10月9日マーケット情報


H2炉前価格(鉄源協会・108日)=10月第1週:関東39,000円(先週39,000円)。前年同週38,167円 ▽関西35,875円(先週35,875円)。前年同週35,375円 

 

■異形棒鋼価格、(鉄源協会10月7日):10月第1週=東京104,000円(先週104,000円)。前年同週117,000円。▽大阪92,000円(先週92,000円) 。前年同週99,000円。

 

■東京湾岸FAS相場は、一段高(108日)=テックスレポートなどによれば、東京湾岸主要埠頭は東京製鉄の7日からの購入価格引き上げに呼応し、おおむね500円高となっている。7日現在、東京湾岸FAS価格はH240,50041,000円に続伸し前週比500円高気配。新断44,50045,500円、HS45,00046,000円程度。東鉄の7日からの値上げ背景として「円安ドル高の進行」が伝えられ、さらに関東鉄源協同組合は来週以降、8,500トン、15,000トンと2船の船積み予定があり、需給のタイト感は強い。今後も為替が円安に振れれば、東京湾岸FAS価格のさらなる上昇につながりそうだ。

 

■米国コンポジット・プライス、311.67㌦、20週連続で同値(108日)=106日付け米国コンポジット・プライス(ピッツバーグ、シカゴ、フィラデルフィア3地区平均)は311.67㌦で前週と同値。4月第1週(378.33㌦)をピークに、鉄鋼を巡る世界的な不透明感から、上昇分の約9割弱を失ったまま20週連続で同値に張り付いた。

  

■東鉄、7日から高松を除き7拠点で全品種一律で500円値上げ(107日)=東京製鉄は7日購入分から高松を除く全国7拠点・工場の購入価格を一律500円引き上げる。

 各拠点の特級価格は、田原(海上・陸上)=40,500円、名古屋サテライト(陸上)=40,000円、岡山(海上・陸上)=41,000円、関西サテライト(陸上)=40,000円、高松(陸上)=37,000円(据え置き)、九州(海上・陸上)=41,000円、宇都宮(陸上)=40,000円、東京湾岸サテライト(陸上)=41,000円となる。購買情報|東京製鐵株式会社

 

■トルコ情勢=107日付け関係者情報によれば、トルコ向けHMS1:280:20)バルク指数は106日、USD344.0/MT CFR(先々週比2ドル上昇)で、「およそ一か月間下落した相場がようやく底が見えた様子」。ただ関係者によれば輸出国である米国では鉄鋼会社の収益悪化や定期炉修などから国内消費の後退(輸出向け出荷の増加)などからトルコ向け商談の軟化を懸念する声もある。堅調ながら様子見の気配だ。

 

■LME鉄スクラップ先物・現地107日:1ヶ月=350.5㌦(前日349.0㌦)。2ヶ月=350.5㌦(348.5㌦)。3ヶ月=354.0㌦(353.0㌦)。6ヶ月=369.0㌦(372.0㌦)。12ヶ月=384.0㌦(382.5㌦)。

 

POSCOHS49,000(CFR)のビッド(102日・テックスレポート)POSCOの直系商社POSCOインターナショナルは102日、HS49,000円(CFR)、シュレッダーAに同48,000円(CFR)のビッドを提示した(船積み期限1125日)。また前回はオファーの対象外だった新断プレス、新断シュレッダーに49,000(CFR)のビッドを出した。荷揚げ地は光陽または浦項で、買い手オプション。両地までのフレートは東京湾から2,0003,000トン積みの場合でトン当たり3,000円程度とみられ、FOB換算価格は、HS46,000円程度の水準となる。

 

 

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 直近 日経新聞、業界紙、各社㏋要約

 

■日本製鉄、USスチール買収関連は「別掲資料」を参照してください。

 

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EU、鉄鋼に50%関税案(108日) EUの執行機関である欧州委員会は7日にも、無関税の輸入枠を超過した鉄鋼に50%の関税をかける案を発表する。現行の2倍に引き上げるほか、無関税の輸入枠も2024年比で半減させる。米国と同水準の鉄鋼関税を課すことで中国製など安い製品の流入を阻止する狙い。国別の割当量は今後、検討する。貿易統計によると、日本の24年度鉄鋼輸出額は43422億円で、EU向けは約4%1825億円だった。

■中山鋼業、異形棒鋼販価を5000円引き上げ(10月1日・産業新聞)=中山鋼業(本社=大阪市、座古俊昌社長)は30日、異形棒鋼の販売価格を101日から5000円引き上げた。

 

■日本製鉄、カナダ鉄鉱山権益30%を取得(10月1日・テックスレポート)=日本製鉄は30日、カナダのチャンピオン・アイアン社が保有するカミスティアチュセット(Kami鉱山)と合弁会社を設立し、持分30%を取得したと発表した。出資構成はチャンピオン・アイアン社が51%、日本製鉄30%、双日19%。Kami鉱山の鉄鉱石(年間900万トン)は、直接還元鉄の製造に適した(DRグレード)、稀少な高品位の鉄鉱石であり、日本製鉄は直接還元鉄の原料確保を図っていく考えだ。

 

■<役員異動> 扶和メタル=扶和メタル(本社=大阪府大阪市、勝山正明社長)は930日付で谷野祥一常務取締役が退任し、同日付で瀧井克誠執行役員が取締役に就任する役員異動を行った。同社の新役員体制(敬称略)は◇会長=黒川友二、◇代表取締役社長=勝山正明、◇常務取締役=田畑喜章、◇取締役=瀧井克誠――となる。

 

■中国のデフレ輸出が日本へ(929日)=鉄鋼連盟によると世界の24年の鋼材関連の反ダンピング調査のうち7割は対中国。国は7月、中国製と台湾製のニッケルを含むステン冷延鋼板の調査を始めた。8月には中国製と韓国製の亜鉛めっき鋼板の調査に入った。課題はマンパワー。調査員は40人ほどしかいない。米国は300人規模。EUは約60人。日本も人員を増やしていく必要がある。

 

■東北デーバー、10月契約1万円引き上げ(929日・産業新聞)=東京鉄鋼と伊藤製鉄所の共販会社、東北デーバー・スチールは異形棒鋼販価を10月契約分から1万円引き上げる。

 

■EU、日本製鋼板に最大30%関税(927日)=EUの欧州委員会は26日、日本のほかエジプトとベトナム製の一部の鋼板に6.930%の反ダンピング関税を課した。5年間適用する。

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■木谷謙介会長、定例記者会見(25925日・テックス)=木谷謙介会長は24日、東京・茅場町の鉄鋼会館で定例記者会見にのぞみ、最近の取り組みや活動成果を報告した。

*適正ヤード推進=第8回適正ヤード推進委員会(827日)で、警察庁からは金属盗難対策法の説明、環境省からは廃棄物処理制度の法改正に向けた報告があった。今後は「国税局の立入り調査や法務省出入国在留管理庁による不法滞在者の取り締まりなど、省庁間で連携して不適正ヤードの包囲網を築いてほしい」と期待を寄せた。「一部自治体では適正業者も守れない条例が制定されている。制度の修正をお願いしている」と課題も指摘した。

*鉄スクラップ呼称変更=今後は各支部を訪問し、①「スクラップ」との言葉は解体発生物を指し、製品にはふさわしくないのではないか、②時代の変化とともに言葉のイメージが悪化している、③世界的に名称変更の流れが広がっている、④高炉需要の増加が想定され、品質保証付き工業製品として他の名称が適切ではないか――との趣旨を説明していくとした。

*国際ネットワーク構築=米国のReMA(旧ISRI=加盟は1700社以上)を初めて訪問し、情報交換ができた。「輸出規制反対など、ReMAとは方向性が一致している」。今後とも情報交換を継続する(面談詳細は今後ホームページで掲載する)。

*広報活動=鉄スクラップ環境価値のCMYouTube220万回、TVer41万回視聴され、工業会の認知度向上や環境価値の訴求につながったとした。

 ■今井鉄連会長、鉄連会見での主な一問一答(25925日・テックス)=日本鉄鋼連盟の今井正会長は25日、東京・茅場町の鉄鋼会館で会見した。

*米国政府が自動車関税を27.5%から15%に引き下げた。鉄鋼業への影響は?

回答=鉄鋼は引き続き50%関税がかかっており直接的な影響が大きい。自動車を代表とする間接的な鉄鋼需要産業への影響と、直接的な影響を合わせたインパクトを定量的に評価するのは難しいが、日本製鉄個社としては年間最大約500億円規模の影響がある。派生製品に対して課税があるのか等不透明な部分があるので、引き続き成り行きを注視していく。

*アンチダンピング課税について、日本政府が78月にニッケル系ステンレス冷延と溶融亜鉛メッキ鋼板の調査を開始した。調査の必要性をどのように考えているか。

回答=わが国の鋼材市況を守るという意味で、非常に大きな一歩だと思って期待している。ステンレスと亜鉛めっきの2品目に限らず問題が生じれば都度調査をお願いしようと考えている。日本はこれまで通商措置をあまりやってこなかった影響で、通商対策に関わる行政側の人員が非常に少ない。米国などと比べると、桁が一桁少ない、これが他国に比べて調査に長い時間がかかってしまう一つの要因。行政サイドの整備も課題になると考えている。

GX対策=日本政府によるGX対策に対する投資の補助金や生産コストに対する税制上の支援等の制度が固まったことで、日本製鉄やJFEスチールが高炉から電炉への大型投資を決めた。これからその投資の回収が必要になるが、一番の課題は、グリーンスチールの鋼材のプレミアムが取れるのかという点に尽きる。自動車向けに関しては補助金制度ができ、公共工事でもグリーン鋼材の使用が推奨される動きもあって徐々に環境が整いつつある。ただ、2030年に向けて大型電炉によるグリーンスチールの生産が始まると、年間400500万トン規模のグリーンスチールが生産されることになる。この規模の需要が必要なプレミアムを伴う形で出てくるかについてはまだ分からず、これから国や産業界と二人三脚で取り組んでいく必要があると考えている。

■関東鉄源協同組合、第24回通常総会を開催「25,000トン船積みが目標」(918日・テックスレポート)=関東鉄源協同組合(理事長=南光司・ミナミ社長)は25917日、東京都千代田区の如水会館で第24回通常総会を開催し、関係者およそ80名が出席し、来賓として日本鉄リサイクル工業会の向井英輝副会長が祝辞を述べた。

*南理事長・あいさつ=「組合員数が7388事業所と1社増加し、初めてインドに輸出したうえ、12万トンの船積みを初めて実施することもできた。いつの日か25,000トンの船積みを行うことを目標としたい。お台場13号地ではDWT(載貨重量トン数)25,000トンが上限となるが、(2港積み、3港積みを行うことで)その先の30,000トン、50,000トンの輸出についても組合員と話し合っていきたい」とさらなる大型船の輸出に取り組んでいく意向を示した。

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■王子製鉄、10月契約3000円引き上げ(9月24日・産業新聞)=王子製鉄は22日、10月契約分で平鋼、角鋼ともに販売価格をトン当たり3000円引き上げると発表した。

8月鉄鋼生産速報=日本鉄鋼連盟22日発表の8月鉄鋼生産速報によると銑鉄生産は4998000トンで前月比1.3%減、前年同月比3.4%減、粗鋼生産は6636000トンで前月比4.1%減、前年同月比3.4%減となった。日当たり粗鋼生産は21.4万トンで、7月の(22.3万トン)との比較では4.1%減となった。炉別生産では転炉鋼が5114000トンと前月比1.7%減、前年同月比3.6%減、電炉鋼が1523000トンと前月比11.4%減、前年同月比2.6%減少した。

 

■日鉄、H形鋼値上げ 18カ月ぶり(919日)=18日、H形鋼の一般流通(店売り)向け価格を9月契約で引き上げると発表した。値上げは20241月契約以来、18カ月ぶりだ。上げ幅は1トン当たり3000円。日鉄スチールも1トン3000円値上げする。

 

■スチール・アジア、リサイクルシステム構築へ(916日・産業新聞)=フィリピン鉄鋼最大手のスチール・アジアは、現地インフラ投資大手(MPIC)、三井物産マニラ支店と鉄リサイクルシステムの構築に向けた覚書(MOU)を締結した。3社は建設業界における「クローズドループ型」の循環モデルの実現可能性を共同で検討する。