ヤードにおける盗難自動車解体防止条例

ヤードにおける盗難自動車の解体の防止に関する条例

愛知県は「ヤードにおける盗難自動車の解体の防止に関する条例」を7月5日公布し、12月1日から施行する。届出に関する規定については同年10月1日に施行する。

条例によると、▽買い取り相手の確認▽引き取った自動車記録の保管などの義務が課され、警察官の立ち入り調査ができる。盗難の疑いがある車がヤードに持ち込まれたと判断した場合は、車の保管(10日以内)を命じる。営業停止命令や1年の懲役または50万円の罰金が科される。ただ条例は「従業員名簿の作成」(5条)を義務付け、この違反は6月以下の懲役または30万円以下の罰金を科した。業者規制としては自治体による「金属くず営業条例」があるが、愛知県は2000年3月28日廃止した。今回の「ヤード条例」は事実上の同条例の復活である(自動車を解体する業者はすべて同条の対象となる)。また従業員条項は同種のヤード条例を制定した15年施行の千葉県、17年施行の茨城県でもその例がない。

条例本文

http://www.pref.aichi.jp/police/syokai/houritsu/sekou-kaisei/kokusai/documents/joubunn.pdf

(目的)

第一条 この条例は、ヤードにおける盗難自動車の解体を防止するため必要な規制を行うことにより、自動車の盗難の防止に資することを目的とする。

(定義)

第二条 次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 ヤード 自動車解体の用に供する施設又は場所をいう。

二 自動車 道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第二項に規定する自動車(次に掲げるものを除く。)をいう。

イ 被けん引車(道路運送車両法第二条第二項に規定する自動車のうち、けん引して陸上を移動させることを目的として製作した用具であるものをいう。ロにおいて同じ。)

ロ 道路運送車両法第三条に規定する小型自動車及び軽自動車(被けん引車を除く。)であって、二輪のもの(側車付きのものを含む。)

ハ イ及びロに掲げるもののほか、公安委員会規則で定める自動車

三 盗難自動車 自動車のうち、盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物であるものをいう。

四 自動車解体 自動車の車体を切断し、又は自動車の車体から原動機その他の公安委員会規則で定める装置を分離する行為をいう。

五 自動車解体業 ヤードにおいて自動車解体を行う事業(道路運送車両法第七十八条第一項の規定による認証を受けた自動車分解整備事業を除く。)をいう。

六 自動車解体業者 自動車解体業を行う者をいう。

(届出)

第三条 自動車解体業を行おうとする者は、ヤードごとに、自動車解体業を開始しようとする日の前日までに、公安委員会規則で定めるところにより、次に掲げる事項を公安委員会に届け出なければならない。この場合において、届出には、公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。

一 氏名、住所、生年月日及び電話番号(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)

二 ヤードの名称及び所在地

三 法人にあっては、その役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。以下同じ。)の氏名、住所、生年月日及び電話番号

2 前項の規定による届出をした者は、当該自動車解体業を廃止したとき、又は同項各号に掲げる事項(同項第二号に掲げる事項にあっては、ヤードの名称に限る。)に変更があったときは、その日から十日以内に、公安委員会規則で定めるところにより、その旨を公安委員会に届け出なければならない。この場合、届出には、公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。

(標識の掲示)

第四条 自動車解体業者は、公安委員会規則で定めるところにより、ヤードごとに、公衆の見やすい場所に、氏名又は名称その他の公安委員会規則で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。

(従業者名簿)

第五条 自動車解体業者は、公安委員会規則で定めるところにより、ヤードごとに、従業者名簿(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)をもって作成するものを含む。以下同じ。)を備え、これに当該ヤードにおける業務に従事する者(役員を除く。次項において同じ。)の氏名、住所、生年月日、国籍その他公安委員会規則で定める事項を記載し、又は記録しなければならない。

2 自動車解体業者は、ヤードにおける業務に従事する者が日本国籍を有しないときは、当該者について次の各号のいずれかに掲げる事項を確認するとともに、当該者に係る従業者名簿に、当該確認に係る事項を記載し、又は記録しなければならない。

一 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二条の二第一項に規定する在留資格及び同条第三項に規定する在留期間並びに同法第十九条第二項の許可の有無及び当該許可があるときはその内容

二 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)に定める特別永住者として永住することができる資格

(確認及び申告)

第六条 自動車解体業者は、自動車解体のため、自動車を引き取ろうとするときは、その都度、次の各号に掲げる事項について、当該自動車を引き渡そうとする者(以下この条において「相手方」という。)から、当該各号に定める書類の提示を受ける方法により、確認を行わなければならない。

一 相手方の氏名、住所及び生年月日 相手方の運転免許証その他の公安委員会規則で定める書類

二 当該自動車の所有者 当該自動車に係る自動車検査証(道路運送車両法第六十条第一項に規定する自動車検査証をいう。)その他の公安委員会規則で定める書類

2 自動車解体業者は、前項の確認の結果、相手方と当該自動車の所有者とが異なるときは、相手方が当該自動車を引き渡す権原を有することについて、相手方から、委任状、道路運送車両法第三十三条に規定する譲渡証明書その他の当該権原を証明するに足りる書類の提示を受ける方法により、確認を行わなければならない。

3 自動車解体業者は、自動車解体のため、自動車を引き取ろうとする場合において、当該自動車について盗難自動車の疑いがあると認めるときは、直ちに、その旨を警察官に申告しなければならない。

(引取記録の作成等)

第七条 自動車解体業者は、自動車解体のため、自動車を引き取ったときは、その都度、公安委員会規則で定めるところにより、次に掲げる事項に関する記録を作成しなければならない。

一 引取りの年月日

二 当該自動車の種別及び車台番号並びにその所有者の氏名又は名称

三 当該自動車を引き渡した者の氏名、住所及び生年月日

四 前条第一項(第一号に係る部分に限る。)の確認の方法

五 前条第二項の確認を行った場合にあっては、提示を受けた書類の内容2 自動車解体業者は、公安委員会規則で定めるところにより、前項の記録を、当該記録を作成した日から一年間保存しなければならない。

3 自動車解体業者は、第一項の記録を毀損し、若しくは亡失し、又はこれが滅失したときは、直ちに、公安委員会規則で定めるところにより、その旨を当該記録に係る自動車を引き取ったヤードの所在地を管轄する警察署長に届け出なければならない。

(保管命令)

第八条 警察本部長又は警察署長は、自動車解体業者が自動車解体のため引き取った自動車について、盗難自動車であると疑うに足りる相当な理由があるときは、自動車解体業者に対し、十日以内の期間を定めて、当該自動車及び当該自動車から分離された物の保管を命ずることができる。

(指示)

第九条 公安委員会は、自動車解体業者又はその代理人、使用人その他の従業者(以下「自動車解体業者等」という。)が、当該自動車解体業に関し、この条例の規定に違反したときは、当該自動車解体業者に対し、盗難自動車の解体を防止するため必要な指示をすることができる。

(自動車解体業の停止命令等)

第十条 公安委員会は、自動車解体業者が前条の指示に従わなかったとき、又は自動車解体業者等が当該自動車解体業に関し次の各号のいずれかの行為をしたときは、当該自動車解体業者に対し、六月を超えない範囲内で期間を定めて、当該自動車解体業の全部又は一部の停止を命ずることができる。

一 第十六条及び第十七条の罪に当たる違法な行為

二 刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百三十五条から第二百四十一条まで、第二百四十三条、第二百四十六条から第二百五十条まで、第二百五十二条から第二百五十四条まで及び第二百五十六条の罪に当たる違法な行為

2 公安委員会は、前項の規定による命令をしたときは、公安委員会規則で定めるところにより、その旨及び当該命令の内容を公表することができる。

(土地等の貸付け等をしようとする者の責務)

第十一条 自動車解体業者(自動車解体業を行おうとする者を含む。以下この条において同じ。)に対して当該自動車解体業の用に供する土地又は建物(以下「土地等」という。)の有償又は無償の貸付け(地上権の設定を含む。以下「貸付け等」という。)をしようとする者は、当該土地等の貸付け等に係る契約を締結し、又は更新する前に、当該自動車解体業者に対し、当該土地等を盗難自動車の解体の用に供しないことを確認するよう努めるとともに、当該契約において、次に掲げる旨を定めるよう努めなければならない。

一 当該自動車解体業者は、当該土地等を盗難自動車の解体の用に供してはならない旨

二 当該土地等が盗難自動車の解体の用に供されていることが判明したときは、当

該土地等の貸付け等をした者は、催告をすることなく当該契約を解除することができる旨

(土地等の貸付け等をした者に対する勧告等)

第十二条 公安委員会は、自動車解体業者に貸付け等がなされた土地等が盗難自動車の解体の用に供されていることが判明したときは、当該土地等の貸付け等をした者に対し、当該土地等が盗難自動車の解体の用に供されないため必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。

2 公安委員会は、前項の規定による勧告をした場合において、当該勧告を受けた者が当該勧告に従わなかったときは、公安委員会規則で定めるところにより、その旨及び当該勧告の内容を公表することができる。

3 公安委員会は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、第一項の規定による勧告を受けた者に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。

(立入検査等)

第十三条 公安委員会は、この条例の施行に必要な限度において、自動車解体業者等に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。

2 警察職員は、この条例の施行に必要な限度において、自動車解体業を行っていると認められる者のヤード、事務所その他の場所に立ち入り、自動車解体のため引き取ったと認められる自動車、当該自動車から分離された物、書類その他の物件を検査し、又は関係者に質問することができる。

3 前項の規定により立入検査をする警察職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

4 第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(適用除外)

第十四条 第三条及び第四条の規定は、解体業者(使用済自動車の再資源化等に関する法律(平成十四年法律第八十七号)第二条第十三項に規定する解体業者をいう。以下この条において同じ。)については、適用しない。

2 第六条第一項及び第二項の規定は、解体業者が使用済自動車(使用済自動車の再資源化等に関する法律第二条第二項に規定する使用済自動車であって、同法第八十一条第一項の規定により同法第二条第十一項に規定する引取業者が情報管理センターに報告したものをいう。次項において同じ。)を引き取ろうとするときについては、適用しない。

3 第七条の規定は、解体業者が使用済自動車を引き取ったときについては、適用しない。

(公安委員会規則への委任)

第十五条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、公安委員会規則で定める。

(罰則)

第十六条 第十条第一項の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

一 第三条第一項の規定による届出をしないで、又は虚偽の届出をして、自動車解体業を行った者

二 第六条第一項の規定による確認をしないで、自動車を引き取った者

三 第六条第二項の規定による確認をしないで、自動車を引き取った者

四 第七条第一項の規定による記録を作成せず、又は虚偽の記録を作成した者

五 第七条第二項の規定による保存をしなかった者

六 第七条第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

七 第八条の規定による命令に違反した者

第十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

一 第三条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

二 第五条第一項の規定による従業者名簿を備えず、又は同項の規定による記載若しくは記録をせず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をした者

三 第五条第二項の規定による記載若しくは記録をせず、又は虚偽の記載若しくは記録をした者

四 第十三条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者

五 第十三条第二項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者

第十九条 第四条の規定による標識を掲げなかった者は、十万円以下の罰金に処する。

(両罰規定)

第二十条 法人の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第十六条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

附 則

1 この条例は、令和元年十二月一日から施行する。ただし、次項及び附則第三項の規定は、同年十月一日から施行する。

2 自動車解体業を行おうとする者は、この条例の施行の日前においても、第三条第一項の規定の例により、公安委員会に届け出ることができる。この場合において、当該届出は、同日以後は、同項の規定による届出とみなす。

3 前項の規定による届出をした者は、第三条第一項各号に掲げる事項(同項第二号に掲げる事項にあっては、ヤードの名称に限る。)に変更があったときは、この条例の施行の日前においても、同条第二項の規定の例により、その旨を公安委員会に届け出ることができる。この場合において、当該届出は、同日以後は、同項の規定による届出とみなす。

*千葉県特定自動車部品のヤード内保管等の適正化に関する条例

www3.e-reikinet.jp/cgi-bin/chiba-ken/D1W_resdata.exe?PROCID=1063375931&CALLTYPE=1&RESNO=823&UKEY=1564741395283

(注:警察条例ではなく、一般行政「環境保全 ・廃棄物の処理」として規制している。

*茨城県ヤードにおける自動車の適正な取扱いの確保に関する条例

http://www.pref.ibaraki.jp/somu/somu/hosei/cont/reiki_int/reiki_honbun/ao40019741.html �規定する