■H2炉前価格(鉄源協会・4月23日)=4月第3週:関東40,833円(先週40,833円)。前年同期47,833円。▽関西38,750円(先週38,875円)。前年同期47,625円。
■異形棒鋼価格(鉄源協会4月21日):4月第3週=東京110,000円(先週110,000円)。▽大阪99,000円(先週99,000円)
■東京製鉄、4月23日から、宇都宮を除く6拠点で500円下げ(4月22日)=東京製鉄は4月9日から「下げ」に転じ、9日、10日、18日、22日に続いて23日から田原と名古屋サテライト価格を500円下げた。この結果、特級価格は、田原(海上・陸上)=42,000円、名古屋サテライト(陸上)=41,000円、岡山(海上・陸上)=41,500円、関西サテライト(陸上)=41,500円、高松(陸上)=39,500円、九州(海上・陸上)=41,500円(500円下げ)、宇都宮(陸上)=41,000円となった (tokyostee.co.jp)
■米国コンポジット・プライス、直近2週間で40㌦下げる(4月23日)=4月21日付け米国コンポジット・プライス(ピッツバーグ、シカゴ、フィラデルフィア3地区平均)は前週比14.00㌦続落しロングトン当たり348.33㌦で、ここ2週間で30.00㌦下げた。コンポジット価格は、トランプ大統領就任前の1月13日を起点に先々週まで合計75.00㌦上昇したが、鉄鋼を巡る世界的な不透明感から大きく値下がりした。
■世界の貿易相場は、トランプ・ショックから大幅続落(4月22日)=直近(4月21日)のトルコ向けHMS(80:20)バルク指数は338.00㌦CFRとここ3週間で44㌦下落した(3月28日382㌦)。トランプ米大統領の関税政策(3月12日から鉄鋼、アルミ製品に25%、4月5日から世界各国に一律10%、中国には4月9日から145%関税適用)などから、米国の標的とされた中国産ビレットは急落。さらにロシアや英国が鉄スクラップ(HMS(80:20)の安値販売に踏み切ったため、欧州、米国、英国の浜値は「全面値下げの局面」にあり、トルコでは製鉄所と販売業者が「在庫一掃」の価格競争に突入したと関係者は伝えている。市況は軟調推移。
■LME鉄スクラップ先物・現地4月22日:1ヶ月=357.0㌦(前日359.5㌦)。2ヶ月=336.5㌦(340.0㌦)。3ヶ月=335.5㌦(340.0㌦)。6ヶ月=345.5㌦(348.5㌦)。12ヶ月=366.0㌦(367.5㌦)。
■中部鉄源協議会、新断47,020円(FAS)で販売(4月14日)=テックスレポートによれば、中部鉄源協議会は11日、共同販売入札を実施し新断バラをトン当たり47,020円(FAS)で販売した。3月13日入札価格と比べ420円高。上昇は4カ月連続。数量は3,000トンで、積み期は5月。名古屋港稲永埠頭から出荷する。
直近 日経新聞、業界紙、各社㏋要約
■日本製鉄、USスチール買収関連は「別掲資料」を参照してください。
*****************************
■2024年度粗鋼生産8,295万トンで3年連続の9000万トン割れ(4月22日・鉄連hpなど)=銑鉄生産は6,045.2万トン(前年比3.7%減)、粗鋼生産は8,295.0万トン(前年比4.5%減)でいずれも3年連続の減少となった。炉別では、転炉鋼6,136.8万トン(前年比3.9%減)、電炉鋼2,158.2万トン(同6.1%減)で、いずれも前年比では3年連続の減少。過去半世紀の最低となった20年度(8279万トン)に迫った。25年度は低調な内需と米国の関税措置による直接・間接影響などから8000万トン前後に落ち込みかねない情勢だ。粗鋼合計に占める電炉鋼比率は26.0%と前年から0.5ポイント低下した。
*3月粗鋼生産は720.7万トン(前月比12.6%増、前年同月比0.2%増)となり、前年同月比では13カ月ぶりの増加。炉別では、転炉鋼529.8万トン(前年同月比3.0%増)、電炉鋼190.9万トン(前年同月比6.9%減)となり、前年同月比では転炉鋼は3カ月ぶりの増加、電炉鋼は8カ月連続の減少となった。
■2024年度小棒生産量は663万5800トン(前年比9.9%減)(4月23日・テックスレポート )=鉄鋼連盟22日発表の鉄鋼生産速報によると、3月小形棒鋼生産量は59.0万トン(前年同月比8.4%減)。前年同月比マイナスは24年2月以降、14ヵ月連続。11ヵ月連続で60万トンを割り込んだ。その結果、2024年度小棒生産量は663万5800トンとなり、前年比9.9%減少。2021年度を直近のピークとしてマイナスは3年連続。月間平均は55.3万トンにとどまった。
■豪グリーンスチール・オーストラリア、電炉工場に投資(4月16日・テックスレポート )=オーストラリアのシドニーに拠点を置くグリーンスチール・オーストラリアは11日、電炉工場をイタリアのダニエリに発注した。総投資額は16億豪ドル(約146億円)で、電炉2基、直接還元鉄(DRI)、圧延ミルなどを建設。完工は26年後半または27年初頭までの予定。
■英、最後の高炉存続へ(4月13日)=英議会下院は12日、中国企業傘下のブリティッシュ・スチールの高炉を存続させる緊急法案を可決した。英政府が操業を管理し、国有化も検討。高炉2基を存続させる。強制的な立ち入りや原材料発注の権限を与える。
■JFE、電炉転換3000億円 岡山、28年から生産(4月11日・夕)=JFEスチールは10日、倉敷第2高炉を電炉に転換し、28年4~6月期に生産を始める見通し。生産能力は年間約200万トンでCO2の削減効果は同約260万トンを見込む。精錬設備やスクラップを受け入れる岸壁なども設ける。電磁鋼板やハイテン(高張力鋼板)などの高級鋼も生産する。総投資額は3294億円で、うち最大1045億円は国の補助金でまかなう。
■4~6月の粗鋼生産見通し、2020万トン、前期実績見込み比2・1%減(4月11日・産業新聞)=経産省が10日まとめた25年度第1四半期(4―6月)の出荷等相当粗鋼需要量は2020万トンと前期実績見込み比2・1%減で2四半期連続の減少。
■関東鉄源「将来的に2万㌧の船積みに挑戦」(4月10日・テックスレポート )=関東鉄源協同組合は入札数量を5,000~20,000トンの範囲とする一方、1船当たり船積み15,000トンを上限としていた。ただ組合各会で諮ったところ承諾を得られたことから「1船20,000トンの船積みにチャレンジする」が「いつ行うかは未定」とした。南理事長は「事前に15商社にヒアリングし、全社から許可を得られなければ1船20,000トンの船積みは行わない」と述べた。
*組合員数73社88事業所に増加=4月7日付けで新たに1社が入会。73社88事業所に増加した。南理事長は在任中に組合員を100事業所に増やす方針に掲げている。
■金属窃盗抑止へ茨城で条例施行(4月3日・夕)=金属窃盗事件の増加を受け、盗品の売却を防ぐ茨城県の改正条例が1日、施行された。買い取り業者に、売り手の身分証の写しを3年保存するよう義務付けることが柱。改正条例では、確認義務を怠ると、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金。無許可営業は罰金上限を10万円から100万円に引き上げ、または1年以下の拘禁刑を科す。営業許可は5年ごとの更新制。主となる営業所が県外にあっても県内で取引する場合は許可が必要になる。県警によると、2024年の金属窃盗の認知件数は全国で2万701件。茨城県は3628件で、統計を取り始めた20年から5年連続の全国ワーストだった。
■日本製鉄、インド南部に一貫製鉄所建設(4月1日・産業新聞)=日本製鉄は、インドの事業会社のAM/NSインディアが南部アンドラプラデシュ州で製鉄所建設用地を取得と28日に発表した。臨海部に鉄源一貫製鉄所を建設し、粗鋼生産能力は年700万トン規模を検討している。西部グジャラート州の既存のハジラ製鉄所で1500万トンへの能力拡張工事を進めており、完了後は2拠点で2200万トンの粗鋼能力を持つ。
■日製、鹿島の鉄源1系列を休止(4月1日・産業新聞)=日本製鉄は31日、鹿島区の鉄源1系列を休止。高炉は15基から10基となり、国内の粗鋼生産能力は5000万トンから4000万トンに縮小した。インド・米国などに展開し、グローバル企業としての成長軌道に挑む。
■〈小さくても勝てる〉工場解体で伸びる・ベステラ、日鉄・呉の全3高(4月1日)=日鉄は鹿島第2高炉に続き、呉製鉄所の撤去をベステラに依頼した。特に呉地区は3基の高炉すべてを請け負い注目を集めた。売上高約100億円の中小企業が5000億円を超す業界大手などに競り勝ったためだ。ベステラは風力発電機の解体で存在感を高めた。これまでに12基を解体し、25年はさらに8基を計画する。1月時点の社員数は260人弱と3年前の2倍強になった。ベステラは24年の国内プラント関連の解体市場を7000億~1兆円と推定。40年にはさらに2.5倍に膨らむと予想する。全国解体工事業団体連合会の稲村行彦専務理事は「高度成長期にできた建築物の解体は増えることはあっても減ることはない」と話す。
■中部鋼鈑、製鋼工場の操業を再開(4月1日)=中部鋼板は3月31日、1月21日に製鋼工場で発生した水蒸気爆発により、操業を休止していた製鋼工場の設備や建屋の復旧工事が完了し、関係当局の了承を得て30日に操業を再開したと発表した。
■中山製鋼所、新社長に内藤伸彦専務が昇任(4月1日・テックスレポート)=中山製鋼所は31日、新社長に内藤伸彦専務取締役(66歳)が就任するトップ人事を発表した。6月26日、正式に社長に就任する。現社長の箱守一昭氏は代表取締役会長に就く。
■鉄鉱石、日本向け9%高(3月28日)=4~6月の日本向け鉄鉱石の調達価格(FOB=本船渡し)は1トン約97ドルと、1~3月(約89ドル)に比べ9%上がった。原料炭の調達価格(FOB)は1トン約194ドルで、前の四半期から2%下がった。
■ウエスギ、都市鉱山リサイクル事業に本格参入(3月28日。産業新聞)=産廃企業のウエスギ(本社=三重県四日市市)は、レアメタルや貴金属が含まれる廃電子機器などを処理する都市鉱山リサイクル事業に本格参入する。本社工場内に特殊溶剤やAI技術を活用した「プレシャスメタルリサイクル」設備を導入。年間240トンを再資源化する。
■2月の世界鉄鋼生産(3月27日・産業新聞)=世界鉄鋼協会発表の2月鉄鋼生産実績によると69カ国の粗鋼生産は1億4470万㌧(前年同月比3・4%減)。中国が減少し中国以外も6580万㌧と3・4%減った。1―2月累計生産は3億200万㌧(前年同期比2・2%減)。
■JFEと大和工業、H形鋼事業で協業(3月26日・テックスレポート)=JFEスチールグループのJFE条鋼、大和工業グループのヤマトスチールと共にH形鋼事業での協業を開始すると発表。4月からJFEスチールのH形鋼製品の一部について、ヤマトスチールを供給元として紹介する取り組みを開始する。
■現代製鉄、米国に新製鉄所(3月26日・テックスレポート)=現代製鉄は24日、総額58億ドルを投じルイジアナ州に電炉アーク炉による一貫製鉄所を新設すると発表。現代自動車や起亜自動車をはじめ、米国内自動車メーカーへ鋼板の供給を目指す。年産規模は270万トン(MT)。29年の商業生産開始を見込む。現地に生産拠点を設けることで鉄鋼25%輸入関税の回避を狙う。
■中国鉄鋼工業協会、新規生産設備の制限を推奨(3月24日・テックスレポート)=中国鉄鋼工業協会(CISA)は新規の鉄鋼生産設備の建設を効率的に禁止し、旧式設備の淘汰を加速することを推奨すると発表した。 “2025年(第16回)鋼材高品質発展会議”が 3月22日北京で開催された。会議は“第15次・五ヵ年計画の計画と戦略、低炭素化転換の新章”が主題とされ、需要と供給の不均等が業界の発展に悪影響を与えているとして、①遅れた生産能力の淘汰をできるだけ早く解消し、新たな生産能力管理技術を確立する。②専門的な製品をより、より高い付加価値を実現すること。③グリーン化と低炭素化への転換を堅持し、鉄鋼業界が国内炭素市場に参入すること――の3つを改善策として提示した。
■阪和興業、兼松トレーディングの全株式を取得(3月17日。テックスレポート)=阪和興業は4月1日付けで兼松の100%子会社である兼松トレーディングの全株式を譲り受けることに合意した。株式取得により、協和スチール、永和金属、建鋼社ならびに協和スチールが株式を保有する協和運輸をグループ会社化とした。
*兼松トレーディングの事業内容=鋼材、土木資材、建築資材、製鉄原料、製鋼原料、ステンレス、特殊鋼等の内外への販売、鉄骨工事及び内外装請負工事
*設立=1970年12月。*事業拠点=東京本社、大阪支社、北海道支店
*関係会社=協和スチール(厚板溶断業)。永和金属(チタン製品卸業)。建鋼社(サッシ・建具製造業)。協和運輸(運送業)
■豊田通商、車リサイクルの米社買収(3月15日・日経新聞)=14日、自動車リサイクルを手掛ける米ラディウス・リサイクリングを買収すると発表した。同社は1906年設立で、北米トップクラスのリサイクル企業。米ナスダック市場に上場。米国やカナダ、プエルトリコに計100カ所超のリサイクル拠点があり、オレゴン州には電炉も保有する。使用済み自動車などから鉄やアルミ、銅などを回収・リサイクルする事業を手掛けている。カーボンニュートラルに対応した製品の需要は高まっており豊田通商はトヨタ自動車などへのリサイクル材の供給体制を整える。
■北九州の吉川工業、全国に鉄スクラップ調達網(25年3月14日・日経新聞)=吉川工業(吉川和良社長)は鉄スクラップの調達網を全国に広げる。全国に技術者を派遣し、鉄スクラップを安定的に調達できるようにする。同社が狙うのは工場や発電所の設備更新などで出る鉄スクラップ。電炉の導入拡大とともに鉄スクラップの需要が急増すると見込み、取扱量を増やす。同社は現在、福岡県や大阪府などの3拠点に30人近くが溶断作業に従事しているが、向こう5年で60人に倍増する。24年1月期売上高は277億円。30年1月期に320億円まで伸ばす計画。吉川工業は1920年、官営八幡製鉄所の作業請負を祖業として設立した。
■鉄リ工業会、第7回適正ヤード推進委員会を開催(3月13日・テックスレポート)=日本鉄リサイクル工業会は11日、「適正ヤード推進委員会」の第7回会合を開催した。会長、副会長、専務理事のほか全国各支部委員が出席し、経産省、警察庁、環境省がオブザーバーとして参加した。第7回会合では警察庁が金属盗対策に関する法案が閣議決定されたことを報告し、環境省が「ヤード環境対策検討会」の報告書について説明した。23年8月の第1回開催以降、同会は「不適正ヤードに対する包囲網が確実にできつつある」とコメント。一方で「一部の地方自治体で、適正業者でも実現が難しい厳しい規制が検討されている」ため、同会では今後も「関係当局に対して対話を通じて率直な意見を表明していく」考えだ。
■政府、金属盗対策法案を閣議決定(3月12日。日経新聞)=太陽光発電施設の金属ケーブル盗が多発などを受け、政府は11日、「金属盗対策法」(正式名称=盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律)案を閣議決定した。金属くず買い取り業者に営業届出の義務を課し、違反すれば6月以下の拘禁刑か100万円以下の罰金、または両方を科す。また売主の本人確認や取引記録の3年間保存、警察の立入調査を可能とし、営業停止の行政処分もできるようにする。公布後1年以内に順次施行される。業者が無届営業した場合は都道府県公安委員会からの本人確認の確実な実施指示に従わないなど悪質な業者は6月以内の営業停止とする。ケーブル切断機能を持つカッターなどの工具の隠し持ちを禁止。
*警察庁hp 金属盗対策に関する検討会(以下のhpを参照のこと)。
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/scrap/scrap.html(第1回~第3回)
report.pdf(第3回検討会・報告書全文)
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/scrap/summary.pdf(報告書・概要)
■金属盗対策に関する検討会 報告書(スチールストーリーJAPAN)
https://steelstory.jp/market/6253/