鳥取県「使用済物品放置防止条例」案を可決・成立(追加)

鳥取県「使用済物品等放置防止条例(届出制)」を可決、16年4月施行

鳥取県は15年11月議会で、「無料回収」を掲げる業者が不要家電製品や鉄くずなど不用品を屋外で大量に保管し、生活環境を悪化させるケースに対し適正な管理を求める条例(「使用済物品等の放置防止に関する条例」)を提出し、12月可決した。16年4月から施行する。廃棄物処理法など既存の法令では指導が難しいため。同県は金属営業条例を57年(昭和32)制定したが、2005年(平成17)廃止していた(16年1月追加)。

条例全文 http://www1.g-reiki.net/tottori/reiki_honbun/k500RG00001851.html

▽制定目的(1条)=「使用済物品等の放置防止」による生活環境の保全。

▽対象物(2条)=「一度使用されたもの」(農業用自動車やバイク各種廃家電、廃タイヤ及び「金属及び金属以外のいずれもが含まれる物品」)、今後規則が定める。

▽使用済物品とその生活環境の保全責務=3条・県民の責務。4条・事業者の責務。5条・土地所有者の責務・6条・県の責務。

▽使用済物品回収業者(7条)=予め下記記載事項を県に届け出ること(届出制)。

・氏名住所。・収集又は運搬を行う使用済物品の品目、数量。・使用済物品を保管する場所、期間、方法。・事業計画。・変更届け。

▽屋外保管基準(8条)=*保管場所:囲いの設置、保管関連掲示板の掲示。*保管方法:飛散、流失、地下浸透等の防止、高さ制限等。・鼠、害虫等の発生防止。・その他、規則で定める基準。*運搬基準:飛散流失防止の構造、設備車両。・運搬車両である旨の表示・その他、規則で定める基準。*使用済物品は廃棄物になったときは「遅滞なく」処分すること。

▽記録の作成(9条)=取引年月日。・品目、数量。・3年間の保存義務。

▽業の廃止事前届出と適正処分義務(10条)=使用済物品を適正に処分すること。

▽使用済物品放置禁止と通報(11条)=使用済物品または放射性物質の屋外放置禁止。

・前項の放置を「発見した者は、通報することができる」

▽報告及び検査(12条)=報告及び資料提出を求め、9条の品目、数量を検査できる。

▽指導助言(13条)=使用済物品の収集、運搬または保管する者に、指導・助言できる。

▽改善命令(14条)=屋外保管基準(8条)の違反と認定した場合、必要な措置を命じる。

・10条の適正処分義務違反と認定した場合、移動、処分その他必要な措置を命じる。

▽規則への委任(15条)=必要な事項は規則で定める。

▽罰則(16条)=14条違反は「20万円以下の罰金」

▽両罰規程(17条)=違反者とともに法人も罰する。

▽過料(18条)=以下の者は5万円以下の過料に処する。*7条、10条の「届出をせず、または虚偽の届出をした者」。*9条の「記録を作成せず、または虚偽を作成した者」。*9条の「記録を保存しなかった者」。*12条の報告及び資料提出をせず、もしくは虚偽の報告及び資料提出を提出し、検査を拒み、妨げ、忌避した者」

***

▽鳥取県庁=〒680-8570 鳥取市東町1丁目 220 TEL0857-26-7111 担当部署=循環型社会推進課。

■解説=古物営業法は、取締対象は個別で明示(2条)し、金属類は法の対象としていない。そのため自治体のなかには金属スクラップの取引業に関し、許可もしくは届出制とし、何らかの規制を行う「金属営業条例」を制定しているところもある(現在16道府県)。隣の島根県や近隣の岡山、山口県は同条例を持っているが、鳥取県にはない。ただ、最近では新参の「無料回収」の広がりが既存の先発業者との間で軋轢をおこしている。これが今回の新条例制定の背景の一つともなっている。なお、本HPの*「無料回収」と「無許可営業」を考える(7月改訂)及び*金属営業条例とは何か、*千葉県ヤード内適正保管条例、を参照してください。