するとともに運用の標準化を行うこと、としている。

 

■企業の温暖化ガス排出量、開示義務化へ(3月27日)=金融庁は26日、有価証券報告書で温暖化ガス排出量の開示などを義務付ける。東証プライム上場企業のうち、時価総額3兆円以上の企業から段階的に適用し、最終的に全プライム企業に広げる方向で検討する。

 

■日本企業の気候関連基準、スコープ3も開示(3月30日)=サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は29日、日本企業の気候関連開示基準の草案を公表。自社拠点での排出分だけでなく供給網上の排出分(スコープ3)も開示を求める。東証プライム企業は早ければ27年3月期から強制適用となる可能性がある。対象企業は広がる見通しで開示体制構築が急務となる。

■鉄スクラップ、需給逼迫観測 脱炭素へ電炉シフト 囲い込み増、相場上昇促す(4月2日)=鉄鋼業界の脱炭素の動きを受け、製鋼原料の鉄スクラップが国内で不足するとの観測が出始めた。鉄鉱石と石炭を原料とする高炉の製鉄に比べ、鉄スクラップを使う電炉の製鉄は二酸化炭素(CO2)排出量を4分の1に低減でき、日鉄などが導入を進める。鉄スクラップを確保するための囲い込みが増え、相場上昇を促しつつある。

高炉大手は50年のカーボンニュートラル達成を目標に掲げ、電炉シフトはその一手だ。電炉会社の多くが鉄筋用棒鋼など建設用資材を中心に製造し、日鉄など高炉大手が自動車向け鋼板などを主に製造するが、高炉製品の一部が電炉式の生産に移っていくもようだ。現在日本では粗鋼生産量に占める電炉の比率は2割台だが、50年度には4割を超える見通しだ。高炉を使った製鋼工程でもCO2排出低減の観点から鉄スクラップの配合を増やす方向にある。

脱炭素の流れは高炉の電炉シフトのほか、既存の電炉の鉄鋼メーカーの商機も広げる。東京製鉄は粗鋼生産量を30年までに21年度の約2倍の600万トンにする計画。50年には1000万トンに引き上げる。「資材調達などサプライチェーンのCO2排出削減につながる電炉の薄鋼板は自動車産業などの需要も高まると期待している」(東鉄の津田経営管理本部長)と、高炉が得意としてきた分野の拡大もにらむ。東鉄は226月に名古屋市内に鉄スクラップの受け入れ拠点となるヤードを新設。246月にも兵庫県尼崎市に拠点を置いて安定調達を目指す。

今後は新断など高品位の鉄スクラップの需要が高まる。新断は鋼材の品質に影響する銅やスズといった不純物が少なく、高級鋼材の生産に適しているが、新断の国内流通量は建物解体などから発生する鉄スクラップの4分の1ほどにとどまる。国内の鉄スクラップが不足する過程では、高品位品ほど囲い込みの動きが増すとみられる。

 

■スウェーデンのSSABは高炉を廃止し電炉2基を建設(4月3日・テックスレポート)=スウェーデンの大手鉄鋼メーカーSSABは北部のルレオに電炉2基、冷間圧延ライン等を備えた新電炉圧延工場を建設すると発表した。年産能力は250万トン。操業開始は2028年末を予定。同社は現在高炉一貫製鉄を行っているが、このミニミルが稼働すれば高炉は操業停止する見込みだ。SSAB21年にLKAB、ヴァッテンフォールと共同で「HYBRIT」パイロットプラントを立ち上げ、水素を還元剤としたスポンジ鉄(直接還元鉄)を製造している。新設予定のミニミルでは、このスポンジ鉄と鉄スクラップを使用してカーボンフリー鋼材を生産する。

 

■ドイツの鉄鋼大手、製鉄内にシュレッダー工場を建設(45日・テックスレポート)=ドイツの鉄鋼大手であるザルツギッターは4日、同社の一貫製鉄所の敷地内に大規模なシュレッダー工場を建設すると発表した。同社は現在、「SALCOS®」と名付けた低CO2製鉄転換プロジェクトを実施しており、第一段階では直接還元プラント、電気炉、水素製造電解プラントなどを導入。26年からの稼働を予定。シュレッダー工場も同時期に稼働開始する見込み。

 

■ドイツの鉄鋼大手、製鉄内にシュレッダー工場を建設(45日・テックスレポート)=ドイツの鉄鋼大手であるザルツギッターは4日、同社の一貫製鉄所の敷地内に大規模なシュレッダー工場を建設すると発表した。同社は現在、「SALCOS®」と名付けた低CO2製鉄転換プロジェクトを実施しており、第一段階では直接還元プラント、電気炉、水素製造電解プラントなどを導入。26年からの稼働を予定。シュレッダー工場も同時期に稼働開始する見込み。

 

■中国鋼鉄、高炉にHBIを添加装入試験(425日・テックス)=台湾の中国鋼鉄(CSC)は24日、高炉に「ホット・ブリケット・アイアン(HBI)」を添加する試験を開始。HBI1トンにつき1.53トンのCO2排出量を削減されたとしている。結果を受け、HBIを使用した高炉操業で使用するAIプラットフォームの機能をアップグレードした。

■日EU、脱炭素の共通ルール(4月26日)=日本とEU5月にも脱炭素分野に関する共通ルール作りで合意する。同様の日米合意と合わせ、日米欧連携で供給網を築く。対象にはEVや洋上風力、パワー半導体といった脱炭素にかかわる幅広い製品を想定する。EUは脱炭素製品の公共調達で、域外の特定国からの輸入への依存を防ぐようなルールを検討する。

 

 

4 鉄鋼と流通囲い込みの現在 

 

■東京製鉄=「長期環境ビジョン」(21624日・HP)=顧客との協働による鉄スクラップ回収率の向上=脱炭素・循環型鋼材を納入するクローズドループの循環型取引を拡大する。

長期環境ビジョン | 東京製鐵の環境への取り組み (tokyosteel.co.jp)

 

■パナソニック「資源循環取引スキーム」を開始13年82日・hp)=パナソニックは、東京製鐵株と共同で、使用済み家電製品から発生する鉄スクラップをリサイクルし、再び当社グルーの製品材料の鋼板として使用する資源循環取引スキームを電機業界で初めて開始した。

 

■東京製鉄、大成建設と連携23年410日)=東京製鉄は大成建設と連携し鋼材製造から解体・回収までの資源循環サイクル「ゼロカーボンスチール・イニアティブ」を始動したと発表した。電炉鋼材を「T―ニアゼロスチール」と位置付けている。

Microsoft Word - (20230404)大成建設リリース文案rev6.doc (tokyosteel.co.jp)

 

■東京製鉄、リバー藤沢事業所建替でエムエム建材と循環スキーム(23年10月23日・テックス)=TREのリバー、東京製鉄、エムエム建材の3社は23日、リバー藤沢事業所の建替工事に伴う解体工事で発生する鉄スクラップを東鉄に納入し、その製品を新築建材として使用する循環スキームに取り組むと発表。「鉄のクローズド・ループ」を確立する。

 

■東京製鉄、尼崎港に「関西サテライトヤード」を開設(231025日、テックス)=東京製鉄は24日、NEWSCONが運営する尼崎港集荷ヤードを「関西サテライトヤード」に名称変更し、2456月に運用を開始する。226月に開設した名古屋に続くサテライトヤードとなる。

 

■竹中工務店、巖本金属、東鉄など5社、循環サイクルに向け連携(23年12月14日)=竹中工務店、巖本金属、岸和田製鋼、共英製鋼、東京製鉄の5社は14日、竹中工務店が掲げる「サーキュラーデザインビルド」コンセプトに基づき、循環サイクルに向けて連携すると発表した。

 

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■ニューコア子会社のDJJがディラー買収。北米で60拠点(21105日・テックス)=ニューコア社は子会社で全米最大の鉄スクラップ・ディラーであるDJJ傘下のディラー(AMR、TMR)が相次いで中西部や南部で同業他社を買収。AMR社のリサイクル施設は12カ所、TMR社保有は26カ所に増加した。DJJ社はこの買収を含め、全米に60カ所以上のリサイクル施設、13カ所の中古自動車工場を確保するに至った。

 

■北米鋼板最大手、鉄スクラップ会社を買収(2110月13日・産業新聞)=北米鋼板最大手のクリーブランド・クリフスは11日、鉄スクラップ業のフェラス・プロセシング・アンド・トレーディング(FPT)を買収。デトロイト本拠のFPTは米国上級スクラップ市場でシェア約15%と最大手の一角。クリーブランドはスクラップ業に参入し原料を囲い込む。

 

■加アルゴマ・スチールが鉄スクラップ事業に参入(211029日・テックスレポート・7p)=加の製鉄会社アルゴマ・スチールが27日、北米の非鉄金属会社と合弁でATMメタルズを設立。新会社はアルゴマ・スチールの電炉製鋼の移行を含め、上級スクラップやその他の原料供給を担う。

*インドのタタ・スチール社=ハリヤナ州ロータクに年間50万トンのリサイクル工場を新設した。シュレッダー、プレス、重機などを備えたインド初の近代工場。

 

欧州リサイクル工業会、金属スクラップ輸出規制強化に反対(23年1月23日・産業新聞)=欧州リサイクル工業会は、欧州議会で可決されたEUの廃棄物出荷規制改訂案に「リサイクル資源の地域貿易保護主義の始まりになってはならない」と反対した。金属スクラップなどすべての「廃棄物」のOECD非加盟国への輸出を原則的に禁じており、今年中に正式決定されるとみられる。

 

■POSCOグループ、鉄スクラップ収集拠点を整備(23年6月21日)=POSCOインターナショナルは20日、25年までに韓国各地に鉄スクラップ収集拠点を整備、年間約50万トンをPOSCO向けに確保すると発表した。昨年は4カ所の拠点を整備し、本年は下半期に4拠点を追加する。

 

■アルセロール、自動車部品大手と資源循環協定(237月25日・産業新聞)=アルセロールは21日、自動車部品大手のゲシュタンプと資源循環協定を結んだ。自動車生産過程のスクラップリサイクルを共同で構築する。自動車分野の低炭素鋼利用拡大に取り組む。

 

■インドの鉄鋼大手JSWが鉄スクラップ会社を完全子会社化(23925日。テックス)=JSWスチールは、NSL Green Steel RecyclingNSL)を完全子会社化した。JSWは自社工場隣接地にシュレッダー施設の建設を検討。大手製鉄会社は既存回収事業会社の買収や出資に乗り出している。

 

■ニューコア、リサイクル会社を買収(23年10月17日・テックス)=ニューコアは16日、傘下のリサイクル会社(リバー・メタルズ・リサイクリング=RMR)がシンシナシティのガーデン・ストリート・アイアン&メタルを買収と発表。RMRのリサイクル施設は19ヵ所となった。

 

■英国鉄鋼、鉄スクラップ輸出規制を求める動き(24130日・産業新聞)=英国の鉄鋼メーカー業界団体が鉄スクラップの輸出規制を政府に求めた動きにリサイクル業界が反発している。カーボンニュートラルなどを背景に世界の鉄スクラップ需要は今後さらに増える見込みで、スクラップの輸出に制限をかけようとする動きは他国にも波及しそうだ。

 

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■ナンセイスチール、大阪八尾工場を開設(23年3月8日・産業新聞)=金属リサイクル業のナンセイスチール(本社=千葉県)は、大阪八尾工場を新たに開設した。

 

■朝日商店 臨海高石工場の岸壁工事(23324日・日刊市況)朝日商店(本社=堺市堺区)は216月臨海高石工場を開設、総敷地面積約1万㎡。プライベートバースを有する水陸両用拠点だったが、199船に限定されていた。岸壁修繕を3月より開始。工事面積は約1,500㎡(岸壁全長50㍍、奥行き30㍍)。水深は5-6㍍で499船の対応が可能。来年10月に完成予定。

 

■北海道石狩湾新港、国際物流ターミナル整備事業(23年6月1日・産業新聞)=石狩湾新港で、総事業費92億円を投入し3万㌧級大型船が接岸できる水深12m岸壁をはじめ、航路、港湾施設用地、埠頭用地を整備する。25年度暫定供用開始、26年度の完成を目指す。

 

■エンビプロ、オランダに支店開設(237月4日・産業新聞)=エンビプログループで貿易事業を手掛けるNEWSCONは来月、オランダに支店を開設。EU圏グローバル資源循環事業への対応力を高める。イギリスの現拠点は継続し英国事業を確保しながら欧州事業の拡大を図る。

 

■三井住友信託、エンビプロと提携(237月7日・日経)三井住友信託銀行は、自治体が資源ゴミを回収し再利用するのを支援する。エンビプロ・ホールディングスと連携協定を結ぶ。エンビプロや委託業者が施設を設立し、三井住友信託が用地や建設費用の融資を担う。

 

■岡田金属、ドバイに現地法人を設立(24年1月19日・産業新聞)=岡田金属はアラブ首長国連邦のドバイに現地法人「 (オカダ・プロジェクト)」を設立した。同グループの海外事業は初。

*岡田金属、設立60周年(22年4月28日・産業新聞)=不二商事(本社=名古屋市中川区)、カニエ金属(本社=愛知県海部郡蟹江町)を傘下に月間2万トン水準を扱う。

 

■ナンセイ、弥富中間処理工場を開設(2425日・産業新聞)=ナンセイが弥富中間処理工場を開設。全国4つ目の中間処理拠点で、中部圏では初。

*ナンセイ、212月リサイクル事業部を「ナンセイスチール」として分社化した。劉国利執行役員リサイクル事業本部長が初代社長に、稲福社長は会長を兼務する。

*ナンセイ、大阪鶴浜工場で204月からスクラップ加工処理設備を本稼働させた。全国展開を目指して大阪に進出。年内には仙台にも輸出拠点を開設する予定だ。

*ナンセイ、207月大阪湾岸から2万㌧クラスの大型船による鉄スクラップを輸出。

 

■エンビプロ、NEWSCONの転換に取り組む(24年2月19日・テックス)=エンビプロHD16日、決算説明会を都内で開いた。同社尼崎ヤードが「東京製鉄関西サテライトヤード」と決まったのを契機に「東鉄との関係が深まっている」と述べ、クローズドループの資源循環で「我々がコーディネートする」役割があるのではないかと述べた。また(グローバル資源流通を扱う)NEWSCONに関連して、海外貿易事業は1992年にスタート以来30年が経ち、以前のビジネスモデルは通用しない時代に入っている。輸出だけではなく、国内の仕事や海外からの輸入、3国間取引などに向け今後23年をかけNEWSCONのビジネスモデル転換に取り組んでいく。

 

5 参考資料

 

1-1 高炉各社の取り組み(戦略・戦術)に関して、産構審は242月、下記の報告をまとめた。
この資料は必見である。

*カーボンニュートラル行動計画報告・24年2月14日 産構審鉄鋼WG報告資料

カーボンニュートラル行動計画:一般社団法人日本鉄鋼連盟 (jisf.or.jp)

https://www.jisf.or.jp/business/ondanka/kouken/keikaku/documents/tekkowg_ppt1_20240214.pdf

 

*以下はその要約である。

2050年  革新的技術開発 (5p下段)

カーボンニュートラル実現に向け以下4テーマの技術開発に果敢に挑戦する。

  • 所内水素を活用した水素還元技術等の開発
  • 外部水素や高炉排ガスに含まれるCO2を活用した低炭素技術等の開発
  • 直接水素還元技術の開発
  • 直接還元鉄を活用した電炉の不純物除去技術開発

 

グリーンイノベーション基金事業/製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクト

<所在地 事業内容>日本全国マップ(41p)<本プロジェクトの開発項目> (42p)

 

【項目1】 高炉を用いた水素還元技術の開発

1-①所内水素を活用した水素還元技術等の開発(COURE50) (43p)

 Ø 2030 年までに、所内水素を活用し、CO2排出を 30%以上 削減する技術の実装。

・日鉄君津第二高炉で常温水素系ガス吹込み設備を導入し、 25年度下期実機検証開始予定。

 

1-② 外部水素などやCO2を活用した低炭素技術等の開発(Super COURE50) (44p)

Ø 2030 年までに、中規模試験高炉においてCO2排出 50%以上削減を実現する技術を実証。

・日鉄君津地区で試験高炉を改造※ 。・試験高炉でCO2排出量削減効果33%を確認。

 

1-② カーボンリサイクル高炉 (45p

外部水素を間接利用し、高炉から発生するCO2をメタンに変換し、還元材として繰り返し利用。

JFEスチール・千葉で小型カーボンリサイクル試験高炉(150m3規模)を建設する。

 

【項目2】 水素だけで低品位の鉄鉱石を還元する直接水素還元技術の開発

2-① 直接水素還元技術の開発  (46p)

 Ø 2030 年までに水素で直接還元する技術によりCO2排出 50%以上 削減を達成する技術を実証。

 ※2-①は、日本製鉄、JFEスチール、JRCM(金属系材料研究開発センタ-)3社共同実施

 

2-② 直接還元鉄を活用した電炉の不純物除去技術開発 (47p)

 Ø 2030 年までに、低品位の鉄鉱石を活用した水素直接還元-電炉一貫プロセスにおいて、自動車外板等に使用可能な高級鋼を製造する技術を実証。

・日鉄・波崎研究開発センターに小型試験電炉(10t)建設。24年度試験開始

JFEスチール・千葉に小型試験電炉(10t)建設。24年度試験開始

・神製・高砂製作所で小型商用炉(20t)改造。22年度試験開始:※実施時期は全て予定

 

2013年→2030年→  移行期における取り組み(49p)

グリーンスチール需要への対応(50p)

ü 鉄鋼製造プロセスの脱炭素化は、「電炉化」と「水素還元製鉄技術」が主たる方策となるが、いずれも開発・実装には時間を要し、排出ゼロを短期かつ一気に達成することはできない

ü鉄鋼メーカー自ら実行するCO2排出削減量(ΔCO2)が、「CFP(カーボンフットプリント)」と併存する環境価値の概念として広く社会で理解、認知される必要がある

 üその「ΔCO2」を、特定の顧客が求める製品に配分する「ΔCO2マスバランス方式」は、需要家のScope3排出量削減への反映を可能とする唯一の現実的手法であり、「ΔCO2マスバランス方式を適用したグリーンスチール」が、脱炭素製品としての評価を確立する必要がある

 

1-1-2 上記の産構審報告に先立って、経産省は22年9月、下記の「まとめ」を公表した。

 

鉄鋼業のカーボンニュートラルに向けた国内外の動向等について - 経済産業省

22年912日 経産省製造産業局(pdf資料-全36p) ―― 重要!!!

<81798E9197BF8253817A93538D7C8BC682CC834A815B837B8393836A8385815B83678389838B82C98CFC82AF82BD8D9193E08A4F82CC93AE8CFC939982C982C282A282C42E706466> (meti.go.jp)

*上記は、全体を取りまとめた最も信頼に足る基本資料である。必ずチェックすること!!!

 

1-1-3 この前後、高炉各社が打ち出したカーボンニュートラル対策は以下の通りである。

 

1 日本製鉄21年3月 「カーボンニュートラルビジョン2050」  20210330_ZC.pdf (nipponsteel.com)

2 JFEスチール 「CN戦略」22年91日 carbon-neutral-strategy_220901_1.pdf (jfe-steel.co.jp)

3 神戸製鋼 気候変動への対応|KOBELCO 神戸製鋼

 

6 用語説明

 

*SDGs=20159月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2030年までに達成を目指す国際目標(Sustainable Development Goals・持続可能な開発目標)。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っている。 (mofa.go.jp)

 

ESG環境(E: Environment)、社会(S: Social)、ガバナンス(G: Governance)の英語の頭文字を合わせた用語。これらの課題解決を経営の中心に置くとする思想・理念・運動。

 

*LCA=「ライフサイクルアセスメント」。製品やサービスなどにかかわる、原料の調達から製造、流通、使用、廃棄、リサイクルに至る「製品のライフサイクル」全体を対象として、各段階の資源やエネルギーの投入量と様々な排出物の量を定量的に把握し、原材料の採取などを含む製品の寿命全体で二酸化炭素(CO2)排出量を評価する手法。

 

*3R(リデュース・リユース・リサイクル)

Reduce(リデュース=発生抑制・減量化)、Reuse(リユース=再使用)、Recycling(リサイクル=回収・再資源化)の頭文字。

リデュース(「抑制」)とは設計段階から残渣等の発生抑制を組み込んだ設計とすること。リユースはその本来の使用が終わった後も形状を変更せず「再使用」すること。

リサイクルは物質形状を変えてもその投入エネルギーの回収をはかる。

その方法はマテリアル・リサイクル(Material Recycling=物質リサイクル)とエネルギーリサイクル(Energy RecyclingThermal Recycling=サーマル・リサイクル)に分かれる。循環型経済法制はこの3Rの定着、運用を目的とする。

 

*アップサイクル=リサイクル(再利用)のなかでも、さらに持続可能な付加価値を高めた再利用を目指す。たとえば、ペットボトルを原料にした繊維で作られる衣類や、紙ごみから作る再生紙、トイレットペーパーなど。

 

*スコープ3 「SCOPE=(適用・対象)範囲」=事業活動からのCo2の直接排出を「スコープ1」、

他社から供給された熱源使用に伴う排出を「スコープ2」とする。

「スコープ3」は(1および2以外の)事業者の活動に伴うあらゆる排出量を指す。原材料の調達、輸送・配送、使用後の廃棄排出量まで(サプライチェーン全体を網羅的に)含む。

たとえば三菱地所は50年までに排出量を17年度比87%減らす目標を掲げ、ゼネコンやゼネコンと取引する素材メーカー、重機メーカー、下請けを含む施工業者など川下の関連先全体で鋼材、セメントなどの資材などに関する開示を要請した(21年919日)。

 

*デジタルトランスフォーメーション(DX)=直訳すると「デジタル変革」という意味。インターネットやデジタル技術を駆使して社会や組織・ビジネスの仕組みを変革する取り組み。

 

*グリーントランスフォーメーション(GX)=化石燃料から温室効果ガスを発生させない再生可能エネルギーに転換する(グリーン)ことで地球環境を転換(トランスフォーメーション)する世界的な取り組み。この条件を満たす資源を「グリーン」の名を冠して呼ぶ。たとえばグリーン水素(製造時にCo2排出の少ないもの)など。排出程度によってグレー水素。ブルー水素。

 

*ホワイト水素=かんらん岩などの鉄を含む岩石が高温下で水と反応してできたり、岩石に含まれる放射性元素によって水が分解してできたりする天然水素。製造コストは1kg1ドルとも試算され「脱炭素のゲームチェンジャーになりうる」。米地質調査所(NSGS)によると、世界の埋蔵量は1兆トンと、世界需要を数千年満たす規模の可能性があるという。

 

*グリーン水素=化石燃料を使わず、風力や太陽光など再生可能エネルギーなどを使って、CO2を排出せずにつくられた水素。酸素も供給できる。ただし大量生産できず高コストになる。

 

*グレー水素=天然ガスや石炭等の化石燃料をベースに、CO2を回収せず生産された水素。

目下の主流で、2020年現在、世界で生産されている水素のうちグレー水素が約95%を占める。

 

*ブルー水素=天然ガスや石炭等の化石燃料をベースとのはグレー水素と同じだが、CCS(回収・貯留)やCCUS(利用)を組み合わせ、CO2排出を抑えた水素。

 

CCS=「Carbon dioxide Capture and Storage」の略で、日本語では「二酸化炭素回収・貯留」技術と呼ばれます。発電所や化学工場などから排出されたCO2を、ほかの気体から分離して集め、地中深くに貯留・圧入するというものです。

 

CCUS=「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略で、分離・貯留したCO2を利用しようというものです。たとえば米国では、CO2を古い油田に注入することで、油田に残った原油を圧力で押し出しつつ、CO2を地中に貯留するというCCUSがおこなわれており、CO2削減が実現できるほか、石油の増産にもつながるビジネスになっています。

エネルギーの基礎用語~CO2を集めて埋めて役立てる「CCUS」 (meti.go.jp)

 

*炭素税・排出枠取引=温暖化ガスの排出量取引や炭素税など「カーボンプライシング」の導入が進んでいる。排出量に応じて課税する炭素税と、個別企業の排出上限を決め、企業が排出枠を売り買いする排出量取引の2つの手法がある。

 

*カーボンフットプリント(CFP)=直訳すると「炭素の足跡」。商品やサービスの原材料の調達から生産、流通を経て最後に廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算したもの(なお22121日=「経産省、カーボンフットプリントへ動く」。229月22日=「CO2排出量に表記ルール」の項、参照

 

*CP=「カーボンプライシング」。炭素に価格を付ける仕組みで、「炭素税」と「排出量取引制度」がある。▽炭素税=炭素排出1トンあたりX円、といったかたちで政府が炭素価格を直接的にコントロールする手法。▽排出量取引制度=企業は、政府から与えられた「排出枠」を踏まえて排出枠が余った場合や不足した場合には、市場でその分を売買する仕組み。

 

*ICP=「インターナルカーボンプライシング」。企業が独自に炭素に価格付けする取り組み。米マイクロソフトは取引先などで発生するCO2も考慮対象に含めた。

 

*国境炭素税=CPの公平性を維持するためCO2排出規制が緩い国や地域から製品を輸入する際、製造時に排出したCO2に応じて関税を課す。特定の国による「ただ乗り」を避ける仕組み。規制の緩い国からの輸入品に事実上の関税をかけ、価格差を相殺する措置。

 

*グリーンカーボン=植物が吸収、蓄積した炭素を言う。森林や草原、熱帯雨林など陸地全体に分布している植物を「グリーンカーボン生態系」と呼ぶ。例・共英製鉄(植林)など

 

*ブルーカーボン=2009年に国連環境計画(UNEP)によって命名された「藻場・浅場等の海洋生態系に取り込まれた炭素」。 ブルーカーボンを取り組む海洋生態系には海草藻場・海藻藻場・塩性湿地、干潟・マングローブ林があり、これらは「ブルーカーボン生態系」と呼ばれる。

 

*グリーン鋼材グリーントランスフォーメーションに応じてCO2排出量を減らし、または実質ゼロにした鋼材。前出の「グルーン水素」に同じ用語の鋼材版。

 

*「マスバランス方式」=製品の製造工程において、ある特性を持った原料とそうでない原料とが混在するとき、特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対してその特性を割り当てる方法。例えば、CO2の排出量を20%削減した鉄を5t生産した場合、マスバランス方式を使うことで、5t分のCO2削減量を1tの鉄に集め、CO2100%20%×5)削減した鉄として考えることができる。ただしこのとき、残り4tの鉄のCO2削減量は0%になる。

この方法を使うことで、現状では生産できないような二酸化炭素の排出を伴わない「カーボンフリースチール」の生産が可能となる。参考出所: (ecology-plan.co.jp)