タケエイとリバーHDは21年3月18日、共同持株会社による経営統合を行う基本合意書を締結したと発表した。共同持株会社を10月1日に設立し同日に上場する。▽タケエイ・リバーHDの両社は5月14日、経営統合に関する統合契約書を締結して株式移転計画を公表し、新社名をTREホールディングス株式会社と発表した。pdf (eir-parts.net)
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1 両社の共同持株会社について・・・その時系列整理
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*10年7月。経団連はスズトク社長・鈴木孝雄を正規加盟会社として迎え入れ、鈴木孝雄はリサイクル新時代の幕を、経団連という大舞台で開けた。
*15年6月までにイボキン、やまたけ、マテック、青南商事の同業者及び産廃業者の中特HDを含めた7社間で戦略的提携を結び、さらに産業廃棄物処理大手の大栄環境HDと15年12月、資本金1億円・各50%出資でメジャーヴィーナス・ジャパンを設立した。
*17年10月。この流れのなかスズトクHDは、産業革新機構(INCJ)から32.3億円の出資を受け、その直後の11月1日付で社名をスズトクHDから「リバーHD」に社名を変更し、「静脈産業の再編・統合を進めプラットフォーム創出に」動き出した。
*19年9月。そのINCJが同社保有のリバーHDの全株式(770万株)を、リバーHD58.2%、ベステラ32.5%、東京鐵鋼6.7%、イボキン2.7%の割合で譲渡した。スズトク㏋は、この結果を受け、ベステラおよびイボキンの「両社の持つ経営資源とノウハウを相互に補完する体制を整えた」との評価を公表した。
*20年現在。リバーHDの上位5者の株主構成はベステラ15.01%(持分法適用関連会社)、従業員持株会8.55%、鈴木徹6.13%、鈴木孝雄5.84%、エンビプロ3.15%。
*20年11月。リバーHDの鈴木孝雄会長、エンビプロ・ホールディングスの佐野富和社長、イボキンの高橋克実社長、ベステラの吉野佳秀会長の4人による座談会(産業新聞社は紙齢2万号記念)のなかで「われわれは実に多く変化してきて、もはや鉄リサイクル業だけだとは自己認識していないと思う。当社もそうだ。すでに先進的な企業は多角化している。逆にいうと、多角化しないと成長は図れない。自分たちで言うのもおこがましいが、少なくともこの3社は鉄リサイクル業だけという認識ではなく、総合的に全てのものをリサイクルするという意識があるはずだ」と発言した。
*21年3月。鈴木氏が座談会中で「ちなみに」との形で紹介したタケエイと、この座談会直後の21年3月、同年10月を期して共同持株会社による経営統合を行うと発表した。
タケエイ1株に対し共同持株会社株式1.24株を、リバーHD1株に対し共同持株会社1株を割当てる(株式比率=タケエイ1.24。リバーHD1=55.4%対44.6%)である。
*21年5月。両社は5月14日、経営統合に関する統合契約書を締結し、新社名をTREホールディングス株式会社と発表した。pdf (eir-parts.net)
■新社名はTREホールディングス株式会社
(1) 商 号「TREホールディングス株式会社」
(2) 所在地 千代田区大手町1-7-2 東京サンケイビル15階(旧リバーHD本社)
(3)代表取締役会長:松岡 直人(旧リバーHD代表取締役社長)
代表取締役社長:阿部 光男(旧タケエイ代表取締役社長)
取締役:鈴木 孝雄 取締役:三本 守 取締役(監査等委員):石井 友二 取締役(監査等委員):大村 扶美枝 取締役(監査等委員):末松 広行
(4) 事業内容 傘下子会社及びグループの経営管理並びにこれに付帯又は関連する業務
(5) 資本金 100億円
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2 リバーHDとは何か (re-ver.co.jp)
リバーホールディングス株式会社 (設立2007年7月2日)
役員 代表取締役会長鈴木孝雄。代表取締役社長執行役員松岡直人。取締役執行役員中田光一。取締役(社外取締役)井上利夫。取締役(社外取締役)戸田博史。取締役(社外取締役)吉野佳秀。常勤監査役森健一。監査役(社外監査役)大村扶美枝。監査役(社外監査役)大嵜康弘。執行役員島元和生。執行役員山田憲男。執行役員北詰一隆
資本金 1,715百万円
■㏋によれば=創業者の鈴木徳五郎は1904年浅草松葉町に「鈴木徳五郎商店」を構え、鈴徳の第一歩が始まりました。第一次世界大戦、関東大震災、第二次世界大戦などによる大不況や本社の焼失を乗り越え、鈴徳は株式会社へと成長しました。2000年代に入り、鈴徳も複数社をグループ会社に。全20拠点、従業員数470名を超える規模となりました。
沿革
1904 |
鈴木徳五郎商店 創業 |
1935 |
株式会社鈴木徳五郎商店として法人化 |
1972 |
株式会社 鈴徳に社名変更 |
1996 |
鈴木孝雄社長が日本鉄リサイクル工業会会長に就任 |
2001 |
三菱商事株式会社(当時)と共同でメタルリサイクル株式会社を設立 |
2003 |
中田屋株式会社を子会社化するとともに、サニーメタル株式会社、フェニックスメタル株式会社、NNY株式会社、イツモ株式会社をグループ会社化 |
2007 |
スズトクHD株式会社(現リバーHD)を設立 |
2014 |
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2015 |
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2017 |
株式会社マテック、株式会社やまたけ、株式会社青南商事と連携し株式会社アール・ユー・エヌを設立。▼産業革新機構(INCJ)が第三者割当増資を実施。▼リバーホールディングス株式会社に社名を変更 |
2019 |
ベステラ株式会社および、株式会社イボキンとの業務提携契約を締結 |
2020 |
当社株式が東京証券取引所市場第二部に上場 |
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3 スズトクHDとベステラ株式会社(時系列整理)
■10年7月。経団連(日本経済団体連合会)に参加=スズトク社長・鈴木孝雄を正規加盟会社として迎え入れ、鈴木に環境安全委員会の席を用意した。鈴木孝雄は動脈産業と静脈産業の垣根を越える新時代の幕を、経団連という大舞台で開けた。
以後、鈴木は精力的に企業経営に乗り出した。まず家電リサイクルを手がけるエンビプロHDと14年12月に包括的業務提携を締結。15年6月までにイボキン、やまたけ、マテック、青南商事の同業者及び産廃業者の中特HDを含めた7社間に拡大。さらに産業廃棄物処理大手の大栄環境HDと15年12月、資本金1億円・各50%出資でメジャーヴィーナス・ジャパンを設立した(18年1月には専用工場、東京エコファクトリーを建設)。
■17年10月。スズトクHD、産業革新機構に第三者割当増資リバーホールディングス株式会社: スズトクHDと産業革新機構は、静脈産業における再編・統合のための プラットフォームを創出し、日本発の静脈メジャーの誕生を目指す | 株式会社INCJ(10月12日・㏋)=スズトクホールディングス㈱と㈱産業革新機構(「INCJ」 注)は、静脈産業における再編・統合を進めるためのプラットフォーム創出に合意し、INCJはスズトクHDの第三者割当増資を引き受け、32億3,000万円を上限とする出資を行うことを決定しました。本件の出資は、静脈産業の再編・統合を目的とした他企業の買収および統合後の費用に充当されます。これを機に、スズトクHDは静社名を変更し、新たに「リバーホールディングス株式会社」といたします」。▽スズトクHDは11月1日付で「リバーHD」に社名を変更した。
*注・INCJ=産業革新機構は、2009年7月、「産業や組織の壁を越えて、オープンイノベーションにより次世代の国富を担う産業を育成・創出することを目的に」官民合同ファンドとして設立された。最大2兆円規模の投資能力を持つ。
■19年9月。INCJ、リバーHDの株式を譲渡リバーホールディングス株式会社の株式譲渡について | 株式会社INCJ=INCJは9月3日、同社が保有するリバーホールディングス株式会社の全株式(7,700,000株)を、ベステラ株式会社、東京鐵鋼株式会社、株式会社イボキン及びリバーHDに譲渡することを決定しましたのでお知らせします。
<譲渡先と株式数> 7,700,000㈱(100%)
ベステラ株式会社 2,500,000株(32.47%)
東京鐵鋼株式会社 513,800株(6.67%)
株式会社イボキン 205,000株(2.66%)
リバーホールディングス株式会社 4,481,200株(58.20%)
■19年9月。リバーHDとベステラ社、イボキン社と業務提携(リバーHD・HPによれば)=19年9月3日、ベステラ社は、電力、製鉄、石油精製、石油化学などの大規模なプラント設備の解体工事を主たる事業とし、全国各地での多数の工事実績を持っている。▽イボキン社とは、15 年 6 月同社を含む再生資源製造業者 6 社との間で包括業務提携契約を締結した。今回さらに進んで、両社の持つ経営資源とノウハウを相互に補完する体制を整えた。
■20年2月。リバーホールディングスが東証二部上場(リバーHD・㏋)=リバーHDが17日、東京証券取引所から同第二部への新規上場の承認を受けた。新規上場に伴い同社の普通株式424万7200株を公募する。57万5600株は引受人の買取引受により売出す。鈴徳や中田屋などの連結子会社8社と関連会社2社により構成する。
■21年3月。リバーHDとベステラが連携(3月15日・産業新聞)=ベステラは、リバーHDとの連携を強化していく販売戦略を明らかにした。社会インフラ老朽化への対応も含め、動脈産業と静脈産業を連携させながら高度循環型社会の実現させるために「全国の静脈産業各社の統廃合を両社で推進していく」(担当者)方針を示した。
■20年12中 リバーホールディングスの主な株主 株探(かぶたん) (kabutan.jp)
株主名 |
持ち株 |
||
変動 |
比率(%) |
株式数 |
|
15.01 |
2,570,300 |
||
自社グループ従業員持株会 |
↓ |
8.55 |
1,463,788 |
6.13 |
1,050,000 |
||
5.84 |
1,000,000 |
||
3.15 |
540,000 |
||
3.00 |
513,800 |
||
2.40 |
410,600 |
||
2.16 |
370,050 |
||
1.93 |
330,000 |
||
1.70 |
291,500 |
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4 株式会社ベステラとは何か (besterra.co.jp)
ベステラ 株式会社とは=【BEST と TERRA(ラテン語で大地・地球の意)の合成語】<「解体の専門集団」としての矜持を持つ我々は、真剣にプラント解体業務に取り組みます>
ベステラの沿革
1947年3月 吉野春吉(現会長 佳秀の父)、土木工事業「吉野商店」(名古屋市)創業
1974年2月 プラント解体事業を主たる目的として当社設立
2015年9月 東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場
2016年10月 特定建設業許可(解体工事業)(東京都知事)を取得
2017年9月 東京証券取引所市場第一部に株式を上場
2019年9月 リバーホールディングス式会社と高度循環型社会実現に向けた資本業務提携
2020年9月 リバーホールディングス株式会社を持分法適用関連会社化・*注
*注:持分法適用範囲持分法適用会社 | 用語解説 | 野村総合研究所(NRI)=持分法の適用される関連会社は、親会社および子会社が、出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて、会社の財務や営業の方針決定に対して重要な影響を与えることができるかどうかという影響力基準によって判断されます。具体的には、(1)投資会社が被投資会社の議決権の20%以上を所有する場合、(2)議決権比率が15%以上20%未満であっても、投資会社が被投資会社に対して、代表取締役等の派遣や、重要な融資、技術提供、販売・仕入れ、その他の営業上または事業上の取引等を行っている場合が対象となります。
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5 株式会社タケエイとは何か (takeei.co.jp)
設立 1977年3月7日。従業員数 連結:1,304名 単体: 610名(2020年3月末現在)
役員構成並びに略歴 タケエイ[2151] - 役員 | Ullet(ユーレット)
■代表取締役会長=三本守 77年3月 武栄建設興業㈱(現㈱タケエイ)取締役就任。83年6月 代表取締役社長就任。2010年6月 代表取締役会長就任(現任)。
■代表取締役社長=阿部光男 2016年3月りそな銀行常務・退任。17年4月 当社入社経営企画本部副本部長就任。19年6月当社代表取締役社長就任(現任)
■専務・営業本部長兼戦略営業部長=小池陽二 84年1月 佐川急便㈱退社。84年2月 泰武興運㈱入社。89年4月 当社転籍。18年11月取締役戦略営業部長就任(現任)
■常務・管理本部長兼人事総務部長 吉富英郎=1956年1月27日生。2003年11月 ㈱りそな銀行退社。13年6月常務執行役員管理本部長兼人事総務部長就任(現任)
■常務・事業本部長=粕谷毅 1982年4月 武栄建設興業入社。2004年4月神奈川事業部長就任。11年7月 ㈱リサイクル・ピア取締役営業部長就任。14年6月 ㈱池田商店代表取締役社長就任。18年6月 当社常務執行役員事業本部長兼川崎リサイクルセンター長就任。
沿革
1967年 2月 神奈川県川崎市で藤本武志(前当社会長)が個人事業を開始
1977年 3月 武栄建設興業(株)(現(株)タケエイ)設立(神奈川県横浜市)
1987年 3月 大木戸最終処分場(安定型、千葉県千葉市)の実質運営を開始
1988年 10月 (株)タケエイに商号変更
1992年 9月 江戸川区にタケエイ本部ビル完成、本社機能移転 (2008年港区に本社移転)
2007年 5月 東京証券取引所マザーズ市場に上場(5月30日~ごみゼロの日)
2012年 7月 東京証券取引所市場第一部へ市場変更
2013年 1月 鉄・非鉄スクラップ等の (株)金山商店(現(株)タケエイメタル)子会社化
2014年 6月 環境プラント、車輌等の開発・製造・販売を行う富士車輌(株)子会社化
事業所・関連会社(以下はウキペディア情報)=*千葉営業部*東北支店。■リサイクルセンター *東京リサイクルセンター。*川崎リサイクルセンター。*四街道リサイクルセンター*塩浜リサイクルセンター。■最終処分場 *成田事業所。*大木戸事業所。■主な関連会社*株式会社北陸環境サービス。*株式会社ギプロ。*富士車輌株式会社*株式会社信州タケエイ。*株式会社タケエイメタル。*株式会社津軽バイオマスエナジー。*株式会社花巻バイオマスエナジー。*株式会社大仙バイオマスエナジー。
■タケエイの主な株主 20年9月 |株探(かぶたん) (kabutan.jp)
株主名 |
持ち株 |
||
変動 |
比率(%) |
株式数 |
|
日本カストディ銀行(信託口) |
↓ |
14.01 |
4,009,000 |
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) |
↑ |
12.18 |
3,485,000 |
↓ |
6.02 |
1,722,000 |
|
↑ |
3.47 |
993,000 |
|
自社(自己株口) |
↓ |
2.56 |
733,100 |
|
2.16 |
618,000 |
|
|
1.73 |
496,000 |
|
↓ |
1.67 |
478,000 |
|
↓ |
1.58 |
453,000 |
|
↓ |
1.57 |
450,000 |
|
↓ |
1.40 |
402,000 |
***
6 「金属リサイクル 未来への展望」 上場大手各社首脳座談会 (japanmetal.com)
産業新聞20年11月18日、19日、20日、24日・4回連載。
*産業新聞社は紙齢2万号記念として、上場を果たしたリバーホールディングスの鈴木孝雄会長、エンビプロ・ホールディングスの佐野富和社長、イボキンの高橋克実社長、同3社と関係が深くプラント解体事業などで上場したベステラの吉野佳秀会長の4人による座談会を開き、現在の問題を解き明かし未来への展望を探った(以下はその引用・抜粋である)。
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11月18日
佐野 「当社は1950年に父が創業し、私は2代目。90年ごろには鉄スクラップが国内で余り始め、メーカーの『枠制限』ではほとんど枠がもらえない状況だった。そこで貿易部をつくろうと考え、アメリカで人事募集広告を出した。92年に貿易部をつくってもらった。シュレッダーを入れたのが97年。当時はダスト問題が激しく、周りはシュレッダー導入に非常に懐疑的だったが、それでもシュレッダーを入れた。これらが当社の分岐点になった時期だ」
高橋 「当社は49年に祖父が始めた。三男の父が73年に独立して創業したのがイボキン。私は大学を出て津田鋼材(現三井物産スチール)に入社した。父が健康を崩したことをきっかけにイボキンに入社し、鉄スクラップを手伝うようになった。当時は3K職場で『うちのお父さんの会社こんなんやで』と友達に言えるような会社にしたいと思った。同業者がISO14001というものを業界で取得したという。その企業が、佐野マルカ商店(現エンビプロ・ホールディングス)だった。すぐ電話して佐野さんも口添えしてくれた。99年のことだった」
鈴木 「私は劇的な過去というのはないから。お二人は2代目ですよね。日本の鉄スクラップ業の今の社長クラスの人員はほとんどが2代目だ。ただ当社は創業が1904年で、世代でいうと3代目。佐野さんや高橋さんとは時間の流れが違うけど、この3社が上場に至った。そしてきょう同席してもらっているベステラの吉野さんと4人で普段から仲良くさせてもらっている」
吉野 「佐野さんの紹介で鈴木さんと知り合いになれて、今は同志のような気持ちでいる。静脈産業をさんぜんたる動脈産業のようにするにはどうすればいいか考えたい、一緒にやらないかといわれ、最後の仕事になるかもしれないが、やろうじゃないかと思っている」
吉野 「私は18歳から名古屋でスクラップを扱っていたが、飯が食えなかった時代が長くて、どうやったらいいかと思い、解体をするとスクラップを作りながら仕事ができることに気づいた。その後、どうしたら強い会社をつくるかと悩んだ時、機械も工場も設備も持たない経営、すなわち『考える経営』をしようと思った。そうしたら上場も見えるのではないかと」
鈴木 「今日の座談会の参加者は、鉄スクラップ系の上場企業という仕分けからこの3社だと思ってくれたわけで、ベステラさんは建設業ですね。ちなみに(総合環境企業を目指す)タケエイさんという会社はサービス業です。つまり、静脈産業という項目は株の世界にないんですよ。佐野さんと高橋さんが沿革を話してくれたように、われわれは実に多く変化してきて、もはや鉄リサイクル業だけだとは自己認識していないと思う。当社もそうだ。
当社は資源リサイクル業・資源再生業だと思っている。あらゆるものをリサイクルする。共通項は製品が廃棄されたらそれを原料に戻す、という点。新しい業態としてくくっていくのがおそらく株の世界でも起こっていくのでは。すでに先進的な企業は多角化している。
逆にいうと、多角化しないと成長は図れない。自分たちで言うのもおこがましいが、少なくともこの3社は鉄リサイクル業だけという認識ではなく、総合的に全てのものをリサイクルするという意識があるはずだ」
以上
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7 リバーHD 21年9月29日をもって上場廃止
タケエイとリバーHDは21年3月18日、共同持株会社による経営統合を行う基本合意書を締結したと発表した。共同持株会社を10月1日に設立し同日に上場する計画だ。
▼本株式移転のスケジュール
統合契約書締結及び株式移転計画作成 (両社) 2021年5月14日 (予定)
▼上場廃止及び共同持株会社の上場(㏋) 共同持株会社の株式は、東京第一部に新規上場申請を行う予定です。上場日は21年10月1日を予定。また両社は本株式移転により共同持株会社の完全子会社となりますので、21年9月29日をもって上場廃止となる予定です。
▼統合予定日(共同持株会社設立登記日) 2021年10月1日 (予定)
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8 冨高コメント
資料に明らかなようにエンビプロHDの佐野富和社長、イボキンの高橋克実社長、ベステラの吉野佳秀会長は共にリバーHDの株主である。リバーHDは17年10月、産業革新機構(「INCJ」)から32.3億円の出資を受けた。そのINCJが19年9月、同社保有のリバーHDの全株式(770万株)の32.4%、250万株をベステラに譲渡したことから関係が始まった(20年12月。ベステラはリバーHDの筆頭株主15.01%)。また鈴木氏が21年11月産業新聞の関係者座談会中に「ちなみに」との形で紹介したタケエイとは、この座談会直後の21年3月、同年10月を期して共同持株会社による経営統合を行うと発表した。
鈴木氏は「われわれは実に多く変化してきて、もはや鉄リサイクル業だけだとは自己認識していないと思う当社は資源リサイクル業・資源再生業だと思っている。あらゆるものをリサイクルする。共通項は製品が廃棄されたらそれを原料に戻す、という点。新しい業態としてくくっていくのがおそらく株の世界でも起こっていくのでは。すでに先進的な企業は多角化している。逆にいうと、多角化しないと成長は図れない。自分たちで言うのもおこがましいが、少なくともこの3社は鉄リサイクル業だけという認識ではなく、総合的に全てのものをリサイクルするという意識があるはずだ」(上記座談会)と言う。
鈴木氏は業の多角化を求めて、INCJの出資を受け入れ、ベステラ、タケエイの持株比率のアップと引き換えて(会社としての)「業の多角化」を達成した。
以上