10月24日マーケット情報

 


■東京湾岸FAS相場、東鉄値上げに呼応し5001,000円高(1022日)=テックスレポートによれば、東京湾岸FAS相場は、東鉄価格上げに呼応し、21日から実勢価格帯を5001,000円切り上げた。東京湾岸主要埠頭は21日現在、H2実勢42,50043,000円中心で前週末比5001,000円高。関東鉄源協同組合をはじめ計7万トン超の船積みが見込まれており、荷不足感を背景に強含み推移している。HS46,50047,000円中心、新断46,00046,500円中心だが、新断はこれを超える47,000円も一部で出ている。

 

H2炉前価格(鉄源協会・1022日)=10月第3週:関東40,500円(先週40,500円)。前年同週41,333円 ▽関西37,375円(先週36,500円)。前年同週35,375 

 

■米国コンポジット・プライス、309.67㌦、小幅続落(10月22日)=1020日付け米国コンポジット・プライス(ピッツバーグ、シカゴ、フィラデルフィア3地区平均)は308.33㌦で前週比1.34㌦続落した。鉄鋼を巡る世界的な不透明感は、依然として消えない。

 

■LME鉄スクラップ先物・現地1022日:1ヶ月=348.0㌦(前日350.5㌦)。2ヶ月=349.0㌦(351.0㌦)。3ヶ月=352.0㌦(352.5㌦)。6ヶ月=363.0㌦(364.0㌦)。12ヶ月=377.0㌦(380.5㌦)。

 

■東鉄、21日から岡山で500円、九州を除く6拠点は1,000円上げ(1020日)=東京製鉄は21日購入分から岡山工場で500円、田原工場、名古屋SY、岡山工場、関西SY、高松鉄鋼センター、宇都宮工場、東京湾岸SY1,000円の値上げを決めた。九州工場は据え置いた。10日、17日に続く値上げである。
各拠点の特級価格は、田原(海上・陸上)=43,000円(1,000円上げ)、名古屋サテライト(陸上)=42,500円、岡山(海上・陸上)=43,000円(500円上げ)、関西サテライト(陸上)=42,000円(1,000円上げ)、高松(陸上)=38,000円(1,000円上げ)、九州(海上・陸上)=43,000円(据え置き)、宇都宮(陸上)=42,000円(1,000円上げ)、東京湾岸サテライト(陸上)=43,000円となる(1,000円上げ)。購買情報|東京製鐵株式会社

 

■トルコ情勢=1021日付け関係者情報によれば、トルコ向けHMS1:280:20)バルク指数は1017日、USD353.0/MT CFR(先々週比3.0ドル上昇)で、922日の335.0/MT CFRを直近の底に値戻し気配にある。ただ既報のとおり現状では、明暗材料が交錯している。プラス材料としては、トルコの19月鋼材輸出が好調なこと(前年同期比9.5%増)、マイナス材料はEUの欧州委員会が域外の鋼材輸入に現行の2倍の50%の関税案を提示したこと。関税免除の鋼材は10%に留まる見通しのため、堅調ながら様子見の気配だ。

EU、鉄鋼に50%関税案(108日) EUの執行機関である欧州委員会は7日、267月から無関税の輸入枠を24年枠比47%減の1830万トンにとどめ、超過分への関税を現行のセーフガード(SG)の2倍の50%に設定する。27年までに72100万トンに拡大する見通しの世界的な鉄鋼過剰生産能力への対抗策とし、米国と同水準の鉄鋼関税を課すことで中国製など安い製品の流入を阻止する狙い。

 

■異形棒鋼価格(鉄源協会10月20日):10月第3週=東京104,000円(先週104,000円)。前年同週117,000円。▽大阪92,000円(先週92,000円) 。前年同週99,000円。

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 直近 日経新聞、業界紙、各社㏋要約

 

■日本製鉄、USスチール買収関連は「別掲資料」を参照してください。

 

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■共英製鋼、米国で電炉新設(1022日・産業新聞)=共英製鋼は1612月に買収したテキサス州の電炉会社ビントン・スチールに電炉工場を新設し、圧延設備を一新する。日本、ベトナムとの三極で世界400万トン体制の確立を目指す上で米国事業の拡大が鍵を握る。

 

■JFE条鋼、10月契約から3000円引き上げ(1022日・産業新聞)=JFE条鋼は10月契約分(11月ロール分)から3000円引き上げる。H形鋼と等辺山形鋼、溝形鋼。国内店売り向けが対象で、最終的にはトン5000円の引き上げをお願いしたい」(中島秀彦常務取締役)。

 

■米クリフス、レアアース生産へ調査(1021日・夕)=米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスは20日、米国でレアアース生産への参入を検討すると発表した。ローレンコス最高経営責任者(CEO)が明らかにした。同社はミネソタ州とミシガン州に鉱山を所有し、製鉄に必要な鉄鉱石を採掘している。これらの鉱山でレアアース採掘につながる複数の証拠を得ることができたという。一方で、技術的な詳細や実現の可能性は明らかにしなかった。

 

■東京製鉄、税引き益53%減(1018日)=東京製鉄は17日、263月期の単独税引き利益が前期比53%減の100億円見通しと発表した。従来予想から10億円下方修正した。売上高は前期比19%減の2643億円、営業利益は68%減の95億円の見通しで、従来予想を292億円、66億円下回る。税引き利益の下振れ額が小さいのは資産を売却し特別利益の計上を織り込んだため。263月期のメタルスプレッドは1トンあたり52300円想定か5900円に引き下げた。前期比では1トンあたり8000円の悪化となり、営業利益ベースで219億円のマイナス要因になる。下半期の販売数量は上半期よりも2万トン増の約138万トンを予定している。同日発表した2549月期の単独決算は税引き利益が前年同期比54%減の45億円だった。

 

■日鉄、カナダ鉱山権益取得(1016日・夕)=日鉄は従来出資を計画していたカナダの鉄鉱石鉱山の権益を30%取得した。高品位な鉄鉱石がとれる鉱山に双日とともに出資する計画で、日鉄は権益の対価1.5億カナダドル(約160億円)を2分割で支払う。

 

■日本の鉄鋼生産、米下回る(1012日)=世界鉄鋼協会のまとめによると18月の日本の生産量は前年同期比4.5%減の5410万トン。同1.6%増の5460万トンだった米国を下回った。年間を通して同じ増減率になると仮定すると、日本は8022万トン、米国は8072万トンになる。

米国の製鉄所の稼働率は年初の74%前後から足元で8割弱まで上がった。今後関税で割高になった輸入材の流入が減れば、さらに生産が増える可能性もある。

 

EU、鉄鋼に50%関税案(108日) EUの執行機関である欧州委員会は7日にも、無関税の輸入枠を超過した鉄鋼に50%の関税をかける案を発表する。現行の2倍に引き上げるほか、無関税の輸入枠も2024年比で半減させる。米国と同水準の鉄鋼関税を課すことで中国製など安い製品の流入を阻止する狙い。国別の割当量は今後、検討する。貿易統計によると、日本の24年度鉄鋼輸出額は43422億円で、EU向けは約4%1825億円だった。

 

■中山鋼業、異形棒鋼販価を5000円引き上げ(10月1日・産業新聞)=中山鋼業(本社=大阪市、座古俊昌社長)は30日、異形棒鋼の販売価格を101日から5000円引き上げた。

 

■日本製鉄、カナダ鉄鉱山権益30%を取得(10月1日・テックスレポート)=日本製鉄は30日、カナダのチャンピオン・アイアン社が保有するカミスティアチュセット(Kami鉱山)と合弁会社を設立し、持分30%を取得したと発表した。出資構成はチャンピオン・アイアン社が51%、日本製鉄30%、双日19%。Kami鉱山の鉄鉱石(年間900万トン)は、直接還元鉄の製造に適した(DRグレード)、稀少な高品位の鉄鉱石であり、日本製鉄は直接還元鉄の原料確保を図っていく考えだ。

 

■<役員異動> 扶和メタル=扶和メタル(本社=大阪府大阪市、勝山正明社長)は930日付で谷野祥一常務取締役が退任し、同日付で瀧井克誠執行役員が取締役に就任する役員異動を行った。同社の新役員体制(敬称略)は◇会長=黒川友二、◇代表取締役社長=勝山正明、◇常務取締役=田畑喜章、◇取締役=瀧井克誠――となる。

 

■中国のデフレ輸出が日本へ(929日)=鉄鋼連盟によると世界の24年の鋼材関連の反ダンピング調査のうち7割は対中国。国は7月、中国製と台湾製のニッケルを含むステン冷延鋼板の調査を始めた。8月には中国製と韓国製の亜鉛めっき鋼板の調査に入った。課題はマンパワー。調査員は40人ほどしかいない。米国は300人規模。EUは約60人。日本も人員を増やしていく必要がある。

 

■東北デーバー、10月契約1万円引き上げ(929日・産業新聞)=東京鉄鋼と伊藤製鉄所の共販会社、東北デーバー・スチールは異形棒鋼販価を10月契約分から1万円引き上げる。

 

■EU、日本製鋼板に最大30%関税(927日)=EUの欧州委員会は26日、日本のほかエジプトとベトナム製の一部の鋼板に6.930%の反ダンピング関税を課した。5年間適用する。

 

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■木谷謙介会長、定例記者会見(25925日・テックス)=木谷謙介会長は24日、東京・茅場町の鉄鋼会館で定例記者会見にのぞみ、最近の取り組みや活動成果を報告した。

*適正ヤード推進=第8回適正ヤード推進委員会(827日)で、警察庁からは金属盗難対策法の説明、環境省からは廃棄物処理制度の法改正に向けた報告があった。今後は「国税局の立入り調査や法務省出入国在留管理庁による不法滞在者の取り締まりなど、省庁間で連携して不適正ヤードの包囲網を築いてほしい」と期待を寄せた。「一部自治体では適正業者も守れない条例が制定されている。制度の修正をお願いしている」と課題も指摘した。

*鉄スクラップ呼称変更=今後は各支部を訪問し、①「スクラップ」との言葉は解体発生物を指し、製品にはふさわしくないのではないか、②時代の変化とともに言葉のイメージが悪化している、③世界的に名称変更の流れが広がっている、④高炉需要の増加が想定され、品質保証付き工業製品として他の名称が適切ではないか――との趣旨を説明していくとした。

*国際ネットワーク構築=米国のReMA(旧ISRI=加盟は1700社以上)を初めて訪問し、情報交換ができた。「輸出規制反対など、ReMAとは方向性が一致している」。今後とも情報交換を継続する(面談詳細は今後ホームページで掲載する)。

*広報活動=鉄スクラップ環境価値のCMYouTube220万回、TVer41万回視聴され、工業会の認知度向上や環境価値の訴求につながったとした。

 

 ■今井鉄連会長、鉄連会見での主な一問一答(25925日・テックス)=日本鉄鋼連盟の今井正会長は25日、東京・茅場町の鉄鋼会館で会見した。

*米国政府が自動車関税を27.5%から15%に引き下げた。鉄鋼業への影響は?

回答=鉄鋼は引き続き50%関税がかかっており直接的な影響が大きい。自動車を代表とする間接的な鉄鋼需要産業への影響と、直接的な影響を合わせたインパクトを定量的に評価するのは難しいが、日本製鉄個社としては年間最大約500億円規模の影響がある。派生製品に対して課税があるのか等不透明な部分があるので、引き続き成り行きを注視していく。

*アンチダンピング課税について、日本政府が78月にニッケル系ステンレス冷延と溶融亜鉛メッキ鋼板の調査を開始した。調査の必要性をどのように考えているか。

回答=わが国の鋼材市況を守るという意味で、非常に大きな一歩だと思って期待している。ステンレスと亜鉛めっきの2品目に限らず問題が生じれば都度調査をお願いしようと考えている。日本はこれまで通商措置をあまりやってこなかった影響で、通商対策に関わる行政側の人員が非常に少ない。米国などと比べると、桁が一桁少ない、これが他国に比べて調査に長い時間がかかってしまう一つの要因。行政サイドの整備も課題になると考えている。

GX対策=日本政府によるGX対策に対する投資の補助金や生産コストに対する税制上の支援等の制度が固まったことで、日本製鉄やJFEスチールが高炉から電炉への大型投資を決めた。これからその投資の回収が必要になるが、一番の課題は、グリーンスチールの鋼材のプレミアムが取れるのかという点に尽きる。自動車向けに関しては補助金制度ができ、公共工事でもグリーン鋼材の使用が推奨される動きもあって徐々に環境が整いつつある。ただ、2030年に向けて大型電炉によるグリーンスチールの生産が始まると、年間400500万トン規模のグリーンスチールが生産されることになる。この規模の需要が必要なプレミアムを伴う形で出てくるかについてはまだ分からず、これから国や産業界と二人三脚で取り組んでいく必要があると考えている。

 

■関東鉄源協同組合、第24回通常総会を開催「25,000トン船積みが目標」(918日・テックスレポート)=関東鉄源協同組合(理事長=南光司・ミナミ社長)は25917日、東京都千代田区の如水会館で第24回通常総会を開催し、関係者およそ80名が出席し、来賓として日本鉄リサイクル工業会の向井英輝副会長が祝辞を述べた。

*南理事長・あいさつ=「組合員数が7388事業所と1社増加し、初めてインドに輸出したうえ、12万トンの船積みを初めて実施することもできた。いつの日か25,000トンの船積みを行うことを目標としたい。お台場13号地ではDWT(載貨重量トン数)25,000トンが上限となるが、(2港積み、3港積みを行うことで)その先の30,000トン、50,000トンの輸出についても組合員と話し合っていきたい」とさらなる大型船の輸出に取り組んでいく意向を示した。

 

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