■家電リサイクル法=正式名称は「特定家庭用機器再商品法」(01年4月から施行)。市民を排出者、家電販売店等を収集・運搬者、家電メーカー等を再商品化義務者とし、処理料金は排出時にユーザーが負担する(「前払い」制)。受け渡しは電子「管理票」で行い、家電メーカーには「自らが過去に販売した商品」につき引取り・再商品化責任を負う。対象はエアコン、冷蔵庫、ブラウン管テレビ、洗濯機の4品種。09年4月から液晶・プラズマテレビ、衣類乾燥機の2品種を追加した。▼中古品は廃棄物ではない=法2条5項は「この法律において『特定家庭用機器廃棄物』とは、特定家庭用機器が廃棄物となったものをいう」から、その反対解釈として「中古品」として再利用する場合は、その対象とならない。これが廃家電引き取りのグレーゾーン、脱法の格好の材料となった。このため家電製品に係わる「廃棄物」の見直しが急がれた。
http://www.env.go.jp/recycle/kaden/index.html
■使用済み家電と「廃棄物」:環境省通知=環境省は12年3月19日、中古品としての価値が明らかに認められない回収品は廃棄物に当たると通知した。同法の許可を受けていない回収業者が「廃棄物ではない」と主張して回収することを防ぐのが狙いで、不正業者の排除を目指した。
http://www.env.go.jp/council/former2013/03haiki/y030-kondan21/mat08.pdf
■通知の内容=(1)①中古品としての市場性が認められない場合(年式が古い、通電しない、破損している、リコール対象製品である等)又は再使用の目的に適さない粗雑な取扱い(雨天時の幌無しトラックによる収集、野外保管、乱雑な積上げ等)の場合、(家電リサイクル法該当品)は廃棄物に当たる。②廃棄物処理基準に適合しない方法による分解、破壊等の処分の場合は脱法的な処分を目的としたものと判断されることから、占有者の主張する意思の内容によらず、その使用済特定家庭用機器は廃棄物に当たる。
(2)使用済家電製品についても無料、又は低廉な価格で買い取られる場合であっても、直ちに有価物と判断されるべきではなく総合的、積極的に廃棄物該当性を判断する。
■家電雑品輸出に関する規制=環境省は12年9月28日、「使用済家電製品の不法輸出防止のための行政指導・取締の徹底」を通知した。▼3月に通知した「使用済家電製品の廃棄物該当性の判断」に基づき、家電リサイクル法以外の家電製品も、物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案し、廃棄物該当性を積極的に判断し、輸出は環境大臣の確認を必要とする。違反した場合は未遂でも処罰する(5年以下の懲役若しくは1千万円以下の罰金、又はその両方)。▼環境省は13年9月20日、「使用済み電気・電子機器の輸出時における判断基準」のお知らせと14年4月1日からの適用を告示した。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=15762
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=17151
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=23042&hou_id=17151
http://www.env.go.jp/recycle/yugai/hinmoku.html#09
■使用済み電気・電子機器の輸出時・中古品判断基準(バーゼル法対応。14年4月から適用)
■目的=リユースに適さない使用済み電気・電子機器が輸出され、有害物質の含有量等によってはバーゼル法の適用となる懸念がある。「使用済み電気・電子機器をリユース目的で輸出しようとする者は、自らバーゼル法に基づく輸出の承認を要しないことを確認し、税関に申告時等に証明すること」が求められる。▼環境省は13年9月20日、「使用済み電気・電子機器の輸出時における判断基準」のお知らせと14年4月1日からの適用を告示した。
■判断基準範囲=家庭で使用した電気・電子機器(事業者が事務活動で使用の電気・電子機器を含む)をリユース目的で輸出する場合に適用。電気・電子機器等を内蔵するパチンコ台等の遊技機器(構成部品である電気・電子機器を含む)及び車から取り外し可能なオーディオ等の電気・電子機器をリユース目的で輸出する場合に準ずる(環境省HP)。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=17151
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■小型家電リサイクル法=電子機器の小型化、機能の高度化に伴いその小型・高機能を支える添加材や製造・加工工程でレアメタル、レアアースの需要が急激に高まってきた。レアメタル、レアアースの生産、供給は特定国に偏在するため国家戦略が求められた(09年レアメタル確保戦略)。戦略の4本柱の一つとして海外資源の確保とともに国内でのリサイクル拡充が掲げられ、レアメタルなど希少・貴金属を含有する小型家電リサイクルの可能性が追求された。「使用済小型電子機器等の再資源化促進法」として国会に上程され、13年4月1日から施行された。
<法の特徴>
1 市町村に分別回収責任=自動車リサイクル法や家電リサイクル法は不法投棄防止と適正処理を担保するため「マニュフェスト(伝票)」制度を採用し、排出者に費用負担を求めた。小型家電法は「市町村は分別して収集」(5条)として市町村が直接、分別し収集する。
2 業者認定=収集運搬・処分を行う事業者は大臣認定を受ける必要がある(10条)。
3 処理法除外特例=認定業者は、一般廃棄物収集運搬業、一般廃棄物処分業、産業廃棄物収集運搬業及び産業廃棄物処分業の許可は不要とする(13条)。
4 債務保証特例=施設整備調達の円滑化を図るため、認定業者「産業廃棄物処理特定施設の整備促進法」に基づき債務保証等の対象とする(14条)。
http://www.env.go.jp/recycle/recycling/raremetals/law.html
小型電子機器等リサイクル・実施状況
平成27年度「小型電子機器等リサイクルシステム構築実証事業」(再資源化事業者提案型)者(決定通知)
http://www.env.go.jp/press/101020.html
認定事業者および連絡先一覧
http://www.env.go.jp/recycle/recycling/raremetals/trader.html