政府の成長戦略会議、グリーン鉄に4.2兆円

 

政府は24日、日本成長戦略会議を開き、戦略17分野の主要製品、技術などに対する2040年度までの官民投資を370兆円超とする方針を示した。うち経産省所管の「マテリアル (重要鉱物 ・部素材)」ではグリーン鉄に2040年度までに4.2兆円を投じ、2030年代前半に、年約300t以上の規模の高品質なグリーン鉄市場を国内外で獲得し、鉄スクラップを高品位化する処理能力約200万トン/年を目安とし、追加的に国内で確保するとした。

************************************

 

経済財政諮問会議(令和8年第8回) 日本成長戦略会議(第5回)

 

令和8年6月24日(水) 1800分~1850分 総理大臣官邸2階大ホール

第8回会議資料:会議結果 令和8年 : 経済財政 政策 - 内閣府

戦略17分野の「主要な製品・技術等」における官民投資額 資料1  0624_shiryo01.pdf

*全体を合計した官民投資額は、現時点で2040年度までの累計で370兆円超を想定。

*官民投資額の算出方法「主要な製品・技術等」毎に「勝ち筋」を特定し国内投資支援、需要・市場の創出などを含めた政策パッケージからなる官民投資ロードマップ案を作成。 

*グリーン鉄=2040年度までに4.2兆円。

 

戦略17分野における「主要な製品・技術等」資料2  0624_shiryo02.pdf

<戦略分野  マテリアル (重要鉱物 ・部素材) 経産省>

③グリーン鉄

*選定の考え方=鉄鋼は様々な製品や社会インフラに使用される重要な基礎素材。我が 国の鉄鋼業は、高強度・高加工性などユーザーの求める機能を実現する高級鋼材を中心に競争力を有しており、製造業の国際競争力強化に貢献。グリーン鉄の市場は2050年に約5億トンまで拡大するポテンシャルがあり、欧州をはじめとし需要サイドでも素材製造プロセスの脱炭素 化要請が高まる中で、世界に先駆けたグリーン鉄の国内生産・技術基盤の構築が急務。

*方向性=大型革新電炉の設備投資や水素還元製鉄の技術開発支援、グリーン鉄のGX価値 の見える化や公共工事を含めた需要創出による市場環境整備等を通じ、国際ルール形成に向けた主導権を握る。リサイクル施設への設備投資支援等を通じ、高品位 鉄スクラップを増産する。また、脱炭素電力・水素・CCSインフラの整備等を進める。これらにより、高品質なグリーン鉄市場を世界に先駆けて国内外で獲得し、競争優位 性の確立につなげる。

 

戦略17分野における「主要な製品・技術等」の官民投資ロードマップ(案) 資料3

 

マテリアル(重要鉱物・部素材) ②グリーン鉄   0624_shiryo03.pdf

 

  • 現状認識と目指す姿【目標】

① 国内外で獲得を目指す市場 ・2030年代前半に、自動車、建築、公共工事、造船、産業機械等向けの年約300t以上の規模の高品質なグリーン鉄市場を国内外で獲得する。

② 達成すべき戦略的な目標・海外メーカーでは製造することができない高品質かつGX価値をもった鋼材を、スクラップや還元鉄を主原材料とし、いち早く製造することにより、不可欠性を獲得する。・スクラップについて、大型革新電炉や鋳物等製造業向けの安定的な供給を確保するため、2030年時点で、鉄スクラップを高品位化する処理能力約200万トン/年を目安とし、追加的に国内で確保する

 

  • 勝ち筋の特定と官民投資の具体像【道筋】

① 投資内容 ・鉄鋼メーカーによる、大型革新電炉の建設、水素還元製 鉄の技術開発等供給サイドのプロセス転換。・鉄鋼メーカーやスクラップ事業者による、AI等を活用したスクラップ高度選別設備や大型シュレッダー等リサイ クル施設。

② 投資額 2040年度までで4.2兆円と想定

③ 定量的インパクト:投資による経済波及効果 2040年度までで10.4兆円と想定

 

  • 官民投資促進に向けた課題と政策パッケージ【政策手段】

①国内投資支援・大型革新電炉等への設備投資補助金・水素還元製鉄技術開発への支援・AI等を用いたスクラップ選別効率化等技術開発への支援・大型革新電炉で利用可能及び、鋳物等製造業でも部分的に活用が見込める様々なスクラップを生産するためのスクラップ高度選別設備や大型シュレッダー等リサイクル施設への設備投資支援・循環資源の海外流出抑制策の検討

②需要創出・市場確保・社会実装支援 ・グリーン鉄の国内初期需要創出に向けた取組 ・グリーン購入法を踏まえた、国・自治体による優先的調達・購入の推進・公共工事における試行工事の実施・順次対象の拡大及び検討方針の明確化、国及び地方公共団体における本格活用 ・大口需要家(自動車・建材等)に対する需要喚起策や制度の導入・検討

③立地競争力強化・自動車・家電等の高度リサイクル促進 ・国内高品位スクラップの確保 ・脱炭素電力・水素・CCSインフラの整備

 ④国際連携 ・グリーン鉄のGX価値の国際標準への反映

 

方向性 ――我が国の勝ち筋

*主な課題 (ボトルネック)=・大型革新電炉等への初期投資負担・安定的な高品位スクラップ鉄の確保・グリーン鉄への短期的な需要が不透明・グリーン鉄のGX価値の見える化 及び国際標準への反映が道半ば

*講じるべき施策=・大型革新電炉の設備投資や水素還元製鉄の技術開発支援・高品位スクラップ鉄増産に向けたリサイクル施設への設備投資支援・グリーン鉄の国内初期需要創出(公共工事におけるグリーン鉄の調達等 )・グリーン鉄のGX価値の国際標準への反映・脱炭素電力・水素・CCSインフラの整備

*目指すべき姿=・2030年代前半に、年約300t以上の規模の高品質なグリーン鉄市場を国内外で獲得・2030年時点で、鉄スクラップを高品位化する処理能力約200万トン/年を目安とし、追加的に国内で確保する