最近の鉄スクラップ関連ビジネス(その実際・19年6月6日現在)

<シュレッダー設備企業の動き>

■青南商事、家庭向け無人資源ごみ回収施設をオープン(日刊市況6月4日hp)=東北6県で総合リサイクルを手掛ける青南商事は5月30日、家庭向け無人資源ごみ回収施設「リサイクルモア仙台泉店」をJAVA仙台泉店駐車場にオープンした。金属製品や小型家電製品、雑誌や段ボールなどを無料回収施設。利用者はその場で発行される会員カードを使い、資源物ごとに設置されている回収ボックスに持ち込んだ資源物を投入。資源物の種類や重さに応じてポイントが加算され、ポイントはクオカードなどに交換できる。同社は17年、弘前市内に1号店を開設以降、青森県内に3店舗を展開。今後東北全域で約20店舗に展開する計画。

■平林金属、太陽光パネルリサイクルライン開設・19年2月(日刊市況hp)平林金属は2月、リサイクルファーム御津第2工場内に太陽光パネルリサイクルラインを開設し、パネルリサイクルの研究プロジェクトをスタートする。J-Box装置、アルミフレーム除去装置、ガラスを加工処理するエヌ・ピー・シー製の分離装置を導入した。装置導入に関しては省CO2型リサイクル等高度化設備導入促進事業に平成30年度から新たに追加した太陽光パネルリサイクル設備導入事業が適用され、全国で初めての第1号事例となった。

▼樹脂選別ラインを導入・19年1月平林金属のグループ会社であるヒラキンは、リサイクルステージ玉島に樹脂選別ラインを導入した。シュレッダーダストの処分費削減、シュレッダー加工後に発生するミックスプラスチックの良質化を図った。

▼古紙リサイクル新工場開設・18年12月=平林金属は西大寺工場内に古紙リサイクル施設の新工場C棟を建設、12月3日に稼動した。古紙の扱い数量が月間350㌧になるなど堅調に推移していることから、古紙リサイクル事業に注力するため建設した。新工場は鉄骨平屋建てで、敷地面積2170.74平方メートル。同社が展開する一般家庭向けの資源集積拠点えこ便やeポストなどで回収した古紙を中心とするリサイクル施設になる。

■三木鋼業(香川県)、ASR再資源化事業を強化・18年10月(日刊市況hp)三木鋼業(本社=香川県高松市、三木孝彦社長)の坂出工場は10月5日、自動車破砕残渣リサイクル促進チームARTから発生するシュレッダーダストの再資源化処理を開始した。THチームと合わせて、破砕処理された全ての自動車から発生するシュレッダーダストの受け入れ及び再資源を実現した。▼シュレッダーを完備した坂出工場、使用済み自動車をメーンに扱うカーツ四国、大阪府堺市に関西支店を展開する。坂出工場ではシュレッダー母材約5,000㌧を扱い、7月2日に四国初のASR再資源化施設に登録。17年12月にはじゅんかんコンビニ24を開設、さらに古紙ベーラーを導入して新たに古紙リサイクルをスタートさせるなど様々な事業を行っている。▼19年4月末日、坂出工場にナゲット機を追加導入(2基体制)。同社は使用済み自動車の解体事業を手掛けており、作業の効率化を図るため、追加導入を決めた。

■巖本金属、愛知川工場のASR再資源化施設が本格稼働・19年10月(日刊市況hp)巖本金属は、ASR再資源化施設の指定引取り場所として愛知川工場が認定を受けた。中国向け雑品輸入規制により、SR排出量が増加したことで都市部近郊の最終処分場の受入量がひっ迫。引取価格上昇と遠隔地へ搬送が増加し、全国的にダスト処理問題が懸念される中での施設稼働となった。同工場に新たな約300坪の建屋2棟を新設し、選別機などの処理プラントを構築。既存の2,200馬力大型シュレッダーで処理後のダストに含まれる銅・アルミ・ステンレス・真鍮などの回収強化と付加価値の向上、そして最終的なダストの大幅低減を目指す。

■九州メタル産業、流動層ミックスメタル選別機を開発(19/4/22・産業新聞)­=西日本鉄道の100%子会社でシュレッダー業者大手の九州メタル産業(白水清隆社長)と三井松島グループで資源調査や選別機など産業機械設備設計・製作の「MMナガタコールテック」が連続式の流動層ミックスメタル選別機を共同で開発。九州メタル産業に第1号機を設置。

■アルメック、ナゲットラインを増設(19/4/8・産業新聞)=アルメック(愛知県豊明市)は豊明工場にナゲットラインを増設した。昨年から加速している豊明工場の非鉄リサイクル機能強化施策の一環で、加工量を現行の50トンから100トンに引き上げる方針だ。

■カネムラエコワークス、世界最大の非鉄光学選別プラント建設(19/3/5・産業新聞)=カネムラエコワークスはセンサー選別機(ファインダー)など8基を並べた世界最大の非鉄金属ソーティングプラントを建設した。シュレッダープラントから排出される重ダスト(ミックスメタル)中のアルミ・銅・電子基板などを回収する。処理能力は1時間当たり8㌧。

■鈴木商会、レアアースリサイクルを3社連携で世界展開(19/3/5・産業新聞)=鈴木商会(本社=札幌市、駒谷僚社長)は4日、シーエムシー技術開発(本社=岐阜県各務原市、河邉憲次社長)と香港のグローバルリサイクル企業、斉合環保集団(CEG)と3社連携し、世界市場でネオジム磁石の回収、分離リサイクルに取り組むと明らかにした。

■鈴木商会、中国・CEGとパートナーシップ締結・18年12月(日刊市況hp)=鈴木商会(札幌市)は、中国総合リサイクル大手のChiho Environmetal(香港、以下CEG)と日本市場向けアルミ地金の販売及びその他事業に関する戦略パートナーシップ契約を11月28日に締結した。CEGのアルミ地金販売やその他複合的なリサイクルの日本側の窓口となる。CEGは、EU、米国、メキシコなど世界12カ国に自社ヤードを構え、中国と香港に合計4つの加工工場を保有。18年再生資源量は510万㌧を誇る世界的なリサイクル大手だ。再生資源から生成するアルミ地金の製造能力は年間12~18万㌧。提携により日本向けの供給も開始する。

■マテック、K・Mウイング製コンテナを導入・19年3月(日刊市況hp)=マテックがK・Mウイング製コンテナを導入するのは6度目で、今回は4㌧アームロール車用ワンタッチ開閉式天蓋シート付コンテナを導入した。K・Mウイングの「フラトン」はスウェーデン鋼を使い、補強材を減らし、空気抵抗が少なく頑丈で軽く燃費を削減できるなどの特長を持つ。

■エンビプロ・グループの動き

*エコネコル、航空機のリユース・リサイクル事業へ進出(同社5月16日hp)

https://www.econecol.co.jp/news/2019/news190516.pdf

日本国政府専用機「ボーイング 747-400」の売買契約締結に関するお知らせ ~航空機のリユース・リサイクル事業への進出=エコネコルは自衛隊の入札に参加し、日本国政府専用機「ボーイング 747-400」2機を落札し、19 年5月 15 日に売買契約を締結した。

*エンビプログループの東洋ゴムチップがRE100工場へ・19年5月=ゴム工業資源の有効活用を行う東洋ゴムチップ(本社=群馬県前橋市、桑原厚二社長)は1日から事業で使用するエネルギーを100%再生可能エネルギーとする「RE100工場」となった。エンビプロは18年7月、事業電力を100%再生可能エネルギーでの調達を掲げる「RE100」にリサイクル業界としては世界で初めて加盟。2050年までに事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指しており、目標達成の一環として今回の施策を実行した。
*アビヅ、設備・プラント処分元請事業に参入・19年4月=中部地区で金属リサイクル事業を展開するアビヅ(エンビプロのグループ会社)は、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)およびSMFLみらいパートナーズと3社で設備・プラント処分元請事業に参入する。 アビヅとSMFLみらいパートナーズが合弁会社「株式会社SMART」を設立。SMFLのリース期間満了物件や顧客で不要となった機械・設備や再使用できないものを金属スクラップや廃プラなどの有価物と産業廃棄物に仕分け、適正リサイクルを行う計画だ。

*エコネコル、焼却灰からの貴金属回収システムで特許取得・19年4月(日刊市況hp)=エコネコルは今年1月に焼却灰から貴金属を回収する一貫ラインが稼働、同時に「焼却灰からの貴金属回収方法及び装置」の特許も取得した。都市ごみ焼却灰については、5年ほど前に機械メーカー、セメント会社、大学などで研究会を立ち上げ共同研究し、大手セメント会社の工場には実証実験プラントが昨年稼働している。▼多摩ニュータウンと落じん灰の買取契約・19年5月=多摩ニュータウン環境組合(構成市=東京都八王子市、町田市、多摩市)と「鉄屑等売却単価契約」を締結した。特許技術を用いて貴金属の回収を行う。落じん灰の有価買取契約は、鳥取中部ふるさと広域連合、印西地区環境整備組合に続き3件目。

*エンビプロ、電炉メーカー向け副資材を開発(19/2/25・産業新聞)=エンビプロHDは2月22日、19年6月期第2四半期の決算説明会で、高炉向け鉄鋼副資材に加えて、電炉が使用できる新たな副資材を開発し、拡販を図る方針。鉄鋼副資材は自動車シュレッダーダスト(ASR)などを主体に製造。サイズは高炉メーカー向けとほぼ同様という

■リバーHDの動き

*リバーHD、ブックオフと提携し小型家電回収サービス・18年9月(日刊市況hp)リバーHDは、大手買取業者のブックオフコーポレーションと連携し小型家電の回収サービスを9月からブックオフ3店舗で開始した。リサイクル引取料金はパソコンや電話機など特定品目は無料。小型家電200円。中型家電500円、大型家電2,000円、特大型家電は5,000円。

*メタルリサイクル、自治体に環境コンサルティングサービス=リバーHDグループのメタルリサイクルは、都道府県や市町村などに対して、一般廃棄物処理施設等に係る調査・計画・工事監理など環境に関するあらゆる課題を解決するトータルソリューション企業を目指す。

*リバーHDの本社新築計画、国交省の省CO2先導事業に採択・18年8月=リバーHDの本社新築計画が、国交省の平成30年度サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)に採択された。一般部門 「新築」区分での採択。評価委員会は「ビジュアルプログラミングなどの新たな設計手法を積極的に活用し、意欲的なデザインで自然採光等に取り組み、省CO2と快適性・健康の両立を目指す取り組みは、環境設計のプロセスとしても先導的」と評価した。

<一般鉄スクラップ企業の動き>

扶和メタル、合弁会社「扶和ドローン」設立(19年4月・日刊市況hp扶和メタルは成長戦略の一環として、ドローンソリューションズ(宮崎県)との合弁で4月から扶和ドローン(本社=大阪市)を設立した。扶和ドローンでは扶和メタルが約1億円を投じて、ドローン本体や最新のレーザー計測器、測量データ解析ソフトなどを導入。ドローンのプロパイロットを全国6ヶ所(宮崎、熊本、徳島、大阪、東京、山形)に配置し、官公庁を主体にゼネコンなど向けに高精密3次元データを提供する。3年後に売上高3億円を目す。

■三木資源(徳島県)、兵庫県と島根県の産廃処理関連会社を2社買収・19年4月(日刊市況hp)=18年12月に、木くずやプラスチックを引き取って、固形燃料などのリサイクル事業を手掛ける住野商店(本社=兵庫県明石市)とそのグループ企業で産業廃棄物最終処分場を所有するカミタグリーン(本社=島根県出雲市)の2社を買収。両社の社長には三木社長が就任した。売上高は三木資源が14億2千万円(18年7月期)、住野商店が6億6千万円(18年12月期)、カミタグリーンが4440万円(18年9月期)。*太陽光パネル設置・19年5月=小松島支店に太陽光パネルを設置。4月から売電事業を開始した。中国の雑品輸入禁止によって活用しなくなった敷地の半分強の約1200坪に太陽光パネルを設置した。

■PVテクノサイクル、太陽光パネルリサイクル事業に注力・3月25日(日刊市況hp)同社は太陽光パネル自動解体メーカーのエヌ・ピー・シーとリサイクル・産業廃棄物処理事業を行う浜田(本社=大阪府高槻市、濵田篤介社長)との合弁会社。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の採択を受け、共同研究によって実用化した、ガラスを割らずに分離できるホットナイフ分離法を活用。パネル回収や解体処理、選別ガラスやアルミなどの原料販売業務を浜田、解体ラインの製造や検査などをエヌ・ピー・シーが担当する。

新英金属、産廃事業を拡充(18/12/6・産業新聞)=新英金属は、四日市工場の建屋や設備などを再編し産廃事業の拡充を図る。産廃事業はギロチン残土処理を行っているグループ企業、新英エコライフが主導するもので、来年以降、プラスチックや紙など多様な産廃処理を視野に新規設備を導入。全社的な総合リサイクル事業化を推進する考えだ。

■中部地区、松山商店と大成金属が資本業務提携(19/1/31・産業新聞)=中部地区の有力金属企業、松山商店(本社=名古屋市、金沢秀男社長)と大成金属(名古屋市、伊藤弘之社長)は、1月23日付で資本業務提携を結んだ。松山商店が大成金属の一部株式を取得する(取得数は非公表)。収集運搬・加工処理・品質管理・輸送納入の各分野で連携を深める。

レアメタル、廃プラ、その他

■埜村自動車商事、プロバスケットボールチームのオフィシャルパートナーに(日刊市況5月31日hp)=自動車解体と中古部品売を手掛ける埜村自動車商事は、プロバスケットボールチームで大阪エヴェッサのオフィシャルパートナーに参加した。同チームは大阪市に本拠地を置き、B.LEAGUEに所属しており、日本初のプロバスケットリーグの初代チャンピオン。

■三菱マテリアルと日本磁力選鉱がコバルト、ニッケル等のリサイクル技術を共同開発・19年8月(日刊市況hp)=三菱マテリアルは20日、リチウムイオン電池に含まれるコバルトやニッケルなどのリサイクル技術を、日本磁力選鉱と共同で開発すると発表した。両社は三菱マテリアルが開発したリチウムイオン電池らコバルト、ニッケルを回収する精製装置を、日本磁力選鉱のひびき工場内に設置する予定。熱分解からコバルト、ニッケルの回収までを行うリチウムイオン電池リサイクル設備を年度内に稼働させる。

■リネット、名古屋でパソコン解体(19/5/21)リネットが2月、年間60万台のパソコン解体を目指して小型家電の回収・解体センターを開設した。広さは約3000㎡。これまで外部事業者に委託してきた解体作業を自前で実施できるよう体制を整えた。▼リネットは00年に黒田武志社長がトヨタ自動車を退職後、設立した。ブックオフのフランチャイズ運営を経て14年に現在の社名に変更。16年に東証マザーズ市場に上場した。18年9月期はリサイクル事業が寄与し売上高は45億3500万円と前の期比22%伸びた。カンボジアでの中古車のリース販売や小口融資にも乗り出している。▼背景にあるのが「都市鉱山」の広がりだ。佐川急便と提携し不要になった小型家電を宅配便で回収する仕組みを構築。京都市や横浜市など約200の自治体と連携し回収数を急速に増やしている。ただ本業の中古品売買市場では強力なライバルが台頭する。リサイクル事業をどう伸ばすかが今後の成長を左右する。

■阪和興業、タイで金属リサイクル事業ライセンスを取得(19/5/21・産業新聞業)=阪和興業は20日、阪和タイの子会社、阪和メタルズが、タイで金属リサイクル事業ライセンスを4月30日に取得したと発表した。現在、工場を建設中で20年4月稼働の予定。

豊田通商など3社がリサイクルプラスチック製造会社を設立・19年4月(日刊市況hp)豊田通商はヴェオリア・ジャパン、小島産業と共同で、リサイクル施設などから回収したプラスチックを再資源化する株式会社プラニック(静岡県御前崎市)を設立。プラスチックの「Car to Car」リサイクル技術を持つGalloo Plasticsから技術供与を受け、日本初の高度比重選別技術を活用してリサイクルプラスチックの製造を目指す。従業員は約40名。

ダイハチ、海外視察団の工場見学会を実施・18年9月(日刊市況hp)ダイハチ(本社=神戸市東灘区、武本京子社長)は8月30日、国際協力機構(JICA)が主体となって海外視察団の工場見学会を実施した。カザフスタン、コソボ、モンゴル、セルビア、チュニジアの計5ヶ国、6名が参加した。工場内で参加者らは天井クレーンを使った鉄スクラップの荷降ろし、使用済みアルミ缶のプレス加工、非鉄スクラップのガス切断、剥線機を使った被覆線処理の作業風景を見学。銅線付着ダストの除去作業を実演した。